朝の準備で泣いていたあの子が…?玄関でハイタッチできる3つテクニック

朝の登園準備、急いでいるのに子どもは動かない…。そんな毎日にさよなら!朝の準備で泣いてしまう繊細な子でも玄関先でハイタッチして笑顔で送り出せる3つのコツを紹介します。

1.繊細な子の朝の準備が進まない!仕事に遅刻する日々

 

我が家には、大好きな先生にも恥ずかしくて挨拶できない、繊細な次男・エイジ君(仮名)がいます。


エイジ君は、保育園に行くのを楽しみにするタイプではありませんでした。

 

そのため、朝の準備をしない、ご飯を食べない、テレビをダラダラ観る、そんな毎日。


私はとにかく出勤時間に間に合わせたい一心で、朝起きた瞬間からエイジ君を送り届けることが一日の最初のゴールでした。

 

「もう年長さんなのに!」

「長男はできていたのに、どうしてエイジ君はできないの?」

 

私の時間に合わせて動いてほしい。


かまっている時間はない。


そんな焦りから、できないことばかりに目を向けてしまう母親になっていました

 

 

2.原因は親の声かけ?繊細な子が動けなかった本当の理由


朝の準備が進まない。


その原因は、実は私自身にありました。

 

「ご飯食べて!」

「着替えて!」「早くして!」

毎朝繰り返していたこれらの言葉。


エイジ君の脳には、何をどうすればいいのかがうまく伝わっていなかったのです。

 

さらに私は、普段から「すごいね」と褒めたり、できたことに対しても「次はもっと〇〇してみて」と、次の課題を与えるような声かけが多くなっていました。


エイジ君は繊細な気質を持っているため、とにかく初めてのことが苦手、白黒思考で挑戦アレルギー。ママの言葉かけにより、失敗をますます恐れるようになり「できないかもしれないから、やらない」と自信まで奪ってしまったのです。

 

 

加えて、私自身が思う「正しい時間の使い方」に、子どもを無理に合わせようとしていたことも、子どもの行動を妨げていました。

 

その結果、私は、子育ても仕事も、両立がどんどん苦しくなり、「私には子育てが向いていないのかもしれない」と、自分を思い詰める日々が続きました。

 

そんな私を救ってくれたのが、繊細な子の心と脳を強くする親子の関わりを専門に教えているむらかみりりかさんでした。

 

りりかさんの繊細な息子さんの変化に驚き、私もりりかさんのような子育てをしたいと思い、学び始めたのが「発達科学コミュニケーション」との出会いです。

 

子育ては、学んでいい。今まで誰も教えてくれなかっただけ。


私は、子どもたちに「伝わる言葉かけ」を知らなかっただけ。

 

「ちゃんとさせなきゃ」「しつけには厳しさが必要」そんな風に信じ込んでいた、昔の自分に気づくことができたのです。

 

ここからは実際に私がどんな風にエイジ君とのコミュニケーションを変えたのか、ご紹介しますね。

 

3.繊細な子に届く!朝の準備ができるようになる3つのテクニック

 

①やり始めと過程を肯定

 

エイジ君との関係を変えるために、私が最初に取り組んだのは、「褒め」ではなく、やり始めや、やっている過程を「肯定」することを意識することでした。

 

繊細な子どもは、自信を失いやすいものです。


だからこそ、「できる、できない」ではなく、「やろうとしていること、やっている過程」に目を向け、肯定的な言葉をかけることが大切なのです。

 

 

たとえば、

「やろうとしてるんだね」
「〇〇まで出来たね」
「楽しそうだね」


そんな風に声をかけるように心がけました。

 

ママやパパからたくさんの肯定の言葉を受け取った子どもは、親との愛着の関係を深めていきます。我が家もエイジ君との関係は穏やかになり、ニコニコよく笑うようになりました。

 

愛着とは、子どもが親に安心と信頼を感じられる心のつながりや絆のこと。
この愛着の土台が安定してくると、「自分は大丈夫」と思える心が育ち、少しずつ行動する力が育っていきます。

 

②スモールステップの声かけ

 

スモールステップ」という言葉を聞いたことがありますか?


私は、発達科学コミュニケーションに出会うまで、その存在すら知りませんでした。

 

スモールステップとは、大きな行動を小さく分解して、ひとつひとつ伝えていくことです。

 

例えば、以前の私なら、朝ごはんが
おにぎり・ウインナー・お味噌汁・チーズ・麦茶と並んでいても、ただ一言、「朝ごはん食べて!」と声をかけるだけでした。

 

しかし、学びを経た今は、こう声をかけます。

 

「チーズ一個食べようか」
「おにぎりを一口食べよう」
「お味噌汁のお豆腐を一個食べてみて?」

 

行動を具体的に小さく分けて、伝える。


それだけで、エイジ君の反応は大きく変わりました。

 

「チーズ一個ならできるかも」
「おにぎり一口だけならやってみようかな」

 

そんな小さな成功体験を積み重ねることが大切なのです。

 

③テーマソングを活用して、行動を促そう

 

耳からの情報を受け取ることが得意な子どもには、「テーマソング」を使った声かけも効果的です。

 

子どもが好きな音楽やアニメの曲を、特定の行動とセットにすることで、「この音楽が流れたら朝ごはん」「このメロディーを聞いたらお片付け」といった形で、行動のスイッチを作ることができます。

 

例えば、朝ごはんの時間になったら、いつも同じ音楽を流しておく。
すると、言葉で何度も指示をしなくても、音楽を聞くだけで自然と行動に移るようになるのです。

 

我が家ではとても効果的な方法でした。

 

 

4.子どもは変われる!「朝の準備ができない」から卒業するために大人ができること

 

子どもたちが行動しない、できないと感じるとき。
それは、子ども自身の力不足ではなく、「伝わり方」に原因がある場合もあります。

 

声かけを肯定的にする。

 

行動をスモールステップに分解する。

 

子どもに合ったサポート方法を工夫する。

 

ほんの少し大人の伝え方を変えるだけで、子どもたちは驚くほどスムーズに、そして自分の力で成長し始めます。

 

うまくいかない朝があっても、「昨日よりちょっとスムーズだったな」と思えたなら、それは立派な前進です。

 

見て、言葉にして伝えていくことで、繊細な子どもの背中をそっと押してくれます。

 

子どもには、自分の力で乗り越えていく力がちゃんとあります。
その力を信じて、私たち大人が伝え方をほんの少し変えてみるだけで、朝の景色が変わっていきます。

 

これからも「できたね」の笑顔を少しずつ増やしていけるように。


わが家らしいペースで、一緒に歩んでいきましょう。

 

 

執筆者:ますながゆみこ

(発達科学コミュニケーション)

 

タイトルとURLをコピーしました