1.繊細な娘はお友達と会話をしようとしない
繊細な娘こはるちゃん(仮名)は、プレの3歳から幼稚園に登園しており、年少の頃から「行きたくない」と行きしぶりを繰り返し、年長で不登園になり、母子登園をしていました。
母子登園を始めた6月、抱っこして教室に入れず、お友達に話しかけられても答えませんでした。
特定のお友達とは、教室でも園庭でも話すことはあるものの、ほとんど隣にいる私と会話していました。
2.人数が増えれば増えるほど人見知りする繊細な娘
年少の時から、1対1であれば遊ぶ時はあるものの、2人、3人と人数が増えていくと人見知りする娘。
お友達と一緒に遊んでいたはずが、気がつけばそこに娘の姿はなく、ブランコや滑り台に行き、1人で遊んでいました。
その様子が私は気になり、「〇〇ちゃんと一緒に遊ばないの?」と声をかけますが、首を横にふる娘。そんな娘をどうにかしようと「みんな楽しそうに遊んでいるよ。〇〇ちゃんもいるし、一緒に遊んできたら?」とお友達の輪に入り、慣れてもらおうと必死になっていました。
娘は、お友達との遊びに参加することは少なく、私の背中に隠れて様子を伺っていることも多々ありました。
3.ママとのコミュニケーションでお友達と関わる力を育てる
幼稚園の行きしぶりに悩み、誰に相談しても解決はせず、行きしぶりは悪化の一途をたどりました。そんな中、お家で脳を育てる発達科学コミュニケーション(以下発コミュ)のトレーナーである、むらかみりりかさんの発信を見つけました。
親子のコミュニケーションを変えることで、繊細な子は、繊細さを強みに変えることができるという事を知り、「何か変わるかもしれない!」と思い、発コミュを学び始めました。
発コミュで、下記2点を学びました。
①子供の脳の成長には、自信→行動力→感情のコントロール→コミュニケーション力、社会性という順番がある。
コミュニケーション力、集団に入る力を育てたいのであれば、ママとの1対1のコミュニケーションで成功体験を積み自信をつけて「どうやって人と関わるか?」を学ぶことが必要。
②繊細な子の脳は、感情を調節することや、感情を言語化することが苦手。
ママとのコミュニケーションで心と脳に届く声かけを始めると感情のキャッチボールができるようになり、自分の気持ちを「言葉」で話してくれるようになる。
集団に慣れてほしくて、無理に遊ばせようとしていた私は、逆効果のことをしていたことに気づきました。
娘に必要なのは、私との1対1のコミュニケーションで成功体験を積み、自信をつけることでした。
4.お友達と関わる力を育てるにはアドバイスをやめること
①毎日当たり前にできていることを「肯定すること」に徹した
娘のできていない事が気になり、「こうしてみたらいいよ。」とアドバイスばかりしていました。
アドバイスのつもりが娘にとっては「否定の注目」になり、娘は自信をなくしていました。
まずは、家でも幼稚園でも、できている事を娘に伝えていきました。
例えば、「おはよう、元気におきてきたね!」「パジャマ脱いだね」「歯磨きしてるね」「上履きはきかえてるね」「クレヨンとはさみ準備してるね」などなど、できていることをどんどん言葉にしていきました。
できている事を伝えることで娘の自信に繋がり、ママは見てくれているという安心になります。
自信と安心の貯金がたまれば「もう、着替えたの!」「幼稚園の準備万端だね!」と自分で考えて行動するようになっていきました。
②自信と安心の貯金が溜まれば、自分の気持ちを言葉にするようになる
自分の気持ちを話すことが少なかった娘。
私との1対1のコミュニケーションで自信と安心の貯金がたまると、娘が自分の気持ちを話してくれるようになりました。
この時、私が娘との会話で意識したのは、私の気持ちを伝えることです。
例えば、
「こはるちゃん、ゲーム楽しかったね。ママはゲームに負けて悔しいなあ。次は頑張るよ。」
「こはるちゃんがご飯を沢山食べてくれて嬉しいな。」
「お茶入れてくれたの!ありがとう、嬉しい~。」
と、娘のできている事と、私の気持ちをセットで伝えることで、娘は
「今日は天気がいいから、ウッドデッキでご飯を食べたいな」
「朝ごはんはトーストに目玉焼きをのせて、パパとママと一緒に食べたい」
「本当は新しいお友達がほしいんだけど、はずかしいし、どうしたらいいのかな?」など
自分の気持ちを言葉で話すようになりました。
私とのコミュニケーションで成功体験を積んでいくと、幼稚園の先生方に少しずつ心を開き始め、特定のお友達とも楽しく会話したり遊んだり、卒園時には、幼稚園での交友関係も広がっていきました。
③娘の心配をするのではなく、私がその場にいることを楽しむようにした
幼稚園にいても、公園にいても、娘の様子を心配していた私。
それをやめました。幼稚園でも、公園にいても、私がその場にいることを楽しむことで娘は先生やお友達と少しずつ話すようになり、笑顔が増えていきました。
5.遊びたいお友達に「一緒に遊ぼう」と言えるようになってほしい
発コミュを学んで1年の今では、入学式で新しいお友達ができたり、初めて会うお友達とも一緒に遊ぶことが増えてきました。
どうやって遊ぶようになったのか経緯を聞くと「一緒に遊ぼう」と声をかけてもらい遊ぶことが多いようです。
自信をなくしていた時、知っているお友達に声をかけてもらっても、遊びに参加することはありませんでした。
目も合わせず、首を横に振るだけの時もありました。
今の娘は、初めて会うお友達でも近くに行き、「一緒に遊ぼう」のオーラを身にまとっています。
「一緒に遊ぼう」の一声が出るともっと娘の世界が広がるかもしれない。
その声が聞けるまで焦らず、娘とのコミュニケーションを深めていきたいです。
執筆者:ゆだ まき
発達科学コミュニケーション