初めてのことが苦手で「ママやって」と言う4歳の繊細な子が、自分で挑戦できたスモールステップ

監修: むらかみりりか
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー

初めてのことに「できない」「ママやって」と、自分でやろうとしない4歳の繊細な子に、どう関わればいいのでしょうか。ママに任せていた息子が、自分で挑戦するようになったわが家の実体験から、脳科学に基づいたスモールステップのママの声かけをご紹介します。

1.初めてのことが苦手な子の脳の仕組み

 

保育園や習い事に行く前は「ママがいい」と離れられない。おうちでも、興味を持った遊びに「できない」「ママやって」と、自分ではやろうとしないことはありませんか。

 

いろいろなことに挑戦してほしいけれど、嫌がると手を貸してしまう。なんて声をかけたらいいのか分からない。

 

そんなふうに迷うママに、わが家で実践した関わり方をご紹介します。

 

わが家の息子、翼(通称)も、年中の頃は何にでも「できない」「ママやって」と拒否する子でした。

 

なぜなら、繊細な子どもの脳は、安心を感じられる範囲が狭くなりやすく、どうなるのか分からないこと、見通しが立たないことに強い不安を感じるからです。

 

特に幼児さんは、見通しを立てる力自体まだ成長中で、「何が起こるかわからない」というリスクの高い状況は避けたいのです。

 

そのため、新しい遊びや挑戦に対しても「できない」「イヤだ」と拒否するのです。

 

 

この強い不安を軽減するためには、子どもの脳の仕組みを理解し、脳に届くコミュニケーションをとることが大切です。

 

 

2.「大丈夫!」と励ましても動けない理由

 

「できない」と止まっているわが子を見ると、「大丈夫!」「できるよ!」と励ましたくなることはありませんか?

 

強い不安を感じているときには、その励ましだけでは動き出せないことがあります。

 

この時、繊細な子どもの脳は、すでに強い「心のブレーキ」をかけている状態です。

 

ブレーキが強くかかっているときに、アクセルを踏むように背中を押しても、すぐには進めません。

 

「ママわかってくれないんだ!」と、さらに不安が強まり、「絶対にやりたくない!」という気持ちが固まってしまうこともあります。

 

また、「イヤだよね」「怖いよね」とネガティブな感情に共感することも、逆効果になることがあります。

 

繊細な子の脳は、他人の感情に敏感に反応するため、ママが共感することで、「そう!イヤだ!」「そう!怖い」とネガティブな感情が強まることがあるからです。

 

 

 

そこで、励ます言葉を重ねる前に、挑戦しようとしていることを小さく分解してみます。

 

 

3.「できた」を積み重ねるスモールステップ

 

スモールステップとは、挑戦することを、小さな手順に分解して取り組むことです。

 

今のお子さんの様子に合わせて、「ちょっと頑張ればできる」と感じられるところまで、細かく分解します。

 

 

小さなステップに取り組んだら、「できたね!」と、そのときにできたことを肯定します。

 

完璧な完成だけでなく、やってみたこと、やろうとしたこと、途中でできたことも見ていきます。

 

こうして、小さな「できた」という成功体験の記憶を脳に積み重ねていきます。

 

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4.「ママやって」と言う4歳の子が挑戦できた3つの関わり

 

私がこの関わり方を学び、翼と実践するようになった経緯をお話しします。

 

2023年11月、繊細な子の心と脳を強くする親子の関わり方を教えている、むらかみりりかさんを見つけ、発達科学コミュニケーションを学び始めました。

 

発達科学コミュニケーションは、脳科学・心理学・教育学をベースに、家庭での関わり方や日常の声かけを変えていくことで、子どもの自信・意欲・行動力を育てていくコミュニケーションメソッドです。

 

りりかさんから学んだスモールステップを、家庭での関わりに取り入れていきました。

 

ここでは、おうちの遊びの中で「ママやって」と任せていた息子が、自分で挑戦できた場面をご紹介します。

 

ある日、園で遊んでいるコマに興味があるものの「できない」と落ち込んでいる時がありました。

 

そこで、「それならできるかも!」と思えるスモールステップにコマ回しの課題を分解してあげました。

 

例えば、コマ回しの場合

①コマを持つ

②ひもを引っかける

③1周巻いてみる

④2周巻いてみる

 

このようなステップを、まずはママと一緒にやってみる、次に一人でやってみる。

 

「ひとりで巻けるようになったら、好きな時にコマ回しができるね!」と未来のポジティブなイメージを伝えながら進めると、どんどんどんどん挑戦するようになりました。

 

最初は「できない」と言っていた息子も、少しずつ練習を重ね、自分でコマを回せるようになりました!

 

コマを回せるようになったことに加えて、「ママやって」と任せていた息子が、自分でやってみるようになったことが、わが家の変化でした。

 

スモールステップを学び、私は、どうなるのかわからない不安で立ち止まることがあるのだと捉えるようになりました。どうすればいいのかがわかり、一つずつできるようになる翼の姿を見て、私も、この子はできるんだと思えるようになりました。

 

また、年少の4歳だった頃には、サッカーの習い事でも、私と一緒に見学する、体操だけ参加する、手をつないで参加するなど、スモールステップで参加を続けました。その後、自分一人で参加できるようになりました。

 

 

「できない」連発の繊細な子どもが、挑戦できるようになるために大切なポイントは3つです。

 

①「ちょっと頑張ればできる」と思えるスモールステップに課題を分解する 

② 「できた!」の記憶を脳に残す

③ ポジティブな未来のイメージを持たせる

 

初めてのことが苦手な子でも、脳が動き出すスモールステップで「やってみる!」と挑戦できるようになります。

 

お子さんが興味を持っていることを、一緒にできそうな小さな一つに分けるところから始めてみてくださいね。

 

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5.初めてのことが苦手な子のよくある質問

 

Q1. 初めてのことを「できない」「ママやって」と嫌がる子に、どう関わればいいですか?

