不安が強く3年間不登校の小学生が体験型イベントに笑顔で参加できた挑戦する脳の作り方

「小学生から不登校で、この先どうなるんだろう…」そんな風に不安に思うことはありませんか。不安に飲み込まれやすく3年間不登校の小学生が、不安とパニックからじぶんで気持ちを切り替えて体験型イベントに参加。同世代の子どもたちと楽しい思い出をつくれた親子の関わりを、体験談と共にお伝えします。

1.不安に支配されて不登校になった小学生

 

ルールから外れたらダメ、ちゃんとやらないと怒られちゃう…そんな不安感の大きい息子ハルマは、不登校の小学生。小学3年生の7月から完全不登校になり、今は小学6年生になりました。

 

不登校になったばかりの頃は、外でお友達の声が聞こえたら家から出て一緒に遊んでいましたが、「学校に行ってないのにって思われるかも」という不安が大きくなり、次第に家の外に出ることを怖がるようになっていきました。

 

外出が怖くなると同時に、しばらく通っていた放課後デイサービスからも足が遠のくハルマ。

 

小学生で不登校、外出もせず、所属場所もなくなると、同世代の子と関わる機会がなくなってしまいます。

 

「本当はお友達と遊ぶことが大好きなのに、このままではお友達との楽しい経験も思い出も持てないまま大人になってしまう…」「経験の不足だけではなく、自信を失うことにも繋がるのでは…」そんな不安が、わたしの中で大きくなっていきました。

 

そしてハルマ自身も、「小学生なのに不登校で大丈夫かな…」と、不安を漏らすことが増えていったのです。

 

        

 

2.親の声かけと関わりで不安をやわらげ挑戦できる脳になる

 

そんな時に出会ったのが、お家で脳を育てる発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)のトレーナー、むらかみりりかさんでした。

 

発コミュのメソッドでは、親の声かけと関わりを変えるだけで、脳のストレスを減らすことができる
すると、不安が小さくなり、少しずつ「やってみよう」と挑戦できるようになっていくというのです。

 

発コミュで変化・成長したお子さんの特徴はハルマと重なる点も多く、「これならなにかが変わるかもしれない!」そんな思いで、2025年1月末から発コミュで親子の関わり方を学ぶことを決意しました。

 

学びはじめてから「これだけは絶対にやろう!」と決めたのは次の2つです。

 

①行動に注目して肯定的な声かけをする

 

「うまくできたね!」という声かけは結果に注目した声かけのため、繊細な子は「うまくできないとダメだ」と受け止めてプレッシャーが増してしまいます。

 

ではどうしたらよいのか。

子どもの行動を実況中継することで「肯定的な声かけ」になることを学びました。

 

実況中継は、「親が見てくれている」という安心感を生み出し、「この行動はよいことなんだ」と認識して記憶されていく効果があります。

 

結果的に親子の信頼関係が築かれるとともに、子どもの中に「できている」という自信がついていくのです。

 

②家事をする時は鼻歌を歌ってご機嫌ママを演出

 

繊細な子は人の声色や表情にとても敏感。

ただ無表情でいるだけでも「ぼくが何かやっちゃったのかな」「怒っているのかな」と不安になってしまいます。

 

息子は完全不登校でずっと家にいるため、わたしの表情や声色から感じることはとても多い…と思い、ハッとしました。

 

常にニコニコしているのは難しいなぁ、慣れないうちは無意識で無表情になることもありそう…と思ったわたしは、家事をする時は鼻歌を歌うことにしました。

歌っていれば無表情にはならないし、息子も「なんだかご機嫌そうだな」と感じてくれると思ったからです。

 

 

3.家から出る機会がぐっと増えた肯定の貯金

 

朝起きてきたら「おはよう、起きてきたね。」「朝ごはん準備してるんだね。」

ハルマがパソコンでCGのキャラクターを作っている時には、「新しい作品作ってるんだね」「完成したら見せてね。」と、今まで心の中で思っていたようなことも言葉にして伝えるようにしました。

 

そして、家事をする時には鼻歌を。

 

するとハルマから「ママなんだかご機嫌だね」と言われるようになりました。

 

これはいいな、と思ったわたしは、ハルマと目が合った時にはニコッと笑って「やっほー」と手を振るようにしてみました。

ハルマも「やっほー」と笑顔で返してくれて、安心の表情が増えていきました。

 

肯定的な声かけと鼻歌を始めてから1ヶ月が経つ頃には、ハルマに変化が現れ始めました。

 

