1年生の2学期に始まった繊細な娘の行き渋りが18日で解消した秘策

小学校に慣れてきたはずの1年生の2学期。仲の良いお友達もいて、学校に行けば楽しく過ごしているのに、朝になると頭痛や腹痛を理由に「行きたくない」と言い出し、行き渋る理由がわからず困っていませんか?繊細な娘がわずか18日で行き渋りを解消した秘策をお伝えします!

1.引越してお友達がいない環境で小学校生活がスタートした繊細な娘

 

私の小学1年生の娘ぷにちゃん(通称)は、繊細で人見知りが強く、4歳前半頃までは特定のお友達としか遊べませんでしたが、5~6歳で急成長し、保育士さんやママ友さんに「ぷにちゃん活発になったね!」と言われるようになりました。

 

校区のために引越しを検討し、ぷにちゃんに相談したところ、「新しいお友達を作りたいから引っ越したい!」と言われ、安心して引越しを決断しました。

 

 

入学式より10日早く始まった学童初日、受付でハッキリと自分の名前を言ったぷにちゃんを見て頼もしくなったなと成長を感じ、その夜には、「自分から話しかけてAちゃんというお友達ができたよ!」と報告があったので、小学校生活は順調に始まったと思っていました。

 

2.繊細な娘に異変が起き始めたお盆明け

 

夏休みは学童に通い、休日にはお友達と遊び、1週間近く祖父母宅へ帰省したりと、本人も「今までで一番楽しい夏休み!」と言うほど、初めての長いお休みを満喫していました。

 

夏休みが楽しかった反動なのか、お盆が明け、2学期開始が目前に迫った頃に異変が起こりました。習い事へ行くのを渋り、絵日記など、少しだけ残っていた宿題をするよう促してもすぐにやめてしまいます。

 

 

始業式3日前になっても終わらないので「宿題終わらないと夏休み最後の土日に遊べないよ?」と言ったのですが、不貞腐れて布団にごろんと転がり何もしなくなるというのが2日続き、結局最終日まで絵日記を持ち越してしまいました。

 

3.1年生の2学期に始まった行き渋り

 

始業式の日こそすんなり家を出たけれど、その翌日から毎朝「行きたくないな」とつぶやくようになりました。

 

それでも毎日渋々登校していましたが、始業式から12日目の朝、家を出る時間になると涙を流しながら「行きたくない、足が痛くて動けない」と座り込んでしまいました。

 

「ママも一緒に靴箱まで行くから!」「ママが荷物を持つから!」と私も必死で何とか登校を促したところ「保健室なら行ける」と言うので、私も一緒に保健室まで連れて行きました。

 

2時間目から教室に行き授業を受けることはできたのですが、その日以来、頻繁に頭痛腹痛を訴えるようになりました。

 

 

毎朝行き渋りがあり、遅刻をしたり、時間通りに登校しても保健室から電話があって早退したり、学校でも学童でも「頭痛を訴えていました」と連絡帳に記載される日々でした。

 

念のため病院にも行きました。案の定、病気の兆候ではないと言われたため、頭痛や腹痛はきっとストレスなんだろうと思いましたが、ぷにちゃんが何をストレスに感じているのか、なぜ学校に行きたくないのか理由がわかりませんでした

 

夏休み中も学童に行っていたので学校に行くこと自体が「40日ぶり」ではありません。クラスには仲良しのお友達や「大好き!」と言っている担任の先生にも会えるのになぜ行きたくないんだろう・・・?

