1.注意しても言うこと聞かない子にイライラしていませんか?
わが家には、物知り博士の姉とマイペースな弟の繊細な気質を持つ姉弟がいます。
「テレビから離れて!」「ソファに立たない!」「座って食べる!」1日何回言っていたことでしょう。それとは裏腹に言うこと聞かない、また注意するの繰り返しの毎日にヘトヘトでした。母ってこういうものなんだ、子どもってそんなもんでしょ、と思い諦めていました。
しかし違いました!何とママが疲れない新しい声かけで、子どもが自然にテレビから離れて見れるようになるんです。
そう言えるようになったのは、繊細な子の心と脳のしくみを知ったからです。
子育てに悩んでいた私は、毎晩のように本やインターネットで調べ、やっとたどり着いたのが「お家で脳を育てる発達科学コミュニケーション」でした。その中でも、繊細な子の心と脳を育てる専門家のむらかみりりかさんの元で親子のコミュニケーション方法を学ぶことに決めました。
「ママの声かけを変えることで、子どもが変わる」というものに、正直初めは半信半疑でしたが、取り組んでいくとみるみる状況が変わっていったのです。
2.「怖い・不安」に反応しやすい繊細な子の脳の個性
繊細な子の心と脳の仕組みを学ぶうちに、繊細な子は「怖い」や「不安」などのネガティブな感情に敏感に反応する脳の個性を持っていることがわかりました。
そして、強い口調や注意に対して「怖い」と感じたときに、身を守ることが最優先になるため、聞く耳が閉じてしまい言うこと聞かない。つまり、ママの声は聞こえてはいるけど、内容は入ってこず、右から左へスーッとすり抜けていたのです。
また、言われたことを「理解して、考えて、行動に移す」この一連の流れをコントロールする力が、まだ未熟なため、大人が思っているよりもゆっくりなことに気づきました。
例えば、1回目の「テレビから離れて!」の言葉を理解して考えている間に、2回目の「テレビから離れて!」のママの声かけが入ってきてしまうと、また1から理解して・・・に戻ります。それが、何回も繰り返されると脳がストレス状態になり、「もう何も考えられません」とシャットアウトしてしまいます。
私も初めは「あんなに何回も言っているのに?!」と信じられませんでしたが、新しい声かけに変えてみると納得できました。
3.繊細な子に合った新しい声かけ
今までの注意に替わる、新しい声かけの方法をご紹介します。
①できているときにだけ声をかける
今までは、テレビを目の前で見ているときや画面を触っているときなど、して欲しくない行動に対して注意をしていました。
新しい声かけは、その反対をします。
テレビから離れて見ているときを見つけて、すかさず声をかけていきます。
「テレビから離れて見てるね」
「ソファに座って見てるね」
「ママ嬉しいな」
そして、して欲しくない行動をしているときは見て見ぬふりを徹底します。
②指示が必要なときは優しく声をかけ、間をあける
何かを指示する場合は、「理解して、考えて、行動に移す」の時間をたっぷりあげます。
せっかちな私は、1回言って2回目言って・・・と矢継ぎ早に指示を飛ばしては、言うこと聞かない子どもたちにイライラしていましたが、「え?こんなに処理する時間ゆっくりなの?!」と驚きました。
一度、わが子はどれぐらいの時間がかかるんだろう?と観察してみるのもオススメです。
1回目「座って一緒に食べようか」と優しく言ってから待つ・・・
待っている間は、ママは見て見ぬふり
2回目「座って一緒に食べようか」と1回目と同じトーンで繰り返して待つ・・・
ポイントは、何回言ったとしても1回目と同じトーンで声をかけることです。3回目、4回目となってくると、ママのイライラが出やすいので要注意です。
4.ママの声かけが変わると繊細な子の行動も変わる
私たち親子は、以前と比べものにならないほど穏やかに過ごせるようになりました。子どもたちは、テレビをソファに座って見ています。近づいてきたなと思っても、私が声をかける前に自分たちで気づいたり、声をかけたとしても「そうだった」とすぐに受け入れてくれるようになりました。
かつて私は注意を繰り返し、言うこと聞かない姿にイライラする毎日でしたが、今ではできていることに声かけすることが当たり前になり、子どもと笑顔で過ごすことが増えました。
「ママの声かけが変わると、子どもも変わる」あのときは半信半疑だったこの言葉が、今では私たちの実感に変わりました。繊細な子の行動には、理由がちゃんとあることを、心と脳のしくみを知ることで理解ができました。そして正しい知識と、ちょっとした工夫で、子どももママも驚くほど変わっていけるのです。
執筆者:やまさき うみ
発達科学コミュニケーション