今や社会問題! 繊細な子の行き渋りが急増している本当の理由と今日からお家でできる脳を育てる声かけ

朝「行きたくない…」と行き渋るわが子に、どう声をかければいいのか分からない・・。そんな行き渋りの悩み、低学年化はいま社会全体で急増しています。この記事では、行き渋りがなぜ増えているのか?その本当の理由と、ママが今日からできる脳に届く声かけをお伝えします。

1.行き渋りは、今や社会問題になってしまいました

 

みなさんが幼稚園、小学生だったころ、行き渋りってよくあることでしたか?

 

お家でママが脳を育てる発達科学コミュニケーションのマスタートレーナーである私自身は、中学3年生で完全不登校になりましたが、当時・・行き渋りも不登校も、「よくあること」ではなく、学校行かないなんて一大事でした。

 

繊細な気質を持つ私は、一般常識、周りの期待をイヤほど理解してるが故に、学校に行かなくなった自分を肯定できるようになるのに10年も20年もかかった気がします・・。

 

しかし今はなぜ・・・、こんなにも行き渋り、不登校が多いのでしょうか?

 

子どもの数は減っているのにもかかわらず、年々不登校の増加は止まりません。不思議ですよね。

 

そして私が最も心配なのは、不登校の低学年化です。要因はあげればキリがないですが、大きく3つ「学校」「家庭」「社会」についてお話ししたいと思います。

 

 

2.学校環境が昔とは違います

 

まずは、学校環境の昔と現在の違いについてお話させていただきます。

 

学校の環境がベストな状態ではないことは共通認識ですが、しかし国も教育を変えようと色々と試行錯誤はしています。

 

しかし、子育て、保育、人材育成などは、「人」の影響が全てです!

 

そんな中で現代は、学校教員は絶対的人不足で定員割れしてしまっています。教育委員会が教員の働く環境を「ブラック企業」と言ってしまうそんな環境なのです・・。

 

教育を変えたくても、組織に良い人材が揃わなければ無理が生じてしまうだけで、現場の先生方も、志もっている先生方も、辛い立場になってしまうのです・・。

 

止まらない行き渋り、不登校への理解や対応については、

 

「無理しなくていですよ」

「別室を用意しましょう」

「お母さん付き添ってください」

「スクールカウンセラーいますよ」

 

と、先生たちはできる限りのことはしてくれますが、どれもその場しのぎの対応になってしまっていることも多いのです。

 

学校が全てではもちろんありませんが、本来、学校は子どもたちのお家や家族以外の安心できる居場所です。

 

私たち親はいつまでも子どもの側にはいられないので、「わが子の居場所をみつけたい」そう私は願ってきました。

 

 

3.家庭の子育て環境の変化

 

次に、家庭の子育て環境の変化についてお話させていただきますね。

 

大きな家庭環境の変化といえば、共働き世帯の増加による晩婚化と子育ての変化です。

 

子育ては、

 

✔️ 先回りコミュニケーション

✔️ 過保護な関わり

 

に変化していきました。

 

専業主婦の方が、子育てはうまくいくわけでは全くない!ということは、繊細な息子(通称:繊細くん)が小学校入学のタイミングで前職をばっさり辞めて、繊細くんに寄り添ったものの、行き渋りは止まらないという経験をした私が実証済みですが、共働き世帯の増加を成り立たせるため生まれたのが、保育の環境ですね。

 

私はその保育の世界に、インターの園長先生として勤めていたわけですが、私も含め働くママは、朝から晩まで分単位で忙しいことを毎日体感していました。

 

 

その結果、

 

「靴下はいてないよ」

「もう出発の時間だよ」

「ハンカチ持った?」

 

子どもが自分で気づき、考え、行動する前に、お母さんが先回りしてしまう親子のコミュニケーションが、当たり前になりました。

 

すると、繊細な子どもの脳は

 

お母さんに言われる

行動する

 

というのが当たり前になり、自分から行動するための脳のルートが未熟なままになり、集団生活、特に小学校以降は大きな負担やストレスを感じやすくなってしまいます。

 

また、子どもと過ごせる時間に限りがあるからか、「外で頑張ってるんだから、お家にいる時は甘えさせてあげよう」と守りすぎる親子関係が当たり前になりつつあります。

 

しかし実は、過保護な親子関係により、子どもたちはストレスを感じやすくなってしまう、ストレスが長期化してしまうのです。これは、HSP(Highly Sensitive Person=ひといちばい敏感な人)の提唱者でもある、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士もストレス要因の研究に基づき言及しています。

