「学校は地獄!本当は楽しいって思いたい」登校しぶりがある繊細な子の願いを叶えた母の笑顔

登校しぶりのある繊細な子が、学校に対して前向きな言葉を言い始めたときに、躊躇している背中をポンっと押してあげたいと思ったことありませんか?当時、登校できるまで時間がかかり、親子ともに、疲労から笑顔が消えていきました。笑顔習慣を心がけてからスムーズに登校ができるようになった成功体験について紹介していきます。

 

1.「学校が楽しいって思いたいよ」登校しぶりのある繊細な子の本音

 

我が家の一人息子通称:しょうくんは、はじめてが苦手で変化に敏感で繊細な男の子。

 

小学校に入学し細心の注意をはらっていた時、友達とのトラブルが起こり先生の対応に対して本人は不服な思いを抱き「学校は地獄の場所で敵が多い」と言って登校しぶりがはじまりました。

 

その日を境に、ストレス反応からくる身体症状(腹痛 下痢 食欲低下 吐き気 頭痛 チック症状など)が出現するようになり、大好きな野球の練習さえも参加ができないほど状況が悪化していきました。

 

(いつまでこんな日が続くのだろう・・登校しぶりってこんなにも辛いのか・・)

 

(なんで、ほかの子は、怒られてもケロっと学校に行けているのに。)

 

(なんで、私と離れられないだろう・・ママ、ママと呼ばれると苦しくなる)

 

まるで、出口のない暗いトンネルにいるような感覚で、それでも必死に出口を探し、学校やスクールカウンセラー・教育委員の相談室へ通ったこともありました。

 

しかし、解決策はみつかることはできず、次第に私たち親子は笑顔が消え、途方に暮れていました。

 

 

そんなとき、おうちで脳を育てる発達科学コミュニケーション(以下:発コミュ)を教えているむらかみりりかさんのSNS発信に出会うことができました。

 

しょうくんのことかと錯覚するくらい共通する状況から親子で世界へチャレンジする姿をみているうちに、「もしかしたら、発達科学コミュニケーションを学べば、今の状況から脱出することができるかもしれない。よし、これにかけてみよう。」と思い、学びはじめました。

 

すると、 

 

「学校は嫌い、でも友達と遊ぶのはたのしい。本当は学校を楽しいって思いたいよ。」と言い出すようになったのです。

 

これは、友達と遊びたい=学校に行く=友達と遊んで楽しい!=学校は友達と会えるから楽しいって思えるようになるかもしれない。躊躇している背中を後押してあげよう!とそう思いました。

 

 

2.学校をみると逃げたくなる嫌な思い出が蘇る繊細な子の脳

 

学校へ行く準備も「行きたくないな~いやだな~」と言いながらいろいろな感情が彼の頭の中でグルグル考えを巡らせているため、身支度をし、家をでるだけで、40分くらい時間がかかりました。

 

登校しぶりの初期に、母と離れられず教員に無理やり引き離され、全身で暴れ声を出し泣いても抑えつけられた辛い日々を忘れられず、登校時に学校の校舎が見えると「学校をみるだけで、嫌な気分になるし、逃げたくなる。」としょうくんは、来た道を引き返していきました。

 

繊細な子は、楽しかった記憶よリも嫌な記憶の方が残りやすいという特性を持っています。そのため、学校に対してネガティブなイメージを作ってしまうことで、行きたい気持ちと逃げたくなるほど嫌な思いでが蘇ってしまうため踏み出せない状況なのです。

 

しょうくんは、学校で友達と休み時間あそびたいという思いもあり、「車のほうが、嫌だなと思いながら学校につく時間が短いから車で送ってほしい」と提案してきたので、車で送るようにしました。

 

車の中では「保育園のときみたいだね」なんて話しながら学校へ向かいました。

 

学校に到着すると、やはり、車から一歩が、踏み出せない。車から出るのも45分以上かかることが毎日でした。

 

時間がかかることで、出勤の時間が差し迫り、母も余裕の心が保てず笑顔をつくるのがつらい日々がつづきました。

 

 

3.親子の関わりで大切なポイントを発見

 

発コミュの初回の学びは、人生ではじめて子どものかかわりで大切なポイントを学ぶことができました。

 