A. 挑戦することを、「ちょっと頑張ればできる」と思える小さな手順に分解し、まずはママと一緒に取り組んでみてください。りりかさんから学んだのは、見通しが立たず不安が強いときには、励ます言葉を重ねる前に、取り組むことを小さくする関わり方です。

 

私の息子も、コマに興味があるものの「できない」と落ち込んでいました。そこで、「コマを持つ」「ひもを引っかける」「1周巻いてみる」「2周巻いてみる」と分解し、まずは私と一緒に、次に一人で取り組みました。

 

お子さんが興味を持っていることを、今の様子に合わせて、一緒にできそうな一つの動作まで小さく分解してみてくださいね。

 

Q2. 最後までできていないときは、なんて声をかけたらいいですか?

A. 最後まで完成したことだけでなく、やってみたことや、途中でできたことを肯定します。りりかさんからは、小さな「できた」という成功体験の記憶を脳に積み重ねることを学びました。

 

息子とのコマ回しも、最初から一人で回すことを目指すのではなく、ひもを1周巻く、2周巻くという小さな段階に分けて進めました。息子は少しずつ練習を重ね、自分で回せるようになりました。

 

お子さんが取り組んだときは、その途中でできたことを一つ見つけて、「できたね!」と伝えてみてください。

 

Q3. 「やってみよう」と思えるように、どんな声をかけたらいいですか?

A. 小さな手順で取り組みながら、できるようになった先の楽しみを伝えてみてください。りりかさんから学んだ関わり方の一つが、ポジティブな未来のイメージを持てるようにすることです。

 

私はコマ回しの練習中に、「ひとりで巻けるようになったら、好きな時にコマ回しができるね!」と伝えました。息子は少しずつ練習を重ね、自分でコマを回せるようになりました。

 

お子さんが今、興味を持っていることについて、できるようになった先にどんな楽しみがあるかを、声にして伝えてみてくださいね。

 

 

「できない」から「やってみたい!」が育つ動画も置いておきますね。

 

 

 

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執筆者:まるやまあやか(丸山あやか)

発達科学コミュニケーショントレーナー

監修: むらかみりりか
(『HSC繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング』著者)

準拠理論:
本記事は発達科学コミュニケーションに基づき執筆されています


この記事を書いた人
まるやまあやか

まるやまあやか(丸山あやか)|発達科学コミュニケーショントレーナー

幼児期の繊細な子・母子分離不安の子育てを専門にしています。

脳科学博士・吉野加容子が開発した「発達科学コミュニケーション」を、繊細な子の心のコンディションと脳の育て方がわかる「ココロファインダー」分析で、わが子の心と脳の育ちに合わせて、ペアレントトレーニングで教えています。

「ママがいい」と離れられない子が、安心して「やってみる!」と挑戦できるように、ママがお家でできる声かけや関わり方を教えています。

むらかみりりか著
『HSC・繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング』に登場する「翼くんのママ」です。

愛知県在住。元・高校体育教諭。

年少の頃の息子・翼(通称)は、保育園も、
本人がやりたいと言った習い事も行き渋り、
習い事では1分も参加できず、私のそばにいました。

「習い事させたいのに・・・」
「やりたいって言ったのに、なんで?」

力があると感じているのに、
なんて声をかけたら、
この子の一歩が出るのかわからなかった。

もどかしさと不安を抱え、
「性格だから?繊細な子だから仕方ないの?」
と頭を抱えていました。

息子が年少だった2023年11月に、
発達科学コミュニケーションを学び始めました。
学びを通して、息子の行動を性格だけで捉えず、
不安の背景を理解するようになりました。

見通しを伝え、
小さな「できそう」を作る関わりへ変えていきました。

わが家では、
学び始めて1か月ほどで「ママがいい」がやわらぎ、
3か月頃には「ママ、早く保育園に行こう!」と言うように。

1年間参加できなかった習い事にも挑戦し、
小学1年生になった今は、自分から友達に声をかけて、
毎日楽しく過ごしています。

私自身も「なんて声をかけたらいいの?」「このままで大丈夫かな」と、
不安でいっぱいでした。
今は「今のこの子には、この声かけがいい」と選べるようになり、
「この子なら大丈夫」と信じて見守れるようになりました。

今は私もやりたいことに挑戦し、親子のこれからを楽しみにしています。

「繊細だからしょうがない」と諦めそうになっているママと、
わが子に合った関わり方を一緒に見つけていきたい。

子どもの頃の夢は、困っている人を仲間と助けるアカレンジャーになることでした。
今は「アカレンジャーまるちゃん」として、
「ママがいい」と離れられない繊細な子も、ママ自身も、
それぞれの「やってみたい」に安心して挑戦できる世界をつくりたいと思っています。

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