1.「学校が楽しいって思いたいよ」登校しぶりの繊細な子の本心
我が家の息子しょうくんは、〈はじめて〉や〈変化〉に敏感な繊細な男の子。
小学校入学した秋ごろに友達とのトラブルがきっかけで「学校は地獄」「敵ばかり」と思うようになり、本格的な登校しぶりがはじまりました。
次第に登校を嫌がるように、心と体が疲れ果て大好きな野球の練習さえも行けなくなってしまいました。
「このまま不登校になってしまうのでは…」
「ママ、ママと離れられない…私も苦しい」
そんなとき、おうちで脳を育てる発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)を教えているむらかみりりかさんに出会うことができました。
しょうくんのことかと錯覚するくらい共通する状況から親子で世界へチャレンジする姿をみているうちに「発コミュを学べば、今の状況から脱出することができるかもしれない。よし、これにかけてみよう!」と思い学びはじめました。
体験会の学びを終えて3日目、しょうくんの口から出た言葉は
「学校は嫌い。友達と遊ぶのは楽しい。本当は学校を楽しいって思いたいよ。」
学校の友達と遊ぶことが楽しいのであれば、学校も少しずつ楽しいと思える気持ちを一緒に育てていこうと親子で決意しました。
2.繊細な子の脳の特徴
◆情報キャッチが得意。言葉で伝えるのが苦手
しょうくんは語彙力もあり、興味のあることなら理論的に説明できるタイプ。
しかし、自分の本当の気持ちを言葉にするのはとても苦手でした。
ある日、先生に友達の制服にいたずら書きをした事情を聞かれるために廊下に呼び出されたときのこと。
声のトーン、まわりの視線、空気…すべてを敏感にキャッチしてしまい、頭が真っ白に・・・
「自分はやっていない」と言えずに涙だけが流れました。
この体験が「学校は敵」と思う決定打になってしまいました。
繊細な子の登校しぶりの背景には、こうした“言葉にできない葛藤”があるのです。
◆嫌な記憶が鮮明に残る
登校しぶりの初期、無理に教員に引き離された体験がトラウマに。
「学校が見えるだけで嫌な気持ちになる」「引き返したくなる」と、学校=怖い場所のイメージが脳に刻まれてしまいました。
繊細な子は、楽しい思い出よりも嫌な記憶が強く残る特性があります。
そのため、気持ちでは行きたいと思っていても、体が反応して動けない状況なのです。
3.しつけや過保護が自立の妨げ?親子の愛着を見直して
発コミュの学びで私が一番ハッとしたのは、「しつけや過保護」が子どもの自立を妨げていることでした。
知らず知らずのうちに、繊細な子どもが傷つかないように・・・守ろうとつい、口を出してしたことに気づかされました。
それが、子どもの「自分で考える力」を奪っていたのです。
過保護な関わりは、子どもの自己効力感(「自分にはできる!」という自信)を下げてしまい、行動を控えさせてしまうことがあります。
たとえば、私は「ハンカチは持った?」「安全帽子はどうしたの?」と声をかけていましたが、それは過保護な典型的な行動でした。
このような過保護をやめるためには、まずは「否定的な注目」を減らすことが大切です。
「なんで忘れるの?」「どうしてできないの?」と言葉だけでなく、ため息をつくことも繊細な子には10倍くらい強い否定に感じられ、自信をなくしてしまいます。
代わりに「できたね」「ありがとう」と肯定的な注目を増やすと、過保護の負のサイクルから抜け出しやすくなります。
過保護をやめることで、子どもは自分で問題を解決する力を育て始めます。息子も「今日は教室に入れないから、保健室にいるね」と自分で判断して伝えられるようになりました。
これも、過保護な関わりを手放し、見守ることができたからこそです。
繊細な子が安心して自分の力を発揮できるようになるためには、親の過保護をやめて、愛着の土台をしっかり作ることが何より大切だと痛感しました。
4.「過保護」を手放した母!繊細な息子が変わった理由
「できていないところ」ばかり目につく癖がついていたので 、”できていること”に注目することが難しく感じていました。
そして、発コミュの学びで気づいたのです。
私自身が完璧主義で、常に息子の“足りないところ”に注目していたことに。
褒めるときも「すごい」「早い」と評価型の声かけばかり。
それがしょうくんの完璧主義を強化していたのです。
そこで私は決めました。
「もう“できてない探し”はやめよう。できていないことを気にしない”おとぼけ母”なりきり過保護を手放そう!」
たとえば以前の私なら、学校へ向かう前に水筒が見当たらないと、すぐに「水筒、持った!?」と声をかけていました。
「今日は暑いから、ちゃんと持たせなきゃ!」と焦る気持ちが先走っていたんです。
今の私は「あれ? 水筒持って行ってないなぁ〜。ま、いっか!学校の水道飲んでもらえば~」と、熱中症の危険がある季節や気温湿度でなければ、あえて気づかないフリ。
そんな“おとぼけ母”を演じるようにしてみました。
すると、不思議なことが起きはじめました。
しょうくんが、自分の気持ちに合わせて行動を選べるようになってきたのです。
「今日は教室に入れないから、保健室にいるね」
そんなふうに、自分の心と相談して、登校場所を自分で提案してくれるようになりました。
(あらかじめ、学校と一緒に「落ち着ける場所」を3か所決めていました。)
ある日は、「登校前にキャッチボールしたい」と、自分で気持ちを整える方法を考え出したこともありました。
「車で送ってほしい」と、自分に合った登校スタイルもちゃんと伝えてくれます。
こうして、しょうくんの中に「自分で考えて、自分で選ぶ力」が育ち始めたのです
過保護を手放して、しょうくん自身の“やってみよう!”の気持ちが芽生え、 脳のやる気スイッチがONになった瞬間でした。
学校休みがちなしょうくんは、発コミュを学びはじめて、たった13日目に自分で選んだ方法で、毎日登校できるようになりました。
あのとき、過保護を手放して、本当によかったと思います。
5.繊細な子の「羽ばたく力」を信じて
登校しぶりは、子どもにとって”つまずき”ではなく、「成長の証」だと思います。
それは、心と脳を成長させようと、大きく羽ばたく準備をしているのです。
繊細な子に必要なのは、守るための先回りのしつけや指示ではなく、“信じて待つ関わり”。
そして、知らず知らずのうちにやってしまう過保護な関わりを少しずつ手放すことです。
大人が正しい知識と見守る姿勢をもてば、繊細な子は自分の力で世界に飛び立つことができます。
一歩ずつで大丈夫。あせらなくて大丈夫。
私たち親子が変われたように・・・私たち大人の関わりで、繊細な子どもたちの明日は必ず変わります!
繊細な子に関わる大人たちが、正しい守り方の知識を持って繊細な子が自分のチカラで羽ばたける世界にしたいです。
執筆者:いとう あやこ
発達科学コミュニケーション