「絶対に行かない!」保育園行事を欠席していた繊細な子が笑顔で卒園式に参加できた!安心を作る声かけ

人前に出ることを極度に嫌がるお子さんに「なぜ・・」と悩んでいませんか?繊細な子は人の目を過剰に気にして「うまくやらなければ」と脳の中で不安が大きくなってしまいます。人前に出ることを嫌がり保育園行事をずっと欠席していた息子が、なんと卒園式に参加できた、安心を作るママの声かけを紹介します。

1.人前に出ることを嫌がり欠席するようになった保育園行事

 

我が家には繊細な息子(通称ひろくん)がいます。

年中の終わり頃から人前にでることを怖がるようになり、年長になってからは運動会や劇などの行事はすべて欠席。「絶対に行かない!」の一点張りで、どうすることもできず欠席していました。

そんな中、先生からこんな話を聞きました。

「行事のあと、子ども達はその話題でもちきりだったり、思い出の絵を描くという時間があったり。そんな中でひろくんは教室で居心地が悪そうにしている。」

家でもなんだか不機嫌。「本当にこれでよかったのかな?」と胸の奥にモヤモヤした気持ちが残りました。

 

 

2.最後の保育園行事もやはり不安になる繊細な息子

 

3月になり、いよいよ最後の保育園行事、卒園式が近づいてきました。

練習が始まり、家でも卒園式で歌う歌をよく口ずさむようになりました。

「その歌好きなの?」と聞くと、「うん、卒園式で歌うんだよ」と教えてくれました。「そっか、じゃあ楽しみにしてるね」と言うと顔が曇りました。

 

 

3.繊細な子が人前に出ることを嫌がる理由と対策法に出会う

 

ひろくんはこだわりが強く、人前に出ることや人に見られることを極端に嫌がります。この子も不安なんだ、と必死に寄り添うも改善しない。「こんなに頑張って寄り添ってるのになんで!?」とイライラして怒鳴ってしまうこともしばしば。その度にひろくんは「ごめんなさい」と大号泣。どうすればいいかわからず、ネットで解決策を探してさまよう日々。

そんな時、お家で脳を育てる「発達科学コミュニケーション」(以下発コミュ)に出会い、”寄り添いは逆効果”だと知りました。寄り添うことが大事だと思い、頑張ってきた私にとってはかなりの衝撃でした。さらにママのコミュニケーションを変えることで脳を伸ばせる、ということを教えてもらい、「これだ!」と思い、発コミュを学ぶことを決めました。

 

発コミュを学び始めて、繊細な子は、まわりの反応に敏感で、他人の評価を気にしすぎてしまう、ということがわかりました。

また完璧主義なところがあり、うまくやらなければいけないという気持ちから、人前に出ることがプレッシャーとなり不安が加速してしまうのです。

 

子どもの不安が強い時は、子どもが安心できる対応をすること。

そして不安を増長させない為に、「行きたくない」「やりたくない」などのネガティブな発言には共感しないこと。

 

これを実践することで、ひろくんも自分で行動することができるようになりました。

今回、私が具体的にどんな対応をしたのかをご紹介いたします。

 

 

4.繊細な息子が自分から動き出した!不安を和らげるママの対応

 

①子どもが不安定になっている時こそ落ち着いて笑顔で対応

 

卒園式リハーサル日の夜、いつもなら自分でやっているお着替えや歯磨きも「ママやって!」とイライラモード。ストレスが高い状態に見えたため、「いいよ」と笑顔で対応しました。

「いつもやってるでしょ」「なんで自分でやらないの」などの言葉は否定的に聞こえてしまうので封印。子どもの感情に巻き込まれず、落ち着いて笑顔で対応することで安心感を与えることができます。

 

寝る前、ひろくんは「卒園式、行きたい気持ちと行きたくない気持ちが半分半分」と話してくれました。

「そうなんだね、教えてくれてありがとう」と伝えると、「行きたいけど、大人が多くて見られるのが嫌」と続けます。

「そっか~、そうなんだね」と返し、手を握って眠りました。

 

以前の私は「大丈夫だよ」とか「そうだよね、緊張するよね」と返していました。

不安を感じているひろくんに「大丈夫だよ」と言っても、根拠もなく何が大丈夫なのかわからないので、安心はできません。

「そうだよね」と共感したらより不安になってしまいます。

ただそのままの、ひろくんの気持ちを肯定し受け取りました。

 

②やっぱり行かないは重く受け止めない

 

卒園式当日の朝、出発の時間が近づくと、ひろくんは「やっぱり行きたくない」とつぶやきました。不安を増長させないように平静を装い「そうなんだねー」とだけ答えました。

 

ひろくんが考えすぎてネガティブな気持ちが大きくならないように、話題を変えて気を逸らすことを意識します。

 

「ママの服装大丈夫?変なとこないかチェックしてくれない?」

「今日のごはんはひろくんが大好きなインドカレーのお店に行こうか!」

 

気付くとひろくんは玄関で靴を履いて準備万端。

「ママ、早く行こう。遅れるよ!」と言われ、私の方が焦って準備をし、無事出発することができました。

 

いざ本番。緊張はしていましたが、みんなと並んで入場。

泣くことも固まることもなく、卒業証書を受け取り、「絵がもっと得意になります!」とみんなの前で堂々とがんばり宣言。

練習していた歌も元気に歌えて大満足。

 

式が終わって少し自信がついた顔をしているひろくんの顔をみて、行き渋りや行事欠席、いろいろ困ったことはあったけど、今日笑顔でこの場にいられることが幸せだなと感じ、改めて発コミュを学んでいてよかったと思いました。

 

 

5.新たに見つけた育児のゴールは繊細な息子の挑戦する力を育てること!

 

卒園式に参加することが目的ではないと思いつつ、やはり心のどこかで参加することをゴールにしていた自分にも気付きました。

 

ひろくんが笑顔で参加できたこと。

少し自信のついた顔になったひろくんが見られたこと。

今日はいい日だったね、と話しながら眠りにつけたこと。

 

本当に大切なのは、こうした小さな”できた”や”安心”の積み重ねなんだと、改めて実感しました。

 

そしてこれらのことは、ただ寄り添い続けるだけでは叶わなかったと思います。

「ママのコミュニケーションを変えることで脳は伸ばせる」ということを私自身が実践し、確信することができました。

これからも発コミュで学んだ対応を続け、ひろくんの安心の範囲を広げて、もっといろんなことに楽しんで挑戦していってほしいと思います。

 

執筆者:森山朋香

発達科学コミュニケーション

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