泣き叫びながら園バスに乗せられていた繊細な子が、笑顔で自分からバスに乗るようになった実況中継

毎朝「幼稚園お休みする」と言われて、対応に悩んでいませんか?泣きながら登園していた子が、進級がさみしくなるほど幼稚園を楽しめるようになる、ママとの安心と信頼、心の土台の育て方、新学期の不安を安心に変える関わり方をご紹介します。

1. 年少の発表会の練習頃から「幼稚園いかない」という日が増え始める

 

我が家の年中のアサヒは、ママと離れるのが不安な、怖がりで繊細な一人っ子です。

年少の2学期後半、発表会の練習が始まった頃から「幼稚園いかない」と言うことが増え、毎日なんとか通わせているような状況でした。

 

 

2. 年少3学期初日からひどい登園渋りに…私は嘘をつくひどい母親

 

3学期初日からは、朝起きると私の後ろをついて回り、悲しそうな顔で何度も「今日、幼稚園おやすみする」と言うのです。

 

「どうして嫌なの?」と聞いても「いかないの」と言うばかりで、はっきりとした理由は分かりません。

とにかく幼稚園に行かせようと、「そしたらどこ行きたい?」 と聞くと「〇〇(療育施設)」と答えるアサヒ。

「じゃあ〇〇に行こうか!」と嘘をついて車に乗せ、バス停まで連れていきました。
しかし、バス停の近くに車が止まり、幼稚園に行くということに気づかれてしまいます。

「イヤだ~!幼稚園いかないの~!」と泣き叫ぶ我が子を無理やり抱きかかえて、そのまま先生に引き渡すことしかできませんでした。

遠ざかっていくバスを見ながら、「今日も嘘をついてしまった最低な母親だ…」と自己嫌悪に陥りました。


こんな日々が続き、「このまま年中に上がって本当に大丈夫なんだろうか」と不安を抱えていました。

 

 

 

3. 「できてない」から「できてる」へ──視点を変えることで見えてきた子育ての希望

 

 「もう子育てに迷わないかもしれない」そんな希望が見えた瞬間

夫は普段から不在が多く、アサヒの状況を全く知りません。

どうすればいいのか分からず、私はひとりで悩み続けていました。

 

そんな時、インスタグラムで「怖がりな繊細っ子が挑戦」という投稿に目が留まり、むらかみりりかさんをフォローし始めました。

 

そこで、「脳科学」「⼼理学」「教育学」に基づいた科学的な根拠のある「声かけ」で、子どもを伸ばすことができる「発達科学コミュニケーション」を知りました。

そんな3つの学問的根拠に基づいた声かけを学ぶことで、「アサヒへの対応に迷うこともなくなるかもしれない!」「アサヒが色々なことに挑戦してくれるかもしれない!」と希望を持つことができたのです。

 

 肯定のメガネで見える世界が変わった

「褒めて育てる」という言葉はよく耳にしますが、私にとって「褒める」とは、「すごい!」と伝えることくらいしか思いつきませんでした。


しかし、「発達科学コミュニケーション」を学び始めて、肯定的な言葉かけのテクニックが10個もあることを知り、「すごい」以外の言葉で子どもを褒められることに、衝撃を受けました。

 

また、子どもへの言葉かけは「否定0:肯定10」の割合にすることで、子どものストレスが減り、親の声が子どもの脳に届きやすい状態を作れると知りました。

 

それまでの私は、「まだご飯が残ってるよ」「まだズボンしか履けてないよ」と、イライラしながら否定的な言葉ばかりをかけていました。

「どこができているのか?」と、視点を変えることに難しさを感じることもありましたが、子どもの行動を細かく分解していくことで、少しずつ「できていること」に気づけるようになりました。

こんなに小さな体で頑張っているのに、できていることが当たり前ではないのに、私はできていないことばかりに注目していたことに気づかされたのです。

ご飯の時に座っただけでハナマル!
ズボンを履いただけでハナマル!

