3年間癇癪起こす高学年繊細な子が1か月で癇癪ゼロになれたママの声かけ

学校では頑張れているのに、家で感情が大爆発するようになった高学年の繊細な息子。「反抗期かな?」と思っていましたが、実は、心と脳からのSOSサインでした。繊細な子の心と脳に合った対応で、3年間癇癪起こす息子がたった1カ月で癇癪ゼロになれた親子のコミュニケーションをご紹介します。

1.外ではニコニコ、家では大荒れ…うちの子、反抗期?!

 

「学校ではとても頑張っていますよ」

 

先生はそう言うけど、家では突然スイッチが入ったように、怒鳴る、暴言吐く、物にあたるといった癇癪起こす様子に

 

「もう高学年だから、反抗期が始まったのかな?」

「私の育て方が悪かった??」

 

そんなふうに戸惑っていませんか?

 

実は、わが家の息子(通称:優士)は外ではとってもいい子、お友達と仲良く遊び、授業態度も真面目。しかし、家では些細なことで感情が大爆発し、クッションを投げることや、長男に当たることもありました。

 

さらに、私の声かけには一切耳を貸さず、日々ヒートアップ。あまりの激しさに、「このまま非行に走るのでは?」とさえ思っていました。

 

そのため、「やめなさい!」「どうしてそんなこと言うの?!」叱ったり、泣くのをなだめたり、あの手この手で何とかしようとしても、癇癪起こす状況は悪くなるばかりでした。

 

毎日、どこが地雷なのか息子の機嫌が悪くならないように、気を遣って過ごし、本を読んでも、優しくしても、厳しくしても何も効かない状況にだんだん疲れてきていました。

 

 

3.癇癪起こすのは心と脳からのSOS 

 

そんなとき、お家で脳を育てる発達科学コミュニケーションに出会い、繊細な子の心と脳のしくみを知ることができました。優士の特徴に合わせたコミュニケーションに変えると、優士の癇癪起こす状況は一気にゼロになることができたのです。

 

それでは、繊細な子の脳のしくみについてお伝えしますね。

繊細な子の脳は、周りの情報を敏感に感じ取れる力があります。

その一方、

 

・人の気持ちは良く分かるのに、自分の気持ちに気付きにくい

・自分の気持ちを言葉にするのが苦手

・周りに合わせることが得意なため、外では合わせ過ぎてしまう

 

という特徴があります。

 

さらに、高学年になると、周りと自分を比べ、自分らしさを探し始める時期に入り始めるのです。仲間意識が強くなる時期でもあるため、お友達と比べ過ぎて自信をなくしたり 、お友達と上手く関わりたくて周りに合わせ過ぎてしまい、逆に友達トラブルも起こりやすくなる時期になります。

 

すると、繊細な子の心と脳は、お家に帰る頃にはエネルギーが切れてしまい、その疲れを言葉で表現できない代わりに、癇癪を起すという形で、感情を爆発させSOSを発信してしまうのです

 

さらに、癇癪をやめさせようとするほど「癇癪起すとお母さんが気にしてくれる」と、脳が誤った学習を起こすため、癇癪が癖となり、繰り返し起こしてしまうのです

 

 

4.高学年繊細な子の癇癪がゼロになれたママの声かけ  

 

優士はコロナ禍以降、3年間という長い期間、癇癪起こすという脳の誤学習状態が続いていました。そのため、「本当に良くなるのかな?」と、正直疑問を持っていました。しかし、繊細な子の心と脳にあった対応を徹底し、1カ月で癇癪をゼロにすることができたのです。私が1か月間、徹底して取り組んだ実際の方法をお伝えします。

 

①癇癪に反応しない

   

一番初めに取り組んだことは、泣いても、怒っても、暴言吐いても、物を投げても、「やめさせなくちゃ」という気持ちをぐっと押さえて、息子と距離を取ることです。この関わり方で、繊細な子の脳は「癇癪起しても通じないんだ」と理解し、癇癪はグッと減るのです。

 

私は、癇癪起こす優士と同じ空間にいないように、スッとその場を離れて他の部屋に移動し、物理的に距離を取りました。

   

 

②癇癪が落ち着いたときに褒めない

 

癇癪が落ち着いた後、「さっきは辛かったね」「よく物投げなかったね」と褒めていたことを止めました。この対応は、「癇癪起こすとママが褒めてくれる」と、脳が誤解してしまうので、褒めることはグッと、こらえることが大切です。

 

③癇癪が落ち着いて切り替えたときに肯定する

 

癇癪起こす様子にママが反応しなくなると、お子さん自身で気持ちを切り替え、他の行動に変えることや、自分の気持ちをママに伝えるようになります。そしたら、ママの出番です!

 

お子さんが切り替えた行動に、「○○始めたんだね!」「△△楽しそう。見せて~」など、肯定の注目を向ける声かけをしましょう。

 

さらに、気持ちを伝えてくれた時には「教えてくれてありがとう!」と肯定をしましょう。

 

優士は癇癪が収まると、自分の気持ちを「#$%&*」と何を言ったのか分からない言葉を発していました。それでも、「うんうん、そうだったんだね。話してくれてありがとう」と肯定の注目をしたのです。

 

この3つを徹底すると、3年間癇癪起こしていた息子は、たった1か月で癇癪がゼロになり、親子の会話は一気に増えていったのです

 

 

5.たった1カ月で癇癪ゼロで笑い合える日々

 

今では、優士の癇癪スイッチに怯えることは全くありません。優士は外の環境に合わせ過ぎてしまい、不機嫌で帰ってくる日があっても「今日は○○に疲れた~!」「△△嫌だった~」と、自分の気持ちを話してくれるようになれました。

 

以前は「反抗期?」と思っていた癇癪起こす姿も、実は「分かってほしい・気付いてほしい」という心と脳のSOSが隠れていたんだとわが子を理解し、少し声かけをかえるだけで、息子だけなく、親子関係や、親子の未来まで明るく変わりました。

 

高学年繊細な子の子育てのヒントとして受け取ってみて下さいね。

 

執筆者:増山陽香

発達科学コミュニケーショントレーナー

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