1.朝の準備に時間がかかる年少の息子
朝の時間は限られているのに、全然動いてくれない…。
「早く着替えて!」
「ごはん食べよう!」
「歯磨きして!」
「靴下履いた?」
朝の準備を進めるために、何度も声をかけているのに、ぼーっとしていたり、気がつけばおもちゃを手に取って遊び始めていたり、マイペースすぎてなかなか動かず朝の準備に時間がかかるお子さんの対応に、「時間がないのにどうしたらいいんだろう?」と悩んでいませんか?
わが家の年少の息子(通称スカイくん)も繊細なタイプの子どもで、毎朝まったく準備が進みませんでした。
私が何回言っても動かないし、聞こえているはずなのに返事もしないこともありました。
「もう何回言わせるの!」
「さっきも言ったよね!」
と、言いたくないのについイライラしてしまうこともありました。
どうして何回も言ってるのにお子さんは動けないのでしょうか?
2.指示をくり返すほど「聞かない子」「動けない子」になる
朝の準備に時間がかかる子どもに、何度言っても動かない時、つい強めの口調で指示をしたり、「何回言わせるの?」と怒ってしまうこともありますよね。
実は指示を増やすほど、子どもはますます聞かなくなってしまうのです。
できていないところばかりを指示されると、繊細な子どもは自信をなくしてしまいます。
「早く着替えなさい!」
「まだ靴下履いてないの?」
「なんでまだ遊んでるの?」
こう言われると、「ぼく、できてないんだ…」「また怒られた」と子どもは感じます。
すると、「どうせまた怒られる」「どうせまた注意される」と思うようになり、「ママの声聞きたくない」と感じてしまい、聞く耳を閉じてしまうのです。
ママの声が届かない、だから行動しない…という悪循環が生まれてしまいます。
さらに、「次に何をすればいいのか」を自分で考える前に、ママが「〇〇しなさい!」と指示を出してしまうと、子どもは自分で考える力を育てる機会を失ってしまいます。
そうすると、「ママが言うまで待っていよう」と指示待ちのクセがついてしまい、「指示がないと動かない」→「だからまた指示をする」→「ますます考えなくなる」と、こちらも悪循環になり、自分から動くことがどんどん難しくなってしまうのです。
3.繊細な子がスムーズに動き出すための脳に届くママの声かけ
では、どうすれば朝の準備に時間がかかる繊細な子どもに指示をしなくても、朝の準備がスムーズにできるのでしょうか?
ここでは私が実際にスカイくんに実践した効果があった方法を3つ紹介しますね。
◆まずは穏やかな声で聞く耳を開かせる
子どもに話しかける時に、いきなり「〇〇しなさい!」と指示や注意などの声かけでは、子どもは「また怒られる」と感じて、聞く耳を閉ざしてしまいます。
まずは、穏やかに名前を呼ぶことにしました。
「ねえ、スカイくん!」
「スカイくん、おはよう!」
と穏やかな表情、穏やかな声で声をかけると、
「なあに、ママ?」と返事をするようになりました。
話しかけ方を変えただけで、私の声がちゃんと届くようになったのです。
◆できていないことではなく、当たり前にできていることに注目する
「まだパジャマのままなの⁉」「まだ遊んでるの⁉」と言いたくなりますが、そこはグッと我慢しました。
できていないことには注目せず、当たり前にできていることを見つけて声をかけるようにしました。
「座って食べてるんだね!」
「ごはん、おいしそうに食べてるね!」
「お!右足ズボンは履けたね!」
「靴下、選んだんだね!」
できていることを肯定されると、「ぼく、できてる!」と自信がつき、「じゃあ次もやってみよう!」と、次も行動しやすくなるんです。
◆具体的な行動を促す工夫をする
最後に、「今、行動してほしい!」という時にヒントになる声かけをお伝えしますね。
なかなか着替えない時には、「ねぇねぇスカイくん!ママの服と同じ色の赤い服とかっこいい絵が描いてある青い服、どっちがいい?」とどちらを選んでも行動する選択肢を与えました。
すると、スカイくんは「ママと同じ赤がいい!」と自分で決めたと感じるので、スムーズに行動できました。
また、「今日は何秒でズボン履けるかな?1・2・3…」と数を数えると、ゲーム感覚で楽しく行動にうつすことができ、とっても効果的でしたよ。
このような対応で、朝の準備に時間がかかっていたスカイくんは、指示なしでも自分からスムーズに動けるようになりました。
「朝の準備に時間がかかる…」と悩んでいるママは、ぜひ試してみてくださいね!
執筆者:まるやま あやか
(発達科学コミュニケーショントレーナー)