高学年女子の班分けトラブル!繊細な子が気持ちを切り替えて再登校した母の肯定の関わり

高学年女子が学校の班分けで揉めることってありますよね。その結果に繊細なわが子は納得できず数日間学校を休みました。母の肯定的な関わりで娘が自分でこの出来事を乗り越えて再登校した記録です。

 

1.繊細な高学年女子、修学旅行の班分けに参加

 

私には小学6年生と小学4年生の高学年の娘がいます。

 

娘たちは、思うようにいかないことがあると、「よし!もう一回やってみよう」と前向きになるのが難しく、励ましてもなかなか元気を取り戻せないことがよくありました。

 

学年が上がれば「だんだんたくましくなっていくのかな?」と思っていましたが、高学年になっても習い事や勉強で自信を持てない場面が増えていったのです。

 

本やインターネットで調べるうちに、「もしかして、娘たちはいわゆる『繊細な子』なのかも?」と思うようになりました。

 

そんなとき、繊細な子の心と脳を強くする親子の関わり方を専門に教えている、むらかみりりかさんに出会い、そのメソッド「発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)」を学び始めました。

 

発コミュの基本「できたこと」に目を向けて、肯定的な言葉をかけていくように意識したところ、少しずつですが、繊細ながらも勉強や習い事で娘たちの中に自信が育っていくのを感じられるように!

 

そんな中、小学6年生になった長女・夏帆(仮名)のクラスでは修学旅行の班分けが行われることになりました。

 

夏帆は、「周りの状況によく気がつくことができる」といった繊細な子の特徴を活かし、お友だちの間を上手く取り持ちながらクラスで元気に過ごしています。

 

このクラスで班分けが行われるのは今回で2回目。修学旅行では、仲良し3人組で同じ班になれることを願ってたのです。

 

 

2.高学年女子あるある!班分けトラブル!

 

班分けの夜、夏帆は「最悪」と怒りながらお風呂にやってきました。


班分けは、男子との人数調整の兼ね合いもあって、女子では、3人組が1つ、それ以外の子たちは全員2人組になるよう話し合われたとのことでした。

 

聞けば、3人組を希望したのは、初めは夏帆のグループも含んだ3つ。

 

高学年女子が班分けで揉めるのは「あるある」です。

 

それが分かっている夏帆は揉めるのがいやだからと、いの一番に「私は誰と同じ班になっても良いよ」と仲良し3人組から抜けたそうです。

 

その時点で、自分が希望するお友だちと同じ班になれないのことは分かっていたのですが・・・


最終的に、前回の班分けでも意見を押し通したグループが3人組に決定したことに納得できなかったのです。 

 

 

3.繊細な娘をポジティブな気持ちにさせる会話術

 

私は発コミュの学びを活かして対応しました。

 

ポイントは3つ

 

①話をひたすら聞きます

 

繊細な子の脳は人の気持ちには敏感なのに、自分の気持ちを表現することが苦手です。人は気持ちを言葉にしていくことで、自分の中の気持ちが整理され、気持ちの切り替えができるようになります。

 

②ネガティブ感情には共感しない

 

たくさんのネガティブな感情が言葉であふれ出してきても、「ふ~ん」とフラットに受け止めます。

繊細な子は人の気持ちにとても敏感ですから、私が共感して「それはイヤだったね」というと、「そうだそうだ、これはとってもイヤなことだったんだ」、とネガティブな気持ちがどんどん膨らんでいってしまうからです。

 

③ポジティブな面を探して伝えます

 

一見、最悪なことしかないという状況であっても、私が、ポジティブな面を伝えていくことで、子ども自身に、「全てが全て最悪なのではなくて上手くいったこともある」と気付かせるためです。

 

今回、「誰と同じ班になっても良い」と夏帆が思ったところにフォーカスしました。

 

「夏帆って、誰とでも話せるのが良いところだよね~」と声をかけると、


夏帆自身も「そうなの、わたし、8割位の子とは仲良いんだよね!」とポジティブな気持ちになり、自分の良さに気付くことができました。

 

 

4.学校を休んだ繊細な娘が母の肯定の関わりで再登校!

 

翌朝のことです。

 

夏帆は自分から今日は学校を休みたいと話してきたので、


「やっぱり昨日のことがひっかかってるんだな」と状況を理解し、すぐに「分かったよ」と伝えました。

 

高学年の娘を力尽くで登校させることは不可能です。


自分が「行く!」と決めて動き出すのを待つのみです。


だから、今は安心できるお家で納得できない感情を落ち着かせるときと判断しました。

 

できていないこと、学校に行っていないことを何とかしようとはしません。当たり前にできていることに肯定的な言葉をかけ続け、親子の愛着の関係を強く育てていきます。

 

何時に起きてこようとも「おはよう!今日も良い天気だよ」

 

ご飯を食べているときには「このおかずおいしいよね」

 

たったこれだけの会話ですが、これも十分肯定の言葉なのです。

 

学校に行っていないことを避難されたり、監視されるでもないこの言葉が、夏帆の心に安心をもたらし気持ちを落ち着かせていきます。

 

 

また、班分けが上手くいかなかった状況から、「自分が良くなかったのかも」とか「あの子が良くなかったんだ」と感情的に自分や他の子を責めてしまうことがあるかもしれません。

 

ですが、安心が貯まってくると、状況を落ち着いて捉え直すことができるのです。

 

「最悪と思ったけど、けっこう仲の良い子と同じ班だし、なんとか楽しくやっていけそう」


「自分は自分!大丈夫!」と自信も育っていくのです。

 

そして4日間お休みした日曜の夜です。

 

自分から月曜日の持ち物をランドセルにセットし、準備を始めました。

 

再登校まで何日かかるかは、私も分かりませんでしたが、肯定の関わりを続けた結果、動き出すことができたのです!


月曜日、少し不安げに家を出る夏帆に、「行ってらっしゃい!帰ってきたら暑いし、アイスクリーム一緒に選びに行こうね!」と声をかけて送り出しました。

 

5.肯定の関わりが繊細な娘の自己解決力を育てる

 

修学旅行は七夕のすぐあとでした。


この自宅で過ごした数日の間に、夏帆が書いた短冊にはこう書いてありました。

 

「修学旅行に平和に行けますように」


高学年、本格的な思春期にさしかかるこの年代、この先も、多かれ少なかれ、お友達との言葉や気持ちのすれ違いから、思わぬ事態に巻き込まれることもあるかと思います。

 

いつでもどこでも肯定の関わりを基本に、自信を育て、娘が自分で解決していける力を育てていきたいと思います。

 

 

執筆者:あなんしほ
発達科学コミュニケーション

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