YouTube依存の不登校繊細な子が心と脳に届く親子の会話で見つけた将来の夢

不登校でお家にいるとYouTube依存になったわが子に悩まれていませんか?Youtubeを活用し、繊細な子の心と脳に届く親子の会話にすると、自分の将来の夢を見つけられる方法をお伝えします。

1.YouTube依存の不登校繊細な子

 

わが家には繊細でがんばり屋の息子(通称:優士)がいます。5年生の冬、お友達との些細なトラブルから不登校になりました。

 

優士は少しずつ元気を取り戻し始めたとはいえ、留守番の時間が多く、気づけば一日中YouTubeをやめられない生活になっていました。

 

お風呂やご飯の時間では、自分で切り替えてYoutubeをやめられるのですが、学校には行かずYoutubeばかり観て過ごす生活に、私は強い不安を持つようになりました。

 

「目が悪くなりそう」

「言葉遣いが悪くなるかも・・」

「このまま考え方が偏ったらどうしよう・・」

 

優士が夢中になってYouTubeを観る姿が目に入るたびに、心配の嵐が吹き荒れました。

なぜなら、繊細な子には指示や注意をしても行動できるようにならないと理解しているつもりでも 、YouTubeを止められない優士にどうしても気になってしまって、心の中では葛藤が渦巻いていたからです

 

 

2.不登校の繊細な子とYoutubeの意外な良い刺激 

 

しかし私は、不登校で家族以外の人と話す機会が極端に少ない優士にとって、テレビやYouTubeは脳に良い刺激や言葉を届けるツールでもあると考えるようになりました。

 

優士は不登校になってから、家族としか関わりがなく、両親は共働きのため、日中は1人で過ごすのが日常になっていました。

 

脳への刺激が少ない優士にとって、YouTubeは外から情報や言葉という「良い刺激を与えてくれる貴重な存在なんだ」と、思えた瞬間から、私は、「やめさせなくちゃ」という気持ちをようやく手放すことができました。

 

 

3.Youtubeを活用し心と脳に合った親子の会話で見つけた息子の夢

 

繊細な子の脳は、周りからの情報や刺激を受け取る力が強い反面、受け取った情報を認識し、整理して、アウトプットする力は苦手になりやすいのです。

 

優士もまさにそのタイプ。不登校のきっかけとなった友人関係では、「自分の気持ちを言葉にする力」や「相手の意図を正しく受け取る力」に、大きな壁がありました。

 

そのため、不登校でお家で過ごす時間を、ただ休ませるのではなく、”脳を育てる時間”に変え、親子の会話を通して、情報を正しく認識して整理する力と、アウトプットする力という2つの力を育てていくことにしたのです。

 

その時に活用したのが、優士が毎日見ているYoutubeでした。Youtubeは、優士にとって安心できるものであり、大好きなコンテンツや学びの詰まった宝箱のようなもの。上手く活用することで、優士の心と脳に届く親子の会話が無理なくできたのでした。

 

その時の、実際の私の声かけと優士とのやり取りがこちらです。

 

「今何が起きたの?教えて~」

「これってどういう意味なの?」

「この人の動画、楽しいね」

 

優士に興味関心を持ったひと言がきっかけで、優士は少しずつ反応を返してくれるようになりました。 やがて、お気に入りのYouTuberさんの面白かった場面を楽しそうに話してくれるようになったのです。

 

その中で優士の口から出てきたのが、 「こういうこと、オレもやってみたい」 という一言でした。その動画は、犬の保護活動を応援している方のもの。 私は思わず、

 

「そうなんだ。どこでやってるの?どんなことするの?」と聞きましたが、 そのときは「分かんない」と会話は途切れてしまいました。

 

ところが翌日、仕事から帰ると、「お母さんが昨日聞いてたやつ、これだよ」と、自分で調べた動画を見せてくれたのです。

 

この日を境に、日中はYouTubeで情報を調べ、夜は私に調べたことを教えてくれる、そんな新しい“親子の会話パターン”が生まれました。

 

犬の保護活動について調べていくうちに優士は、 「保護犬を助けるには、でっかい家がいる。そのためには働かないと!」と考えるようになり、「お金を稼げる仕事」に興味を持ちはじめました。

 

警察官、パイロット、弁護士、医師、スポーツ選手… いろいろな職業を調べては、仕事内容や年収まで教えてくれる毎日。

 

そしてたどりついたのが「漁師」

 

「お母さん、漁師ってすごいんだよ。カニやマグロの漁師は遠くまで行くから稼げるんだけど、家に帰れないんだよ」
「エビ漁師は伊勢海老が良いんだって」
「アワビ漁は男の人があまりやってないし、オレは食べられないからパスだな」

 

なんと、社会の教科書を自分で開いて「遠洋・沖合・沿岸漁業」まで調べるほどの熱量。そして2カ月後、優士は“将来の夢”を見つけたのでした。

 

「ホタテ漁師になって、北海道にでっかい家を建てて、そこで保護犬を助ける人になる!」

 

 

5.YouTube依存を活用して夢に繋がる

 

「YouTubeばかり見ているからダメ」

「やめさせないと引きこもってしまう」

 

以前の私は、そう思い込んでいました。しかし今は、まったく逆の見方をしています。

 

「観る時間を減らす」のではなく、 “どう使うか”を工夫して、YouTubeを心と脳を育てる教材にしているのです。

 

繊細な子は、自分の興味があることに没頭できる力を持っていて、 驚くほどの集中力と探究心を発揮します。

 

「YouTubeばかりで困るな」


もし、そんなふうに感じていたら、ちょっと視点を変えて、お子さんの可能性を広げるカギを見つけてみてくださいね。

 

 

執筆者:増山陽香

発達科学コミュニケーショントレーナー

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