究極を言ってしまえば、生きていてくれてるだけでハナマル!

ここからは、私が具体的にどんな対応をしたのかをご紹介いたします。

 

 

 

4. 新学期の不安をやわらげる「安心」と「信頼」で心の土台を育てる関わり方

 

 ①1%のできてることに注目!〜実況中継の声かけで「できた!」を増やす〜

 

肯定的な声かけで「お母さんが見てくれている」という安心感と、「僕はできている」という達成感を、一緒に感じさせることが大切です。
これにより、子どもが行動し、新しいことに挑戦するための心の土台が育まれます。

 

「おしりぺったんで、食べてるね!」

「もう半分も食べたんだね。食べてくれて、ママはうれしいな!」

「もー足がズボントンネルに入っちゃった!」

「おしっこを教えてくれて、ありがとう!」

「レゴ片づけてるんだね、レゴたちが『ありがとう』って言ってるよ!」

 

 ②スキンシップは魔法のギュッ♡

 

ギューっと抱きしめるなどのスキンシップを増やすことで、子どもに安心を感じてもらうことができます。

 

「ママはアサヒのことが大好きだから、ムギューしたくなっちゃった!」

 

「飛行機ごっごしよう!」

※大人が仰向けに寝転び、膝を立てて、子どもの脇の下を支えながらすねに乗せ、ゆっくりと足を上下させる遊びです。

「う〇ち空港に向けて離陸いたします!」「臭い!臭い!」といって、大きく揺らして墜落し、ぎゅっと抱きしめます。

 

 ③「新学期の不安」を「安心」に変える”見通し”

 

子どもにとって新学期は大きな変化の連続。

担任の先生、お友達、教室の場所 、どれもが初めてで、漠然とした不安を抱きやすい時期です。

そんなときに大切なのが、「これから起こること」を丁寧に伝えることです。
子どもが見通しを持てるようになると“わからない”ことへの不安が、少しずつ“知ってる”という安心に変わっていきます。

 

「あと〇日で幼稚園が始まるよ」

「次は〇〇先生が担任の先生だよ。優しそうな先生だね」

 「〇〇組さんは2階になるんだよ」

「靴箱は新しい場所になるから、先生に聞いてみようね」

「〇〇くんも同じクラスだよ!」

「いつものネコバスじゃなくて、クマバスがお迎えに来てくれるよ!」

 

5. 「きっと大丈夫」と思えるようになった子育て

 

 新年度初日、初めてバス停まで歩いて行くことができた!

今日から年中さん…。 「いかない」と言い出さないだろうか…。 

そんな私の不安を顔や声に出さないように気をつけ、「もうバスが来るから、行こうか!」と声をかけると、すんなりと家を出ることができました。

「車と歩き、どちらにする?」と聞くと、まさかの「歩いていく!」という返事。 

歩いて行くということは、行く意思があるということです。

7分間の道のりを二人で歩きながら見た、初めての景色。
「鳩がいるね」「遠くのお山が見えるね」

「発達科学コミュニケーション」を始めてまだ数週間なのに、効果を実感しました。

 

 1年前の私に教えてあげたい”今の笑顔”

発達科学コミュニケーションを学び始めて一年。

「ぼく、もう一回年中さんをやりたいんだ」「もう6回で終わり…」と寂しそうにつぶやくアサヒ。

年中が終わる寂しさで涙ぐむアサヒの姿に、楽しい年中生活を送れたことを実感し、思わず涙が溢れました。

発達科学コミュニケーションを学び子育ての視点を変えたことで、私のストレスは減り、笑顔が増え、子育てがぐっと楽になったのです。

子どもの成長と共に新たな課題は出てくるかもしれませんが、どんなことがあっても「きっと大丈夫!」と思えるようになりました。

 

執筆者:高橋 りえ

発達科学コミュニケーション

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