1.「新しい先生が怖い…」と訴えてくる繊細な子
わが家の繊細な娘、花ちゃん(当時小4)は新学期が始まって新任の先生がクラスの担任になり
「机の上に水筒置いてたら怒られた」
「話し方がとげとげしてる…」
「先生が怖い…」
と言って新学期3日目で私に訴えてきました。
何人かのお友達のママに聞いてみても「優しいって言ってたよ」「怖いとは言ってなかったよ」との返答。
「どうして娘だけ『怖い』と言うのだろう…」私は娘にどう声をかけたらいいのかわからず、「お友達が怖くないって言ってるし、大丈夫だよ」としか言えませんでした。学校を休む日が徐々に増えていき、共働きの我が家は学校に行かない日は仕事を休まなければならず、不安と焦りでいっぱいに…。
そんなある夜、ネット検索の中で見つけたのが、お家で脳を育てる「発達科学コミュニケーション」という親子の関わりを、繊細な子専用に教えているむらかみりりかさん。
繊細な子はなぜ「怖い」と感じてしまうのかがわかりやすく解説されていて、しかも脳という視点で語られていることが目から鱗でした。
インスタグラムを読み進めるうちに、「これだ…!」と思い、むらかみりりかさんのレクチャーを受ける事を決意。繊細な娘をまず知ること、そして娘に合った親子のコミュニケーションを学んでいきました。
2.どうして「怖い」と感じるの?繊細な子の脳のしくみ
レクチャーの中で学んだことは、繊細な子は、「不安」を感じやすい脳のセンサーがとても敏感だということでした。 脳が「これは危険かも…」と察知すると、身体が「逃げたい」と反応してしまうのです。
例えば、
・新しい先生がどんな人かわからない → 怖い先生なのかも?
・声がちょっと大きい → 怒られているのかも?
・他の子が叱られている → 自分も怒られるのかも?
・表情が固い → 嫌われてるかも?
この「かも」に脳がすぐ反応し、「怖い」と思ってしまうんですね。
そんな子どもたちに必要なのは、安心できる材料で「怖い」を「大丈夫」に変えることだと学びました。
次の章からはすぐに実践できる対応方法をご紹介します。
3.「怖い」が「大丈夫」に変わる!ママにできる3つのこと
① 先生に直接会ってママが安心感を得る
まずは、懇談会や面談の場があれば参加して担任の先生に直接会ってママが安心感を得ること。
実際に話してみると、
・声は大きいけれど、とても子ども想いな先生だった
・きっちりした話し方だけど、実は優しくてユーモアもありそう
など、子どもから聞いていた先生の印象から変わることが多いです。子どもが感じている「怖さ」の背景を、ママ自身が冷静に確認しておくことで、今後の対応がしやすくなります。
もし難しければ、連絡帳や電話でコンタクトをとってみてもいいですが、直接会って話すことで得られる効果はかなり大きいので、その後の連携もしやすくなります。
② 先生の良いところをさりげなく伝えてみる
繊細な子はネガティブなイメージを引きずりやすいため、少しずつポジティブな情報で上書きしてあげることが大切です。
例えば、
「先生、猫を3匹飼ってるんだって」
「◯◯ちゃんの発言、すごく良かったって先生が言ってたよ」
こんなふうに、先生の優しさや意外な一面を会話にそっと入れてみてください。「怖い」という印象が少しずつやわらいで、「先生と話してみたいな」という気持ちが芽生えることもあります。
③ ママと先生が「チーム」になって我が子を支える
最後に、大切なのはママと先生が一緒に子どもを支えるチームになることです。学校の連絡帳や面談の場に活用できるトーク例をご紹介します。
先生へ伝えたいことがあるときは、感謝を表す言葉で伝えたいことをサンドイッチすると、先生の聞く耳が開きより伝わりやすくなります。
「先生いつもお世話になっております」
↓
(伝えたい内容)例:
「うちの子は、人の気持ちにとても敏感で、環境の変化に戸惑うことがあります。今は少しずつ学校に慣れていければと思っています。」
↓
「いつも娘(息子)のことを気にかけて下さってありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」
こんなふうに感謝の言葉を前後に付け加えるだけでグッと印象が変わります。
また、ママが考えている我が子のゴールと先生のゴールを密に共有することで、先生もより子どもと関わりやすくなります。
例えば、今は環境に慣れるのが精一杯なので宿題ができない日があるかもしれない、と言った具合です。
先生が少しでも自分のことを理解してもらえたら、子どもにとってはとても心強い存在になりますよね。
この3つを実践したことで、娘は「怖い」が「大丈夫」に変わり少しずつ学校へ行き始め、先生とも楽しくおしゃべりをする程になりました。
5年生に進級したばかりのときも娘は「先生が怖い」と言いましたが、早期に対応することで「またお説教されたよ~」と平気な顔して話してくれるまでになったのです。
お家で脳を育てるコミュニケーションで落ち着いて対応することができたのは、私の大きな自信となり、改めてマスターしてきて良かったと思えた時でした。今では私の力になってくれるお守り的存在になっています。
執筆者:藤野とも子
発達科学コミュニケーション