1.スーパーで走り回るわが子にストレスを感じる日々
子どもと一緒にスーパーにお買い物に行くと、
・店内を走り回る
・商品を触りまくる
・お菓子売り場でストップ
スムーズに進まなくて、ついイライラしてしまうことありませんか?
しかし、買い出しはママにとって毎日の生活の一部。避けては通れないものだからこそ「はぁーまた今日も・・・」と気が重くなってしまうこともあります。
わが家の娘(通称:ミカ)は、目に映るもの全てのことを何でも知りたがる好奇心旺盛な女の子。そんなミカが年長の頃、子連れで買い物に行くことが、正直ストレスに感じていました。だからといって、1人で買い物へ行く時間は私にはなく、試行錯誤を繰り返す日々を過ごしていました。
・毎回お菓子を買ってあげて、静かにしてもらう
・スーパーに着く前に「お約束」を確認する
・買い物の間にしりとりで気を紛らわせる
どの作戦もその場ではうまくいくこともありましたが、その効果は続かず「どうしたらうまくいくの?」と悩みながら、私のストレスがたまっていくばかりでした。
2.繊細な子の困った行動の理由がわかる
悩んでいた私を救ってくれたのは、”発達科学コミュニケーション”との出会いでした。ミカがなぜその行動をしているのか理由がわからず、わが子を理解したいという思いで、たどり着いたのが「おうちで脳を育てる発達科学コミュニケーション」です。
そこで、繊細な子の心と脳のしくみを学ぶことで、なぜミカがスーパーで走り回るのか、その理由が見えてきました。
ミカは好奇心旺盛で、興味のあることには一直線のタイプです。そして、目についたものに次々と心を奪われやすいと知り、「なるほど」と思い当たることがたくさんありました。
例えば、好きなテレビを見ているとき、私が呼んでも応えるまでに時間がかかったり、目的地へ向かって歩いているのに、あちこちに寄り道が多かったりします。
どれも脳の個性による自然な反応だったんだと、少し安心しました。
たくさんのことに興味を持つことは素晴らしいことです。だからこそ抑えつけるのではなく、その良さを活かしながらも、日常生活に支障が出ないように工夫できればと考えました。
3.”ストレス”から”ワクワク”に変わる子連れの買い物
ストレスに感じ「もう勘弁して・・・」と思っていた子連れの買い物が、ワクワクするものになった3つの工夫をご紹介します。
①見通しがつくように同じスーパーに行く
今までは、いくつかのスーパーを、行く曜日によって変えていました。それは、繊細な子にとって刺激をたくさん受けやすく、興味が色んなところに向いて当たり前だったのです。
そこで、行くスーパーを固定することで「卵はあそこにあるね」と、商品の配置も覚えることができるので先の見通しを立てることができます。それが安心に繋がり、気持ちが落ち着くと、興奮して走り回ることがなくなりました。
②脳の個性にあった役割を与える
好奇心旺盛な子は、ただ付いていくだけのお買い物は退屈に感じます。そこを活かして、“ママのお手伝い係”として役割を与えることで、集中して行動できるようになります。
「ママの役に立ってる!」という貢献欲求も満たせるので、まさにママと繊細な子のWinWinな作戦なのです。
・今日はフルーツ係!
1番美味しそうな顔のミカンを見つけてきてください!
・今日はカートの運転手さん!
どこにもぶつからずにクリア出来るかな?
③感謝の言葉で成功体験の記憶をつくる
お買い物が終わった後が1番大切なポイントです。
②の役割を達成したことや助かったことなど、小さなことでもできていたことを言葉で伝えていきます。ママが毎回しっかり伝えることで「いいことをした」という満足感で満たされ、「できた!」の自信も育ちます。
・フルーツ選んでくれてありがとう。美味しそうなの見つけたね!
・カート裁きがプロだったねー助かったよ、次もお願いしようかな
・今日も一緒にお買い物出来て、ママ嬉しかったよ
「ありがとう」「助かった」とママが伝えることで「次もお手伝いしよう」と繊細な子の脳に、ポジティブな感情とセットで子連れの買い物が成功体験として記憶されます。
4.プチストレスだった時間が脳が育つ時間になった
毎日の子連れの買い物が、ストレスだった頃。
「なんでうちの子はこんなに落ち着きがないの?」と悩みながら、モヤモヤとした気持ちを抱えていました。
わが子の“行動の理由”がわかるようになってから、”困った行動”だったものが、少しずつ”その子らしさ”に見えてきたんです。
スーパーで走ってしまうのは、興味がたくさんあって、心が動いている証拠。
目の前の世界をまるごと楽しもうとする姿は、本来すばらしい個性だと気づくことができました。
だからこそ、無理に押さえつけるのではなく、その個性を活かしながら、日常生活を穏やかにする工夫をしていくことで、親子にとって心地いい関わり方が見つかるんだと実感しました。
繊細な子の”困った”は、ちょっとした見方の変化と関わり方の工夫で、親子の「できた!」に変わっていきます。
執筆者:やまさき うみ
発達科学コミュニケーション