親の言うことを聞かない子どもに声が届く会話のはじめ方

いくら言っても親の言うことを聞かない!と嘆いているママはいませんか?子どもに感情的に応戦しても子どもは余計に親の話を聞けなくなり親の声を拒絶することになります。子どもに声が届きやすくなる会話のはじめ方や会話のポイントについてお伝えします。
 

1.親の言うことを聞いてくれない子ども

 
子育てをしていると、子どもが親や周りの大人の言うことを聞いてくれない!という場面に直面することはないでしょうか?
 
例えば、お出かけすることが決まっていても外出直前に「行きたくない!」と気分が変わり、お出かけすることができなくなったり…。
 
 
または、やって欲しいことを頼んでも子どもはそれを受け入れる体勢ではないため拒んでしてくれなかったり…。
 
その状況に直面するとママが感情的になったり、子どもが感情的になったり、と会話自体が成立せずに険悪なムードだけが漂う結果になるということがありますよね?
 
わが家も息子が言うことを聞いてくれずに困ったことがありました。
 

2.予想外のできごとに聞く耳をもてない息子

 
わが家には繊細なタイプの息子がいますが、以前「絶対行きたくない!」と言ってお出かけを拒むことがありました。
 
旅行の計画があり、おばあちゃん、ひぃおばあちゃんと息子、そして親戚家族と行くことになっていましたが、そこに母は同行しない!ということをおばあちゃんから聞かされ拒否反応が出ていたのです。
 
「お母さんがいないなんて嫌!」
「絶対無理!」
「絶対行きたくない!」
 
 
最近そんなふうに「ママ!ママ!」なんて言ってなかったのに赤ちゃん返り状態になっていました。
 
全力で行きしぶり、断固として「行かない!!」と主張する繊細な息子におばあちゃんは感情的に…
 
「じゃあ一人でお留守番するねんね!!」
 
と言い放ち繊細な息子はもちろんヒートアップ状態で、ますます行きたくなくなって「おかあさ〜ん」と泣きついてきました。
 

3.感情脳が暴走しているときの注意点

 
子どもが感情的になりもう行かない!となってしまった時に、感情的反応に感情で対抗しても絶対にコミュニケーションは上手くいきません。
 
感情脳が暴れている時は、理解する脳も、思考する脳もうまく働かないような状態です。
 
私たち大人も感情的になってるときは、我を忘れてしまうことってありませんか?
 
感情的なコミュニケーションはストレスになるだけでなく、理解脳、思考脳の成長を妨げてしまうことになるので悪影響となり、ひとつも良いことはありません。
 
こんなとき「▲▲だから□□でしょ!」と正論を投げかけたくなりますが、先ずその声って子どもには届かないですよね。
 
 
なので、先ずこちらの話をするのはNGなんです。
 
子どもと話ができる状態にするためには、感情脳を落ち着かせることが大事です。
 
その感情脳を落ち着かせるのにとても効果的なのがスキンシップになります。
 
スキンシップによる皮膚刺激は感情脳と太いネットワークで繋がっているので感情をスッと落ち着かせてくれるのです!
 
また、聴覚が敏感な繊細な子どもにはママの穏やかな声が届くと感情が落ち着く効果があることも分かっています。
 
これらの脳の特徴を利用して私が実際にとった行動を次でお伝えしていきます。
 

4.感情的になっている子どもとの会話の仕方

 
私が何をしたかというとそれはただ「会話」をしただけです。
 
と言っても、ただ「親の言うことを聞いて!」と親の想いを一方的に話すような会話では子どもの感情を落ち着かせることはできません。子どものやる気も引き出すことはできません。
 
親の想いをどのように整理して会話をしていくかがポイントです。それについてお伝えしていきます!
 

