1.アドバイスも褒め言葉も届かない素直じゃない娘
何を言っても聞き入れない「頑固」と感じていたわが家の繊細な娘(通称:ミカ)。
小さい頃から”褒める子育て”を意識して、たくさん褒めてきました。
けれど、年長の頃のミカは
「できたねー」
「うまくいったねー」
「次はこうしてみたら?」
そんなふうに優しく声をかけているのに、
「全然できてないもん」
「うるさい!」
「わかってる!」
と、素直じゃないわが子の様子に私もイライラしてしまっていました。
「どうしたら伝わるんだろう」と頭を抱えることもしばしば・・

2.繊細な子と物事を極端に捉える“白黒思考”の関係
私は、そんな娘とのコミュニケーションに悩み、このままだとお友達関係にも関わってくるだろうと心配でした。
そんなときに、お家で脳を育てる「発達科学コミュニケーション」と出会い、繊細な子の心と脳のしくみを学んできました。
繊細な子は、ママが「上手だね」「○○できてすごいね」と結果を褒めれば褒めるほど、「できることがすごいこと」「できた=完璧にできること」というふうに、物事を0か100という極端に捉える”白黒思考”に陥りやすいと知りました。
だから、たとえ99%できていたとしても、自分の中での「できた」に届いていなければ、”できなかったこと”になってしまうのです。
そうなると、「私はできない」と自信を失い、どれだけママが褒めても、どんなに助け舟を出しても、受け入れる余裕はなく誰の声も届かなくなってしまいます。
- 自分はダメだと責めたり
- 悲しくなって怒ったり
- ふてくされて閉じこもったり
そんなふうに、自分自身も受け入れられなくなり、傷つかないように身を守る行動が素直じゃない発言に繋がっているのです。

3.“白黒思考”を和らげる!褒めない肯定の言葉
では、自分に自信がなくし、ママの声にも安心を感じられなくなった素直じゃない繊細な子が、安心して「私、できてる!」という自信をつけるには、どうすればいいのでしょうか。
そのカギになるのが “親子の愛着”、ママと子どもの「心のつながり」をしっかり築くことです。
“親子の愛着”がしっかり築かれると、ママの話に耳を傾けられるようになり、「ママがそう言うなら、やってみようかな」と、「安心と自信」を感じられるのです。
ここから具体的な方法を2つご紹介しますね。
◆会話のはじめを大切に
①何か会話をはじめるときには、必ず「○○ちゃん」と穏やかな声で名前を呼びます
②「なぁに?」とわが子がこちらを向いてから、本題に入ります
穏やかな声と表情でママが名前を呼ぶ度に、お子さんの心と脳に「安心」が育ちます。
こちらに注目を向けてから「ご飯だよ」などの本題に入ることで、お子さんもママの言葉に耳を傾けられるのです。
これを毎回繰り返すだけで、“ママの安心”がお子さんに伝わっていきます。

◆物事のプロセスを大切に
・ 「ここまでできたね」
・「昨日より進んだね」
・「こんなに丁寧に書けるんだ」
100%できたことではなく、1%でもできていることに注目し、どんどん伝えていきます。そうすることで、今までは「できなかった」と捉えていたことが「ここはやれた」というポジティブな記憶=小さな成功体験として、繊細な子の脳に記憶されます。
それを積み重ねることで、自分を認める気持ちが芽生えて「自信」が育っていきます。
そして、ママ自身も「ちゃんとしなきゃ」と頑張りすぎずに、少し気持ちとの距離を取って物事を見てみることも大切です。
親子で「ま、いっか」と思える余裕が生まれると”白黒思考”が和らぎ、日々の生活がグッとラクになります。
4.わが子の素直さを取り戻した”親子の愛着”
以前の私は、何を言っても跳ね返される、褒め言葉すら届かないことが、つらく感じていました。そして、それ以上に苦しんでいたのは、ミカ自身でもありました。
「素直じゃない」のは性格や反抗ではなく、脳のしくみでそうなってしまっているのだと気づけたときに、私の関わり方はガラリと変わりました。
すると少しずつ、ミカの言葉に変化があり、「そうかな?」「やってみてもいいかも」そんなふうに、ママの意見を受け入れる余裕ができ、素直に「うん」とうなずける日が増えていったのです。
「安心と自信」を授ける”褒めない肯定の言葉”で、自分を認める力が育ち、心が安定していきます。心のコンディションが安定すると、自分に自信が持てるようになり”白黒思考”が和らいで、人の意見も受け入れる余裕が生まれていきます。
わが子が素直さを取り戻し、新しいことにも挑戦できるような強い心と脳が育ちますよ。





