1.「そのうち慣れる」は本当?
わが家の次男は、新しい環境が苦手な繊細な子です。
1歳児クラスに入園したとき、毎朝大泣きでした。
「慣らし保育が終われば落ち着くかな?」と思ったものの、その後もお別れの時間は涙、涙…。
「きっと成長とともに慣れていくはず」と思っていましたが、年少クラスに進級したタイミングで状況はさらに悪化しました。
「保育園行きたくない…!」と、毎朝号泣する日々が続いたのです。
「ママも仕事行きたくない日あるよ。わかるよ〜」と共感しながら送り出していましたが、状況は変わりませんでした。
それどころか、毎朝先生に引きはがされるようにして登園する状態が2ヶ月も続きました。
ついには私も「仕事を辞めるべき…?」と悩むほどでした。
2.「共感しましょう」は実は逆効果
登園渋りを解決するために、私は本やネットでたくさん調べ、「子どもの気持ちに寄り添うことが大切」という言葉を信じていました。
だからこそ、毎朝
「すごく分かるよ」
「行きたくないよね。ママもお仕事行きたくない時あるよ」
「ママも小さい時、行きたくない日あったよ」
などと共感する声かけをしていました。
しかし、繊細な子の脳は、他人の感情に敏感に反応するけど、自分の感情を調節することに苦手さがあるのです。
そのため、子どものネガティブな感情に共感すると、「いきたくない!」とネガティブな感情が増幅してしまいます。
「そうだ!ママが言ってるように、やっぱり行きたくないんだ!」と繊細な子どもの脳は強く思い込み、「園=イヤな場所」として記憶されてしまうのです。
つまり、良かれと思っていたネガティブな感情に共感するのは、実は逆効果なのです。
繊細な子どものネガティブな感情には、否定も肯定もしないことが正解です!
魔法の言葉は「そうなんだね〜」とただ受け止めてあげる方法です。
3. 新年度の登園渋りは「予告」と「スモールステップ」で防ぐ
さて、繊細な子どもが新しい環境が苦手なのは、脳が漠然とした不安を強く感じやすいためです。
特に幼児さんはまだ、先の見通しを立てる力が成長中なので、先が分からないこと、想像がつかないことに対して、「こわい!」「行きたくない!」と拒否反応を示すのです
だからこそ、「保育園の新しい環境を事前に知ること」 が大きな安心材料になります。
具体的な方法は、スモールステップで「知ってる!」を増やすことです。
少しずつ「予告」をして、子どもが新しい環境に対して安心できるようにしましょう。
「あと〇〇回寝たら△△組さんだよ」
「△△組さんになったら、このお部屋にお引越しするんだね」
「新しいクラスの靴箱、一緒に探そうね」
こうした小さな積み重ねが、「知らないから不安」を「知ってるから安心」に変えてくれるのです。
次の章では、私が息子に行った具体的な例をいくつか紹介しますね。
4.心と脳に届く声かけで新年度の登園渋りは卒業できる
年少クラスの3学期から、スモールステップで新年度の準備を始めました。
◆新しいクラスについて話す
✓ カレンダーをめくるときに「あと2枚めくったら年中さんだね」と伝える
✓ 教室の前を通るときに「ここが新しいお部屋かな?」と話す
◆ 担任の先生の存在を事前に知る
✓ 保育園の先生を見かけるたびに「この先生は○○組の先生だね」と紹介
このように、次男の「知ってる!」を増やしていきました。
迎えた年中の4月初日、次男は不安そうな表情は見せたものの、スムーズに家を出発しました。
その後も登園渋りすることはなく、むしろ「早く保育園に行きたい!」 と園に行くことを毎日楽しみにするようにまでなりました。
新年度は、登園渋りする繊細な子どもが増える時期でもあります。
しかし、「予告」と「スモールステップ」を取り入れることで、登園渋りは卒業できます!
新年度の「保育園行きたくない!」を卒業し、笑顔で登園できる毎日を一緒に目指しましょう。
執筆者:まるやま あやか
(発達科学コミュニケーショントレーナー)