♦①親は感情に巻き込まれない

 
ママの感情スイッチは押さず、一旦ママの想いは横に置いておきます。
 
「おいで〜」と子どもを膝に乗せ穏やかな声を作ることでママも子どもも落ち着ける効果があるので聴覚が敏感な繊細な息子には特にマストな対応です。
 
子どもはママと触れることで肌刺激があり落ち着きます。
 
子どもが落ち着けばママも興奮することなく対応ができますよね。
 
 
少し落ち着くまでママは待ちます。
 
「ねぇ聞いて、おかあさん」と聞く耳が開いた状態にしてから会話をスタートしていきます。
 
これは私の教えるペアレントトレーニングで最初に学ぶポジティブアテンションという会話のはじめ方です。
 
この聞く耳が閉じた状態では優しく言っても厳しく言っても何を言っても子どもには届きません。なので会話のはじめ方はとっても大切なんです!
 

♦②行きたくない理由を何とかしようとしない

 
「お母さんがいないなんて嫌!」
「お母さんと寝たい!」
「お母さんといたい!」
「絶対楽しくない!!」
「電車なんて乗りたくない!!」
 
行きたくない理由を永遠と訴える繊細な息子に対して、行きたくない理由を覆そうとするのは得策ではありません。
 
「お母さんいなくても大丈夫だよ〜」
「おばあちゃんもいるんだよ〜」
「きっと楽しいよ〜」
「電車楽しいよ〜」
 
と、必死に伝えても「絶対行きたくない!!」は覆せません。また、反対に共感をするのは逆効果になります。
 
 
「そうだよね〜」
「イヤだよね〜」
「お母さんと寝たいよね〜」
 
とよくある共感をしてしまうと
 
「そうなのー!!」と行きたくない感情が脳内で増していくだけです。
 
行きたくない理由や感情をぶつけてくれている時は
 
「そうなの?」
「それで?」
「そうなんだ〜」
「それで〜?」
 
穏やかにただ受け止めます。
 
あなたの気持ち、「お預かりしますね」のスタンスで肯定も否定も共感もしません。これはペアレントトレーニングの4回目のレクチャーで学ぶホームカウンセリングの法則の1つです。
 

♦③行きたい理由を作る

 
会話の正念場は行きたい理由を作る!です。
 
繊細な息子の心を動かしそうなネタを探して提示します。
 
「でもさぁ 恐竜博士くるらしいよ〜(旅行に参加する親戚の子どもです)」
「でもさぁ ウルトラマン大好きなあの子〇〇くんに来てほしいみたいだよ〜」
「恐竜とかウルトラマンとか遊べるしたくさんお話できるね〜」
 
この「でもさぁ」と共にポジティブな見通しを持てるネタをイメージしやすいように伝えることが繊細な子どもの「絶対行かないから!!」を脳からはがす秘訣です。
 
繊細な息子は「そうなの?」みたいな顔をしてウルトラマンのオモチャをひっぱりだし、いろいろとチェックしはじめました。
 
その後、「お母さん!ぼく行くことにしよー!」と自分で決断することができました。
 
行きたい理由を作ろうとする時も絶対にこちら都合なことは述べず全く説得しようというオーラは出さず、「わぁ、楽しそう」という口調で話します。
 
 
最後の仕上げは「やっぱりやめようかな」の予防です。
 
「やっぱりやめようかな」の正体はズバリ脳が不安を煽ってくるから。
 
「やっぱりやめた方がいいかも?」
「やっぱり怖いんじゃない?」
「やっぱり行きたくない」
 
変化を恐れて安全地帯を求めて挑戦を阻止しようとしてきます。それではいつまでも挑戦できず、行動できず変化・成長はしません。
 
「どのウルトラマンの図鑑 もっていくの〜?」
「それかっこいいから見せたいね〜」
 
ポジティブな見通しの強化で「やっぱりやめようかな」は防止することができます。
 
繊細な息子は翌日、お母さんなしの旅行に無事に行くことができました!ぜひ、皆さんも子どもの感情が爆発したときに気持ちを落ち着かせて会話ができるようチャレンジしてみてくださいね。
 
 
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