繊細なタイプの子どもは周りの言動に落ち込むこともあります。子どもへの理解があればその状況を避け、子どもは活き活きと生活ができます。今回はママが子どものトリセツを子どもに関わる人たちに届けるためのポイントを体験談を通してお伝えしていきます。
1.へこたれない子どもに育てたい
わが子が園、学校、習い事などで、先生にちょっと注意されただけで、「怒られた…」とすぐに落ち込む様子に「やれやれ…」と思うことありませんか?
繊細なタイプのお子さんは、他人の感情には敏感、自分の感情の主張は苦手というところがあります。
他人の一言、他人の態度などに、すぐに自分の感情が揺さぶられてしまうことから、例えば先生であれば些細なことを注意されただけでも「怒られた…」と自分を全否定されたかのように感じてしまうことがあります。
まさにガラスのハートの持ち主である繊細なタイプの子どもたち。
このままでは、先生、親、お友だちの一言に落ち込んでは自信をなくしたり不安になったりを繰り返します。
その積み重ねが自信と気力を奪い、繊細なタイプの子どもたちは次第に心を閉ざして殻にこもってしまうことも多いです。
このような状態が続くと、年齢があがるにつれて本人の困り度は増していきます!
思春期では「友だちが…」大人になっても「上司が…」「環境が…」と他人や環境に左右されて、自分の力を発揮できないことは目に見えています。
周りの人の言動に左右されず、思い切り自分を表現して欲しい!
ちょっとやそっとの言動でへこたれないで欲しい!
どうやったら気持ちを強くし前に進める子になれるのか?!ママ達の永遠のテーマだと思います。
2.憧れからはじまった空手
わが家の繊細なタイプの息子も例外ではなく、母としては心を強くしてほしい…とずっと願っていました。
年少くらいから、先生にちょっと注意されることも厳しく注意されることも敏感だった息子は、「先生に怒られた…」と毎日のように言っていました。
もっと小さいとき、1歳児2歳児の時も怒られたことを言いたかったかもしれませんが、言葉が未熟なため言えなかったのではないかと今となっては思っています。
そんな息子が自分から「空手やってみたい」と言ってきたのです!
なんと名探偵コナンにでてくる公安警察官、安室さんに憧れている息子は、空手に興味を持ちました!!
厳しい武道の世界にこの子は耐えられるのだろうか…と大きな不安を抱えながら体験に行きましたが、館長も指導員の方も、「よく来たなー!!」と頭をポンポンして歓迎ムードでした。
体験期間の1ヶ月は息子と肯定的に関わってくださり、コミュニケーションをしっかりとってくれようとしていました。
この道場なら通うことができるかも?!そう思って入会したのが息子が小学1年の夏でした。
ところが慣れてきた頃に、不安と緊張から余計に不注意になってしまい、整列の時にもじもじしてたり、直立もできなかったりする息子に対して怒声が飛ぶようになりました。
このままでは以前のように「先生に怒られた…」と言ってどんどん自分に自信をなくしてしまうのではないかと危機感を覚えました。
そこで私は館長たちに対して次のような行動をとりました。
3.肯定のサンドイッチで息子のトリセツを伝える
このままではまずいと思った私は、息子の取り扱い説明書(トリセツ)を館長たちへお伝えしようと決めました!
そのときにただトリセツをお渡しするのではなく、発達科学コミュニケーション流(以下、発コミュ)のアレンジも加えてお伝えすることにしました。
そのときのポイントとしては以下の3つになります。
①息子の特性を理解してもらえるようお伝えする
特に
・ 息子は緊張感が高まると注意散漫になってしまう
・感覚の過敏さがある
ということをシッカリとお伝えしようと決めました。そして息子への誤解を解く狙いもありました。
②先生たちのおかげで空手をすごく意欲的に頑張っていること
③とても感謝していること
②と③は発コミュ流の褒めのサンドイッチのテクニックになります。お願いをするときなどに褒めのサンドイッチを意識すると効果的だと学んでいたのでシッカリお伝えしようと決めました。
具体的に褒めのサンドイッチとは、文章の最初と最後を褒め言葉で伝えます。その褒め言葉と褒め言葉の間に伝えたい要件などを入れ、相手に気持ちよくこちらの意見を伝えるというテクニックです。
私が実際に館長たちに送った文章はこちらです。
「いつもお世話になりありがとうございます。先生方には不注意などが目立ちご迷惑おかけしております。
感覚が過敏なため小さな刺激に注意散漫になったり、緊張度が高まると頻尿になったりする特性があります。
ですが、〇〇館長、〇〇さん、お友だちのおかげで、□□(息子)は空手の練習をいつも楽しみにしており、私も□□(息子)が少しずつ成長している様子を見るのがとても嬉しいです。
本当にありがとうございます」
先生からのお返事です。
「□□(息子)ですが、いつも元気で愛想良くこちらも元気をもらっています。
入門時に比べ落ち着きも出てきましたし、徐々に状況判断も出来るようになったと思います。
色々な子達が道場にはいますが、性格も能力も十人十色です。
□□(息子)に合うような指導を日々模索しながら、メリハリをつけつつ行っていますので、長い目で空手道を継続する事が大切ではないかと考えています。
□□(息子)の今後の成長を私も楽しみしています。審査会や大会も楽しみですね!」
このやり取りをした後、館長も指導員の方も息子に対しての対応がガラリと変わり、好ましくない行動はなるべくスルーしてくださるようになりました。
また、好ましい行動に対しては「今のは良かったで!□□(息子)はできるんやからな!!」と肯定してくれてる姿も見られました。
こんなにも、自然に発コミュ対応をしてくださる道場と出会えたことに感動し、感謝の気持ちでいっぱいです。
審査や試合が近づくたびにカツが入る道場では、「休む時は休む、やる時はやる!ダラダラするな!!!!」と、大人にもガツンとカツを入れるためにこんな言葉が飛び交います。
それでも息子は「怒られた…」と泣き言を言うことはもうありません。
発コミュの肯定のサンドイッチをばっちりしてくださる先生のもと、今でも空手を頑張っています!
今回はたまたま習い事での話はありますが、学校でも同じです。「先生に怒られる…」と嘆いているようでしたら、学校の先生にもトリセツをお伝えすることをおすすめします。
繊細なタイプの子どもが外で頑張るには、関わる大人の正しい理解と対応が必須です!
先生に気を遣わなければいけないのではありません。
正しい理解と対応をしてもらうために、先生へお伝えする時も発コミュの肯定のサンドイッチでお伝えするときっと伝わりますよ!