ココロファインダーを使い、息子が今どういう状況なのかグラフ化され、まず心の土台をつくるために、親子の愛着を見直すということからはじまりました。

 

大切なポイントが次の3点です。

 

①否定的な注目(眉間のしわを寄せる、溜息 説教)は、割り増しの10倍に受け取られ、後に自信がなく怠惰になったり、指示待ち、自立の妨げになる。

 

②肯定的な注目(笑顔・褒める・穏やかな声色)を増やすとよい行動が増え 自信がつき自主的に行動へとつながり自立していく。

 

③ビルディングメモリー

子どもの脳は、言葉の中身よりも非言語情報(表情・声色・語調)が先に処理される。

 

毎日時間に追われ、自然と眉間にしわを寄せて「~~した?」とよくいってしまっていた私に、「ママ、怒ってる?」と聞いてきたのも、表情や口調から割り増して受け取っていたということが起きていたのか。だから、こちらがやってほしい行動よりも「ママなんで怒っているんだろう」となり、肝心な準備をしてほしいことが伝わっていなかったことに気が付きました。

 

子どもの脳に私の声が届くように、まず笑顔の習慣からはじめてみようと実践していきました。

 

 

4.繊細な子が一歩を踏み出す勇気をもらえた母の笑顔

 

最初は、笑顔でいることの大変さ、いかに自分が眉間にしわを寄せていたのかと実感をしました。

 

以前は、家を出るのも40分、車をでるのも45分かかっていた登校しぶりの子が、笑顔で「行こっか」と手を差し出すと、スムーズに自ら車から降りることができました。

 

これには、本当に驚きました。

 

時間も家を出る時間10分 車でる時間5分 と大幅に時間が短縮できたのです。

 

しかし、母も人であり、時に笑顔ができない日もあります。出勤の時間が差し迫ると心の余裕がなくなり、無意識に笑顔が消えてしまうと「せっかく行こうと思ったのにー!!怖い顔したら行こうって思えなくなった」と振り出しに戻るということもありました。

 

子どもにとって、母親の笑顔であと一歩の勇気がもらえるのだと気が付いた出来事でした。

 

なぜ、笑顔がこんなに効果があるの?

 

繊細な子の脳は、言葉よりも表情からの情報を優先的に処理するため、特に視覚優位で不安の強い怖がりタイプの子に笑顔は効果的

 

 また、笑顔は、相手にだけではなく自身にも、効果があります

 

笑顔⇒表情筋を動かす⇒脳が「楽しい」と錯覚⇒リラックス効果やポジティブ思考をもたらします。

 

だから、笑顔を意識してから私も子供も笑顔になり、どことなく日々のストレスが軽減した実感もありました。

 

つまり、笑顔がつくれないときでも、口角を上げる習慣をつければ、表情筋をつかいストレスコントロールができ、自分も心も体も笑顔でメンテナンスができるということです。母の笑顔がこどもに笑顔が移り、ポジティブ思考となり「やってみよう」と行動ができるようになります。

 

たった笑顔だけで、登校しぶりのしょうくんが学校へ一歩、二歩と勇気がでて登校することができるようになりました。

 

そして、休み時間にお友達との遊んだ内容や、学校で起こったちょっとした事件を楽しそうに話してくれるしょうくんの笑顔が、なによりもうれしかったです。躊躇している背中を押せてよかったなと思いました。

 

 

5.親子の笑顔で新学期も乗り越える 

 

時々忙しくて真顔になっている私に、しょうくんから「ニコニコは?」と笑顔をするように言ってくることがあります。

 

「ママの笑顔みると力が抜けてるの。野球の打つのときはニコニコしないで。力がはいらないからね。」としょうくんは言っていました。子どもが実感するほど効果絶大な母の笑顔です。

 

新学期も、登校しぶりも、環境の変化も、なんのそのっとなるくらい親子で笑顔で乗り切っていきましよう!

 

敏感で繊細な子と関わる大人が笑顔の効果や大切さに気が付き、笑顔対応が広まってほしいです。まずは、なかなか笑顔になれないときには、口角を上げる習慣から試してみてくださいね。

 

執筆者:いとう あやこ

(発達科学コミュニケーション)

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