不登校でひきこもりの繊細な小学生が1ヶ月後にマラソン大会で完走した脳が喜ぶ親の接し方

不登校やひきこもりで「この先どうなってしまうんだろう」と不安になっていませんか?繊細な子の困りごとに必要なのは、肯定の関わりで親子の愛着の土台を整えることです。肯定シャワーにより自ら動き出し「できた」の貯金でマラソン大会を完走した感動の体験談をご紹介します。

1. 幼稚園から続いた行き渋りと不登校

 

現在中学1年生の長女いーちゃん(仮名)は、幼い頃から感覚が敏感でこだわりが強く繊細さがあり、育てやすいタイプとはいえませんでした。

 

幼稚園は二度の不登園を経験。本人が希望した転園をきっかけに、環境が合った転園先では困りごとなく楽しく過ごせるようになりました。

 

「小学校楽しみ~。早く行ってみたい!」と不安なく迎えた小学校でしたが、再び大きな壁が。

 

入学して1週間は普通に通った休み明けから、「学校行きたくない!もう行かない!」と言い出しました。

 

「学校は行かなくてはならないもの」と思い込んでいた私は、行き渋り、泣き叫ぶ娘を無理やり連れていく毎日に。

 

学校がある日は毎朝腹痛、日曜の夕方になると不安で泣き続け夕飯を食べることすらできない、いーちゃん。

 

「こんなこと、続けられない。無理やり連れていくのはもう限界だ」と思いました。

 

 

「親の義務は学校に連れていくことではなく、子どもに教育を受けさせること」と知り、休ませる選択をしましたが、世界から取り残されたような孤独感と不安は大きく、行政や小児科に相談に行きました。

 

相談先で言われるのは、「身体症状がある場合は迷わず休ませましょう。無理に連れていかず寄り添われているので、対応は間違っていません。お母さん、頑張っていらっしゃいますね。」という、ねぎらいの言葉。

 

対応が合っているとは言われても、お休みが続くと「どうにか学校に行けないものか」という本音が心の奥で渦巻いていました。

 

そんなとき、昼休みにある「なかよしコンサート」を一緒に見に行ったのがきっかけとなり、「学校にも楽しいことがあるかも。お母さんと一緒なら学校に行ってみる」と言い出したいーちゃん。

 

1学期が終わる頃、完全不登校を脱出して母子登校で学校に復帰しました。

 

その後、2年生からは五月雨登校ながらも一人で登校できるようになり、学年が上がるごとに学校で過ごす時間が徐々に長くなっていきました

 

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2. 小6でまさかのひきこもりに

 

5年生で友達関係での心配ごとをきっかけに2度目の不登校になりましたが、6年生に進級後、運動会に出たいという思いから体育には登校するようになりました。

 

ところが、無事運動会にフル参加した翌週の5月後半、学校と外食先で立て続けに嘔吐したことをきっかけに、庭にすら出られなくなりひきこもりに。

 

ベッドやソファでスマホだけを眺め、妹たちと遊ぶ元気すらなく笑顔も消え、食欲もなく、どんどんやせていくいーちゃんを見て、ただただ焦る気持ちでした。

 

病院を受診したくてもカウンセリングを受けさせたくても、本人が嫌がるし、そもそも外に出られません。どこに相談しても、「本人が来てくれないことには何もできません」と言われるだけです。

 

途方に暮れました。

 

「この子のすべては私にかかっている…。」

 

そう思いました。

 

実は、体育に向かういーちゃんの顔が日に日に曇っていたのにはうっすら気づいていました。

 

それなのに、当時在宅で仕事をしていた私は「ミーティングを抜けて送迎してるから早く戻らないと!どうせ1時間後にはまた迎えに行くんだし!」と、気付かないふりをし、急ぎ足で送り出してしまっていました。

 

あのとき、本当の気持ちを聞く心の余裕を持てていれば、校門に送ったあと歩いて行く様子を見届ける時間を持っていれば、こうはならなかったかもと、猛烈に後悔しています。

 

 

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3. 繊細な子のガラスのハートを強くする脳科学的なアプローチとの出会い

 

ひきこもりをどうすれば改善できるのか、どうすれば心の元気を取り戻せるのかと思い悩むこと約3ヶ月。

 

