１．「楽しいはずなのに…」外出嫌いな繊細な子に感じたママの葛藤とは？
「今日はお出かけしよう！」
そう声をかけた瞬間、表情が曇り、嫌がる年長のエイジ君（仮名）。
外出を極端に嫌がるわが子に、戸惑いや不安を感じたことはありませんか？
温泉が大好きなエイジ君に、「今日は温泉の日帰り旅行に行こう！」とワクワクして伝えたのに、「嫌だ！」「行きたくない！」の一点張り。楽しめるはずの外出が、どんどん減っていったのです。
最初は「わがままなのかな」「どうして嫌がるの？」と困惑しながらも、「楽しいから行こうよ！」と無理に連れていこうとしていました。
しかし、何度も嫌がられるうちに、「どうして？」「なんでこんなに嫌がるの？」と私の方がイライラしてしまい、つい怒ってしまうことも…。
そんな日が続くと、だんだん私も誘う気力もなくなり、「もう出かけるのはやめよう…」と家族の外出そのものを諦めるようになってしまいました。
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２．外出嫌いになる脳のしくみ
大人でも、初めての場所に行くときや、予定がはっきりしないときに、なんとなく「ちょっと不安だな」と感じることってありますよね。
繊細な子の脳は、その「ちょっとした不安」を、何倍にも大きく感じやすい特性があります。
とくに外出は、「何が起きるか分からない」「人が多い」「音やにおいが強い」など、予測できない刺激が多く、次々に想定外のことが起こる。そんな緊張の連続なのです。
その結果、脳が「危険！」と判断し、「行きたくない」「怖い」と感じて、拒否やパニックのような行動につながってしまいます。
繊細な子にとって、外出は「ちょっとした冒険」ではなく、「何が起こるか分からない怖い世界」なのです。
だからこそ、幼児期の脳の不安をやわらげるには、見通しを持たせてあげることがとても大切です。
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３．繊細な子の外出嫌いを変える3つの工夫
①「行きたくない！」と言う前に行き先を写真や動画で見せる（繊細な子の不安を視覚でサポート）
外出前に「見える情報」で見通しをつけることで、子どもは安心感を持てます。
・スマホやPCで目的地の写真を見せる
・YouTubeで施設の紹介動画を一緒に視聴
・Googleマップで道順を確認し、イメージを持たせる
繊細な子には「視覚情報」がとても有効です。事前に知ることで、知らない場所、初めての場所が、知っている場所へと変わり、安心して過ごせるようになるのです。
②タイムスケジュールを共有して不安を軽減
予定を時間軸で伝えることで、「いつ、何をするか」が分かり、混乱を避けられます。
・「9時に出発、10時に着いて、12時にお昼、14時に帰宅」など明確に伝える
・紙やホワイトボードにスケジュールを書いて見せる
「先が見えない」不安をなくし、見通しを立てることで安心する。
それが繊細な子の外出成功のコツです。
③「楽しみ」をセットで提案！外出が嫌いから意欲を引き出す
外出に対する不安だけでなく、「楽しみなこと」が待っていると分かれば、子どもの気持ちは前向きに変わります。
・「あのお店でお気に入りのお菓子が買えるよ」
・「帰りに公園で少し遊ぼうか」
繊細な子は「イヤ」ばかりではなく、「安心」と「楽しみ」があれば一歩踏み出せる力を持っています。
４．お出かけが「楽しみ♪」に変わった！繊細な子が見せたうれしい成長
これらの工夫を少しずつ取り入れたことで、以前は外出を嫌がっていたエイジ君が、今では「今日はどこ行くの？」と笑顔で尋ねてくれるようになりました。
行き先を伝えるだけで不安で固まっていた頃からは想像もつかないほどの変化です。
もちろん、すべてがスムーズにいくわけではありません。
予定していた外出を変更することもあります。
しかし、「ま、いっか〜」と変更を受け入れることもできるようになりました。
「見通しを持たせる」「安心できる材料を用意する」「気持ちの準備ができるよう配慮する」
この3つを心がけるだけで、親子のストレスは大きく軽減し、お出かけを楽しむことができるようになったのです。
外出が「怖いこと」から「楽しみなこと」に変わると、家族の時間は一気に豊かになります。
まずは小さな一歩から。次のお出かけ、ぜひお子さんに合った準備から始めてみてください。
きっと笑顔の時間が少しずつ増えていきますよ。
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執筆者：ますなが ゆみこ
発達科学コミュニケーショントレーナー
