1.繊細な子の脳の間違えて覚えたストレス解消法とは
わが家の繊細な娘が年中の頃、外ではいい子なのに、家に帰るとスイッチが入ったようにすぐ泣いたり怒ったりする様子に「まるで別人!」そんな風に感じていました。
感情を激しくぶつけてくるのはママにだけ・・一体どうして?とモヤモヤしながらも「外で頑張っているんだから仕方ない」と娘の気持ちを必死で受け止めていました。
日がたつにつれて、すぐ泣く子に寄り添い、なだめ、問いかけ、あらゆることを試しては、最終的には「いい加減にして・・」と呆れる、そんな日々に私は疲弊していきました。
実は、この私の行動が繊細な子の脳に間違ったストレス解消法を知らず知らずのうちに覚えさせていたのです。

2.ママの良かれと思っての対応は逆効果
娘のそのような行動に頭を悩ませ、私は「お家で脳を育てる発達科学コミュニケーション」で繊細な子の心と脳のしくみを学び始めました。
すると「ママに感情をぶつけることで、何かスッキリする」とすぐ泣く子の脳が間違ったストレス解消法を覚えていることで、その行動を繰り返していることに気づきました。
繊細な子は、外の環境で目いっぱい頑張っている分、外から受け取ったたくさんの刺激を昇華できずに、ストレスが溜まり、それをママという安心できる場所で吐き出してしまうのです。
「どうしたの?」
「そんな言い方やめて」
「怒らなくてもわかるよ」
ママが何とかしようと止めたり、なだめたりすることで構ってくれていると勘違いをしてしまっていて・・ママはただ一生懸命関わろうとしているだけですが、「感情をぶつければママが反応してくれる」と脳が学習してしまっているのです。

それが、「何かモヤモヤしたら、ママに感情をぶつければいい」と”脳のクセ”として定着してしまいます。
この負のループを抜け出すには、間違えて覚えた”脳のクセ”を正しく整えていくことが大切です。
3.”脳のクセ”を整えるママの関わり3つのポイント
この章では、私も実践したママの関わり方を具体的にご紹介していきます。
①スキンシップを増やす
大好きなママと肌で触れ合うことで、脳には“安心”を感じさせるホルモンが出て、感情が落ち着く効果があります。
子どもが落ち着いているタイミングで、ハグしたり手をつないだり、背中をさするなどスキンシップを意識してみましょう。
たくさん触れ合うことで、脳の安心の土台が育っていきます。

②感情が高ぶっているときは、勇気をもってスルーする
怒り泣き叫ぶ姿を見ると、何とかしようと、ついなだめたり話を聞いたりしたくなりますよね。
けれど、身に危険がない場合は、視線を外して、落ち着くまでそ~っとしておきましょう。
・トイレに行くのもよし
・洗濯物を畳むのもよし
あくまでも、「ママは気にしていませんよ~」の姿勢でやり過ごすことで、「感情をぶつけてもママは構ってくれない」という新しい”脳の学習”が始まります。
③ 言葉で伝える経験を積む
落ち着いて「ねぇママ」と話しかけてきたときに、初めて声をかけましょう。
「なぁに?」と穏やかな表情と声で答えることがポイントです!
気持ちを教えてくれた場合は、「気持ちを話してくれてありがとう」と言葉で伝えます。
言葉で伝えるとママは聞いてくれるんだと”脳のクセ”を整えていきます。
もしも、なかなか気持ちを言葉にできない時には、
「もっと遊びたかったんだね」
「こっちの方がよかったのかな」
お子さんの気持ちを代弁して言葉にしてあげることで、「そうやって伝えればいいんだ」と言葉で伝えることの経験を少しずつ積ませてあげましょう。
繰り返すうちに、感情をぶつけずに気持ちを伝えられるようになっていきます。

4.ママの一貫した対応がすぐ泣く子の安心を育てる
ママにだけ感情をぶつけてくるのは、繊細な子の脳が間違って学習してしまったストレス解消法です。ママが悪いわけでも、子どもが悪いわけでもありません。
その”脳のクセ”は、ママの関わり方で、整えていけます。
無理に抑えつけるのではなく、「今は落ち着く時間だよ」「言葉で伝えられるよ」と、繰り返し脳に教えてあげましょう。
私もすぐ泣く子の行動にずっと悩んでいましたが、この対応を続けた結果1ヵ月でスッと落ち着き、自分の気持ちを言葉で話してくれるようになりました。
ママが一貫した対応をすることで、感情をぶつける関係から安心できる関係に”脳のクセ”を整えていけますよ。

執筆者:やまさき うみ
発達科学コミュニケーショントレーナー