その間、いろんな学びや友人のセッションを通して、「生きているだけでありがたい」「学校は行かなくても大丈夫(行きたければ行けばいい)」「ありのままでいい」というスタンスに切り替わった私。

 

子どもを変えようとするのではなく、私自身が変わる必要があるのだと気づきました。

 

その頃から、いーちゃんは少しずつ少しずつ元気を取り戻し、家の中では好きなことができるようになっていきました。

 

夏休みが終盤を迎える頃、夜の少しの時間なら買い物に出られるようになりましたが、外出に対するハードルは高いままです。

 

そして9月中旬、当時年長の三女が行き渋りから登園拒否となります。

 

次女も不登校後の五月雨登校中の我が家。とうとうほぼ毎日終始姉妹揃って家にいる日々に

 

「何かを変えないと。すべては私が悪いのかもしれない。」と思いました。

 

「生きているだけでありがたい」

「ありのままを大事にしよう」

 

と思うようになったものの、

 

「どんどん殻を厚くしてしまっていないか」

「外の世界ともっと楽に繋がれれば」

 

と葛藤していたとき、お家で脳を育てる『発達科学コミュニケーション』(以下、発コミュ)で繊細な子への関わり方を専門に教えているむらかみりりかさんに出会います。

 

繊細さは強みにできる!

 

という言葉に、何かが変わるかもしれないという想いで、11月から発コミュの受講を開始しました。

 

 

4. 繊細な子にまず必要なのは親子の愛着の土台を整えること

 

発コミュで最初に学んだのは肯定の力

 

「肯定の注目:否定の注目=9:1」の関わりで否定の注目よりも肯定の注目を多くすることで、親子の愛着の土台が整います

 

親子の愛着の土台が整うと、自ら心のブレーキを外せるように

 

そして、「やってみようかな」のアクセルを踏めるようになり、「できた」の経験から「次もやってみよう」につながっていきます。

 

いーちゃんは危険なことはしないので、「肯定の注目:否定の注目=10:0」でいくことに注力しました。

 

まずは親子の愛着の土台を整えようと、特に力を入れた肯定シャワーは次のとおりです。

 

①なんでもないことを実況中継

 

寝て起きただけでも、生きていることの全てを肯定ポイントとみなし、「起きたね」「手を洗ってるね」「くつろいでるね」と実況中継しました。

 

②ママの気持ちを伝える肯定

 

「ご飯食べてくれて嬉しい」「助かる〜」「ありがとうって言ってくれてありがとう」、寝る前の「大好き」など、自分の気持ちを伝えました。

 

また、子どもが最も喜ぶ「ママのところに生まれてくれてありがとう」を伝える回数を増やしました。

 

③あいさつの肯定

 

朝起きたときの笑顔の「おはよう」を欠かさないようにし、目が合ったらニコッと微笑みかけたりハグしたりしました。

 

 

5. 1ヶ月間の「できた貯金」でマラソン大会完走!

 

発コミュを始める前の「ありのままでいいよ」への心境変化で私の焦りが少なくなった頃からいーちゃんの好転は始まってい、学校に行ってみようかなという気持ちが芽生え出していました

 

10月には、体育のタイミングを見計らって体育館の外で挨拶だけしに行く日もありましたが、授業への参加はできないまま1ヶ月が経過

 

11月に発コミュを学び、肯定シャワーを始めると、

 

1週間で筋トレ&スキンケアを習慣化するようになり

 

2週間で参加したい授業に参加できるようになり

 

1ヶ月後には校外学習に参加できました

 

不登校から抜け出し授業に参加できるようになった記録は、以下で紹介しています。

 

不登校で繊細な高学年の子が2週間で授業に参加!母の肯定シャワーと「大好き」の力
不登校の子に芽生えた「学校に行ってみようかな」の気持ちが、直前で『やっぱり無理…』に変わってしまうこと、ありませんか?肯定シャワーで親子の愛着の土台を整え、「大好き」な活動をきっかけに授業に参加できるようになった体験談をご紹介します。

 

校外学習の翌日はマラソン大会です。

 

マラソン大会本番の数日前、校外学習に行くことを決めた日に「筋トレの成果を確認したいからマラソン大会も出てみたい」と参加を決めました

 