 

4.繊細な子どもは新しい環境や集団生活が苦手

 

ぷにちゃんは大規模な保育園に6年間通っていたので、集団生活には慣れていると思い込んでいましたが、繊細な子どもは新しい環境や集団生活が苦手です。

 

物心つく前から1日過ごしていた保育園では先生やお友達とはお互い家族に近い感覚でいられたけど、学校という初めての場所で先生もお友達も初めましてということに加え、授業があり、短い休み時間にしか自分の好きなように動き回れない小学校は、同じ集団生活でも保育園とは全く違ったのです。

 

ぷにちゃんには赤ちゃんの頃から毎日ハグをしながら「大好きだよ~」と伝え続けているので、ぷにちゃん自身も「ママの宝物はぷにちゃんだよね!」と言うくらい自己肯定感は高いはずでした。

 

しかし、繊細で臆病なぷにちゃんが「一歩前に出る」「新しいことにチャレンジする」ためには自己肯定感だけでは不十分で「自己効力感が必要だったのです。

 

自己効力感とは、きっとうまくいく!と思える未来の自分に対しての期待感や自信のことです。ありのままの自分を認める「自己肯定感」とは別物なのです。

 

5.繊細な子どもに必要なのは自己肯定感ではなく、自己効力感

 

繊細な子どもに自己効力感を授けていく方法を説明します。

 

繊細な子に、頑張ったことや、結果が良かったことに対して「頑張ったね!」「すごいね!」と褒めることには効果がありません。

 

例えばテストで100点だった、リレーで1位だった、ことを褒めてしまうと「100点を取ることに価値がある」「1位の自分に価値がある」という完璧主義を助長してしまうことに繋がってしまいます。

 

まずは普通に出来ていること、ママから見て出来て当たり前だと思っていたことに肯定の注目をして声をかけていきましょう

 

私は実際に以下のシーンを肯定的に捉え、声かけをしていきました。

 

  • 鳴り響く目覚まし時計を止めたとき→目覚まし止めれたね!

  • 眠そうにしながらも目を開けたとき→目を開けられたね!

  • 自力で起き上がったとき→自分で起きられたね!

  • 入浴後に自分で髪を乾かしたとき→自分で全部乾かせたね!

  • 予告通り私がお風呂から上がったらすぐにお風呂に入ってくれたとき→すぐにお風呂入ってくれたね

  • 買い物で荷物を持ってくれたとき→ランドセルも重いのに持ってくれてありがとう!

  • 何も買わない約束でお店に入ったのに「あれが欲しい!」と駄々をこねてしまったけど諦めてお店を出てくれたとき→ちゃんとお店出てこれたね!

 

 

 

今までなら「出来て当たり前」と思って何も言わない、それどころか逆に、朝は起きた途端に「もっと早く起きないと時間ないよ!」と、急かす言い方をしていました。

 

そんなシーンでもひたすら出来ていることを探す「肯定の注目」を徹底しました。

 

もともと私は声が低く、すぐに早口になってしまうので、寝起きに声をかけるときや名前を呼ぶときは特に明るく優しい声で話すことを意識しました。ぷにちゃんの反応が薄いと思うことも多かったですが、とにかく続けてみました。

 

「肯定の注目」を開始して18日目の夜、ぷにちゃんは明日着ていく服を自分で準備し、枕元に置きました。このころ「行きたくない」と言う頻度は減ってきてはいましたが、この日の朝は行き渋りがあったので、翌朝の洋服を準備したことに私は驚きました。

 

 

それまでは毎朝私が用意した服を着ていたので初めてのことでした。

翌日、目が覚めたら真っ先に枕元の洋服に着替え始めたぷにちゃん。もちろん私は「先に着替えるんだね!」と声をかけました。

 

そしてこの日以来、私の手帳から「行き渋り」という文字が消えました。

 

6.肯定の注目が自己効力感につながる理由

 

肯定的な注目をして声をかけてあげることで繊細な子は自信がつき、自主的に行動することができます。自主的に行動することは自立につながり、「やってみようかな」「行ってみようかな」と次の行動、新しいことへのチャレンジにつながっていくのです。

 

 

行動することで脳は成長します

 

お子さんの行き渋りやなかなか行動できないことに悩んでいるお母さんはぜひ肯定の注目を続けてみてくださいね。

 

 

執筆者:神名 美緒(かみな みお)

(発達科学コミュニケーショントレーナー)

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