1.初めてのことが苦手な繊細な子の特徴と脳の仕組み
繊細タイプの子どもは、初めてのことに挑戦することが苦手です。
なぜなら、繊細な子どもの脳は、安心を感じられる範囲が狭くなりやすく、どうなるのか分からないこと、見通しが立たないことに強い不安を感じるからです。
特に幼児さんは、見通しを立てる力自体まだ成長中で、「何が起こるかわからない」というリスクの高い状況は避けたいのです。
そのため、新しい遊びや挑戦に対しても「できない」「イヤだ」と拒否するのです。
この強い不安を軽減するためには、子どもの脳の仕組みを理解し、脳に届くコミュニケーションをとることが大切です。
2.「大丈夫」は逆効果
挑戦を嫌がる子に「大丈夫!」「できるよ!」と励ましたくなりますが、これは逆効果です。
この時、繊細な子どもの脳は、すでに強い「心のブレーキ」をかけている状態です。
脳の働きは車のエンジンと実は似ていて、思いっきりブレーキをかけているのに、アクセルを踏もうとしたらどうなりますか?
「心のブレーキ」が強くかかっている状態で、背中を押されても、動くことはできないのです。
「ママわかってくれないんだ!」と、さらに不安が強まり、「絶対にやりたくない!」という気持ちが固まってしまいます。
また、「イヤだよね」「怖いよね」と繊細な子の「イヤだ」というネガティブな感情に共感するのも逆効果です。
繊細な子の脳は、他人の感情に敏感に反応するため、大きな存在であるママが共感してくれることで、「そう!イヤだ!」「そう!怖い」とネガティブ感情が増してしまうからです。
3.初めてのことが苦手な子の脳が動き出すスモールステップ
初めてのことが苦手な繊細な子が「やってみる!」と行動できるようになるには、「ちょっと頑張ればできる」と思えるスモールステップが効果的です。
まずは、挑戦しようとしていることを分解して、「それならできるかも!」と思えるようなスモールステップにしてあげます。
小さなステップを一つ一つクリアし、「できたね!」とすかさず肯定することで、「できた!」の記憶を脳に積み重ねます。
分解は、今のその子のレベルやコンディションに合わせて「ちょっと頑張ればできる」と感じられるところまで、細かく分解してあげてください。
完璧にできなくて大丈夫です!「やってみたこと」「やろうしたこと」「できたこと」を肯定し「できた!」を脳に記憶させます。
このように、スモールステップで挑戦していくことで、「できない」が「できた!」に変わっていきますよ。
4.「できない」が「できた!」に変わる3つのポイント
わが家の年中の息子も、何にでも「できない」「ママやって」と拒否する子でした。
お家で脳を育てる「発達科学コミュニケーション」と出会い、トレーナーとしても活動している今では、息子をスモールステップで何にでも挑戦させてあげることが当たり前になりました。
ある日、園で遊んでいるコマに興味があるものの「できない」と落ち込んでいる時がありました。
そこで、「それならできるかも!」と思えるスモールステップにコマ回しの課題を分解してあげました。
例えば、コマ回しの場合
①コマを持つ
②ひもを引っかける
③1周巻いてみる
④2周巻いてみる
このようなステップを、まずはママと一緒にやってみる、次に一人でやってみる。
「ひとりで巻けるようになったら、好きな時にコマ回しができるね!」と未来のポジティブなイメージを伝えながら進めると、どんどんどんどん挑戦するようになりました。
最初は「できない」と言っていた息子も、少しずつ練習を重ね、自分でコマを回せるようになりました!
「できない」連発の繊細な子どもが、挑戦できるようになるために大切なポイントは3つです。
①「ちょっと頑張ればできる」と思えるスモールステップに課題を分解する
② 「できた!」の記憶を脳に残す
③ ポジティブな未来のイメージを持たせる
初めてのことが苦手な子でも、脳が動き出すスモールステップで「やってみる!」と挑戦できるようになります。
ぜひ今日から試してみてくださいね!
執筆者:まるやま あやか
(発達科学コミュニケーショントレーナー)