迎えた当日、なかなか起きてきません。

 

繊細な子は刺激による脳疲労が大きいので、前日の校外学習の疲労はかなりのものだったはず。

 

これまでのパターンだと、前日心身に負担のかかった翌日は朝起きるのが遅く、起きてもぐったりしていることが多かったいーちゃん。

 

案の定、朝支度を始めた方がいい時間になっても起きてきません。

 

出ると決めただけでハナマル。「朝は起こさないで」と言っていたので、起こさずそっとしておくことにしました。

 

 

すると、急げばギリギリ間に合う絶妙な時間に起きてきて、迷いなく支度を始めたのです。

 

「は、走るん?」とつい聞いてしまいましたが、「うん。走るって言ったやん。」との返事。

 

いーちゃんの挑戦に背中を押され、私も少し背中を押し、迷いに迷っていた五月雨登校中の次女も、ギリギリ間に合う時間に参加を決めました

 

支度だけはできていた次女を先に学校へ送り、支度が済んだいーちゃんを車に乗せ、学校付近の駐車場に車を駐め、小走りに学校へ向かいます。

 

校外の折り返し地点にたどり着いた時点で、次女の走り出しまで残り2分。

 

「いーちゃん、門まで送ってたら次女の走りが見えないんだ。自分で行ける?」

 

と聞くと、

 

「OK、行ける!」

 

キリッとひきしまった表情で反対側の正門まで一人で走って行きました

 

その姿にすでに感動。

 

まもなくして次女の学年がスタートしました。

 

なかなか姿が見えないので、「まさか慌てて出たからスリッパで行って走れなかったんじゃ?!足元見てなかったー!(靴が嫌いでいつも裸足にスリッパ)」と心配になりましたが、ちゃんと靴を履いた足でニコニコと無事完走した次女

 

次はいーちゃんの番です。

 

持病があるうえに、マラソンの練習は一度もしていないし、約7ヶ月長距離を走ることはもちろん歩いてすらいません

 

とてもとても心配な気持ちで折り返し地点で待ちます。

 

前半とばし、ふらつきながら走ってきて、私の前で足が止まり、「もう無理」サイン

 

「限界?リタイヤ??」(うなづくいーちゃん)

「歩いて校舎まで戻ろっか」(うなづくいーちゃん)

 

歩きながら折り返していくいーちゃんの背中を見つめながら、「よくここまで走った」と感動しました。

 

そして、リタイヤしたものだと思いながらもやってきた二回目の折り返し。

 

再びいーちゃんの姿が

 

 

最後尾の男の子と担任の先生と、ゆっくりと走ってきます。

 

まさかの姿に涙があふれ出てきました。

 

家に帰ってから最後まで走ったいきさつを聞いてみると、先生に「途中でやめたら後悔するぞ〜」と背中を押され、「これはひけないやつだ、、やるしかない」と思ったそうです。

 

先生は先生で、「歩いても足は止めなかったし、ストップをかけないといけないほど苦しそうではなかったのでいけそうだ」と判断したとのこと。

 

これまでの様子を全て知っている友人からは「走る姿を見て涙が出そうだった」とわざわざ連絡が来ました。

 

いろんなことが絶妙なタイミングで絡み合っての今回の急激な躍進。

 

肯定シャワーで親子の愛着の土台が整ったことでブレーキが外れ、1ヶ月間の「できた貯金」でアクセルをグンと踏めたんだなと思います。

 

 

5. 子どもは自ら立ち上がる力を備えている

 

ひきこもりや姉妹揃っての不登校、不登園。どん底の気持ちでいましたが、「生きているだけでハナマル」というところまで親の「べきねば」や期待を手放すと、子どもは自ら立ち上がる力を発揮することに気づかされました

 

また、想いだけでは不十分で、親のコミュニケーションを変えることで、子どもの挑戦する力が湧いてくることも目の当たりに。

 

これまで二度の不登園、三度の不登校、病気に大手術、ひきこもりと、何度も何度も自分自身と向き合ってきたいーちゃん。

 

そんないーちゃんをどっしりと支えていけるよう、繊細な子の子育てに迷わないよう、学びを深めていきたいです。

 

執筆者:たにぐちいろは

発達科学コミュニケーション

 

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