1.「学校嫌だな」新学期が不安な繊細な子
皆さんのお子さんは、新学期が来るたびに不安が膨らみ登校しぶりを繰り返しているということはありますか?
わが家には繊細な小学3年生の娘(通称:繊細ちゃん)がいます。
1年生の2学期から登校しぶりを繰り返していた繊細ちゃんは特に新学期が苦手でした。
ストレスフリーで過ごした長期休みから、刺激が多くストレスだらけの集団生活に戻っていくことは、繊細の子にとっては、とても勇気がいるタイミングだからです。
今回は、そんな繊細ちゃんが、新学期の不安を楽しみに変えて、「ママ行ってきます!」と笑顔で登校できた、やる気を引き出した秘策をお伝えします。
日頃からのちょっとした工夫で、必ずやってくる新学期へのハードルはグッと下がります。ぜひ参考にしてみてくださいね!
2.不安が強い繊細な子の抱えるプレッシャー
繊細な子の脳は、ネガティブな感情と場面がセットで記憶されやすいということがあります。
そして記憶された情報は、同じ場面やシチュエーションになると、まるで映画のワンシーンのように、映像と感情がセットで蘇ることがあります。
登校しぶりを繰り返していた繊細ちゃんは、平日の朝や休み明けには「また学校に行けなくなったらどうしよう」という不安が襲っていました。
ネガティブ思考が強く、気持ちの切り替えがすぐにできなかった繊細ちゃんは、どうやって新学期の不安を安心に変えたのでしょうか?
次の章で、実際に効果のあった方法をお伝えします。
3.「行きたくない」が「楽しみ」に変わるご褒美作戦
皆さんのお子さんは普段「〇〇行きたい」「■■買って」とおねだりすることはありませんか?
人の脳には、好きなことや楽しみがあると、やる気が自然と湧いてくる「ご褒美脳」とよばれる脳の仕組みがあり、この仕組みを活用することで、スッと背中を押せることがあります。
私は繊細ちゃんの「好き」という気持ちを活用したご褒美を、ちょっと頑張りたいときの背中押しアイテムにする作戦を考えました。
繊細ちゃんは、可愛いものが大好きで、おでかけ先で可愛いキャラクターを見つけると「これ欲しいな」と目を輝かせ、好きなものを手に入れると「これ使って〇〇する!」と意欲的に動き出すことがよくありました。
新学期がはじまる1週間前、買い物中にかわいい筆箱を見つけ、おねだりしてきた繊細ちゃん。
(授業で使う筆箱が、繊細ちゃんの背中を押してくれるかもしれない!)
と思った私は、この筆箱を「これがあるなら頑張れる!」と、楽しい見通しをもつための魔法のアイテムとして活用することを思いつきました。
ただ買ってあげるのではなく、学校へ行けたら買ってあげるのでもなく、「学校行ったら新しい筆箱が使えるんだ!」と、報酬脳が思わず反応してしまう楽しみに変えて、不安から前向きな気持ちへの切り替えをサポートすることにしたのです。
買い物から帰宅するなり、嬉しそうに鉛筆や消しゴムを入れ替える繊細ちゃんに、
「かわいい筆箱選んだね!早く使いたいね!」
「あと〇日であの筆箱使えるね!」
「ここのクマちゃんの顔、ママ好きだな!」
新しい筆箱にワクワクする感情を育てるように、毎日声をかけていきました。
日に日に筆箱への愛着が増していった繊細ちゃんは、「早く授業受けたいな」と、筆箱を楽しみに登校!
見事、新学期の不安を楽しみに変え、笑顔で登校することができました。
4.登校しぶりを和らげる安心のお守り
登校しぶりがある繊細な子にとって、お気に入りの物や愛着のある物は、不安を和らげるお守りになります。
好きなものを身につけたり身近に置いたりすることで、脳が安心を感じ、前向きな気持ちになれるからです。
ご褒美は物だけでなく、親子の楽しい時間や好きなおやつでもOK!
日常の会話からヒントを集め、「ママ覚えてくれてた!」という安心感とともに、心のつながりを深められます。
少しの勇気が必要な時に、そっと背中を押してくれるご褒美のピースを集め、ぜひ試してみてくださいね!
執筆者:ふじい あきな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)