お出かけの誘いにも「いいよ、行ってみる」と返事をするようになり、発コミュのみんなが参加する「いたずら万博」というイベントに誘った時も「行ってみる!」とポジティブな返事を返してくれたのです。

 

小学生の不登校生活の中でも、肯定的な声かけとわたしがご機嫌で過ごすことが、不安をやわらげて挑戦する脳を作ることに繋がっていると実感しました。

 

 

4.体験型イベントへ出発!楽しみな心が折れた大事件

 

いたずら万博は、子どもたちの「やってみたい!」を、大人の「当たり前」は捨てて全部叶えよう!!というイベントです。

 

「どんなことをやりたい?」「それってどうやったらできるかな?」と、オンラインで何度もいたずら作戦会議を重ねていきました。そのおかげで少しずつ安心感を得ることができ、終盤には進んで発言もするようになっていました。

 

ハルマが興味を示したゲームパロディの劇ではBGMを担当し、弟たちの衣装の製作も手伝うなど、劇の本番を楽しみにする様子にわたしも笑顔が止まりませんでした。

 

 

そして7月19日。翌日開催のいたずら万博に向けて、飛行機と電車を乗り継ぐ旅に出発!!

 

道中もとてもワクワクしながら移動していたのですが、ここで事件が起きました。

 

会場まであとはバスに乗るだけ…となったところで「ポケットにいれていた携帯がない!!」と慌てるハルマ。すぐに駅へ問い合わせと遺失物の届け出をしましたが、すぐに見つかるわけではありません。

 

なんとかバスには乗りましたが、嗚咽が漏れ、バス停から会場まではパニックになり、大きな声で泣きながらの移動となりました。

 

翌日の本番に向けての準備やみんなとの食事もありましたが、「少しでも知っている人に会うのが怖い」「部屋から出るのが怖い」と、この日は一歩も個室から出ることなく泣きながら過ごしていました。

 

(わたしとハルマは大部屋に泊まる予定でしたが、1歳の妹も参加していたため、我が家はパパと妹用に個室を予約していました)

 

 

5.「イベントに参加する!」じぶんで気持ちを切り替えた息子の成長 

 

これまでのハルマを思うと、一度「不安」「怖い」という気持ちが芽生えてしまうと、その不安を乗り越えて一歩踏み出すには月単位の時間が必要でした。翌日開催されるイベントへの参加は絶望的。

 

けれど、夜になって部屋の中では落ち着きを取り戻したハルマを見て「もしかしたら明日は参加できるかも…」という希望が胸をよぎりました。

 

そしてイベント当日。

前日に劇の練習風景の写真を「いいな」「BGMどうだった?」と言いながら見ていたことを思い出したわたしは、ハルマの部屋へ行き、それとなく会話をしてみました。

 

(わたし) 

「おはよう、もう着替えたんだね。」

「みんな劇の練習に行ったところだよ~。」

(ハルマ)

「そうなんだ…ちょっと、見てみたい…」

「このまま『来なければよかった』で終わりたくないな…」

 

ハルマの本音が言葉になり、ハルマ自身も何か考えている様子。

 

その後わたしは準備のために会場へと移動をしました。

すると…いたずら万博スタートと同時に、ハルマが会場へやってきたのです。

 

「すごい!!じぶんで気持ちを切り替えて、みんなのいるところに来れた!!」

 

肯定的な声かけの成果を感じて感動を噛みしめていると、周りのママたちもじぶんのことのように「すごい成長だね!!」と喜んでくれて、いっそう嬉しくなりました。

 

不思議でおもしろいメニューのカフェでスイーツを食べ、水風船をきっかけにみんなと遊びはじめ、劇を笑顔で鑑賞したハルマ。

 

 

「こじらせたままでいなくて本当によかった!」

「楽しかった!!!」

 

と、いたずら万博からの帰り道に笑顔で話してくれました。

 

あれほどパニックになった前日から、じぶんの力で気持ちを切り替えイベントに参加できたことが何よりの成長。さらに、お友達とも関わりを持って楽しめただなんて、特大のハナマルです!!

 

 

気が付けば、ハルマが「小学生なのに不登校で大丈夫かな…」と不安を口にすることもなくなっています。

 

小学生から不登校となると、親子共に不安になることもあると思います。特に不安の強いお子さんの場合は「このままどんどん不安に支配されていってしまうのでは…」と心配な気持ちも大きくなりますよね。

 

けれど、焦らずに声かけや親子の関わりを変えることで、確実に変化・成長することができるのです。

 

この記事で参考になることがあれば、今日できることから1つずつ、はじめてみてくださいね。

 

執筆者:みやざわちひろ
発達科学コミュニケーション

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