 

先回り、過保護、、全くそんなつもりはなかったのですが、どちらもまさに過去の私です。

 

そして親子の関わりを変えようと、たくさんたくさん褒めてみたり、負担を減らしてあげようとしたり、試行錯誤しましたが、脳の成長が関わっているなんて正しい知識がなかったので、うまくはいきませんでした。

 

なぜうまくいかないの?!と自己嫌悪の繰り返しでした。今ではその全てに答えが出せます。

 

4.社会環境の変化、「過保護」化

 

最後は、社会環境の変化、「過保護」化についてお話させていただきますね。

 

社会環境の変化は、家庭環境の変化と似ていて、先回り過保護によって子どもたちの脳の発達に影響してしまっているということです。先回りの最たるものは、子育て便利グッズ早期教育です。

 

ご存知ですか?

 

大人気でブームにもなった抱っこ紐バウンサー、バン〇という赤ちゃんの椅も、使う時期や使い方を間違えると、乳幼児期の身体と脳の発達に大きな影響があることを。

 

大人しくなってくれるからと、スマホやアイパッドやテレビでYoutubeなどを観せることで、子どもたちの脳の発達において、集中をコントロールする脳、我慢する脳、考える脳などに大きな大きな影響があることを。

 

 

子どもの発達の順番を無視して、読み書き先取り教育をすることで、発達の偏りができて、特に小学校3年生、4年生以降に学習内容が変わっていく時につまづく可能性が高いことを。

 

過保護な社会環境は、言い出せばキリがないのですが・・「危ないから・・!」「怪我させないように・・!」次々に公園から遊具がなくなり、絶対に落ちないブランコまで開発され、身体、脳の運動野、視覚野の発達する機会を奪ってしまってること。

 

「寒くないように・・!」「肌が乾燥しないように・・!」発熱してくれる化学繊維の肌着、毎日保湿クリームの塗りまくりなどなど守って守って・・することにより、子どもたち自身の発達や免疫力弱ってしまう一方です。

 

過去の私は、子どもたちの発達について、学べば学ぶほど・・もっと早く知りたかった!!と心の底から思いました。子育て情報は、たくさんあるように思えて、脳の発達に繋がる大事な情報は、実はちゃんと学べてないのです・・。

 

5.今日からできる脳を育てる声かけ

 

今すぐできることは、お家で脳を育てる声かけです!私が教えている「発達科学コミュニケーション」は、ペアレントトレーニング型で、ママ、パパがわが子の成長が加速する親子の関わり方を学びます。 

 

そのペアレントトレーニングのはじめに学ぶのが、好ましくない行動はスルー! 好ましい行動に注目する!という関わりの軸です。

 

子どもたちの脳は、好ましくない行動への指示・注意などの否定の注目により、「わたしできていないんだ」「ダメなんだ」と自信を無くしてしまい、自分から行動しようとしなくなってしまいます

 

また、「指示➡行動する」が続くことで、自分の脳で考える力が育たず、指示待ちになってしまうのです。

 

逆に増やしていきたいことは、好ましい行動に注目することです。「私できた!」「これでいいんだ!」と自信が育ち、「次もまたやってみよう!」と次の行動に繋がります行動が習慣化し、自分で考えて行動する自立に繋がっていくからです。

 

好ましくない行動はスルーというのは、 例えば、「宿題まだ終わってないの?」「片づけできてないよ」「お風呂に早くはいって」と、子どもができていないことに対して注目すること自体をやめましょうということです。

 

逆に、少しでもできていることには、肯定の注目のシャワーを浴びせてあげたいです。

 

例えば、「〇〇ちゃんおはよう!起きてきたんだね^^」「パジャマ脱いでるんだね」「宿題1問といたんだね」「ボール片付けたんだね!ナイス!」「連絡帳出してくれてありがとう」「鉛筆削ってるんだね」「お風呂の時間って気づいたんだね」など、小さな行動の一歩、行動しようとしていること、当たり前にできていることなどにに注目して声をかけましょう。

 

 

今日から、好ましくない行動への注目をやめて、好ましい行動に注目することで、わが子の脳を育てる親子の関わりをはじめ、お子さんが元気に「いってきます!」するための脳の土台づくりをしてみてくださいね。

 

執筆者:むらかみりりか
繊細っ子の脳を育てるココロ科学ラボ代表
発達科学コミュニケーションマスタートレーナー

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