1.不登校繊細な子に届かない「大丈夫」
不登校になった繊細な息子(通称:優士)は、復学に向け、「学校行きたいけど、休んでたから勉強についていけなそう・・」と、話すようになりました。
学校に行きたい気持ちがある。勉強をやりたい想いもある。だけど、心と身体がついていかない、そんな様子でした。
私は毎日のように「大丈夫だよ」「勉強なんてすぐに追い付くよ」と声をかけていました。それが優しさだと思い、励ましにもなっていると思っていたのです。
ある日優士は、「お母さんには分かんないよ」とつぶやき、その言葉に胸がズキッとしました。「励ましているのに何で届かないんだろう?」と、戸惑うしかありませんでした。

2.不登校勉強遅れの繊細な子に励ましは逆効果!
私は、お家で脳を育てる発達科学コミュニケーションに出会い、優士が繊細な子だと知ったのです。
繊細な子の脳は、情報を受け取る力が強く、周りの空気や人の気持ちをすぐに察知します。しかし、受け取った情報を脳の中で処理して、言葉や行動に繋げることが苦手です。優士は「勉強を取り戻したい」と感じても、脳が行動にブレーキをかけてしまい、考えれば考えるほど不安になり、身体が動かなくなっていたのです。
そんな時、励ましの声をかけても、プレシャーを感じてしまい、余計に動けなくなるのです。
3.きっかけは、リアルな学び
そんな優士が少しずつ前を向いて動いたきっかけは、4歳年上の長男の勉強の様子を見てからでした。
長男は、定期試験の前になると私に「テスト問題出して」とお願いしてきます。私と長男は、クイズ形式で問題を出し合って楽しく勉強していたのです。それを見ていた優士は、「兄ちゃん、昨日よりめっちゃ覚えてるじゃん!」と話し、優士も一緒にクイズの様に問題を出して楽しむようになりました。
そして数日後、「オレもちょっとやろうかな。やらないより良いよね」と、自分からワークを開くようになったのです。
4.不登校繊細な子の心と脳が動き出す勉強
不登校の繊細な子にとって、机に向かって問題を解くだけが勉強ではありません。
・お兄ちゃんの勉強を横で見た
・クイズに一緒に応えた
・自分の気持ちや考えを伝えられた
・「ちょっとやってみようかな」になれた
これらは全て、脳にとって学びであり、勉強の入口にいます。「小さな出来た!」が次の行動を生み、確実に心と脳は成長していくのです。
不登校中こそ、心と脳は発達し、自信も行動力も育てられますよ。参考にしてみて下さいね。
執筆者:増山陽香
(発達科学コミュニケーショントレーナー)