お子さんが0か100かの白黒思考で完璧主義なため、挑戦しなかったり、癇癪を起こしたりとお困りのことありませんか?子どもが完璧主義になるには原因があります。息子の完璧主義が改善した経験から白黒思考の治し方についてお伝えします。
1.完璧主義で0か100かの白黒思考の子ども
お子さんが完璧主義で、完璧にできないからと苦手なことに取り組まなかったり、完璧にできないと納得できずに癇癪を起こしたりと、お困りのことありませんか?
完璧主義の子どもの場合、0か100かの白黒思考になっていることがあります。
0か100かの白黒思考とは、学校には行かなくてはならない、宿題は完璧にやらなくてはならない、勝負には勝たなくてはならない、100点でなくてはならない、それ以外は全てダメというような極端な思考のことです。
このような場合、勝ちにこだわりすぎてしまい、負けるとわかっているような勝負には挑戦しなかったり、負けたことが許せなくて癇癪を起こしたり、ひどく落ち込んでしまうことがあります。
そして、勝たなかった勝負に対して周囲の人がその努力を褒めたとしても、子どもは勝たなくては意味がないと頑固に考えてしまうことがあります。
完璧を求めるあまり、自分だけでなく、周囲にも同じように完璧を求めることがあり、柔軟に対応することが苦手な傾向があります。
私自身も子どもの頃はいわゆる完璧主義で、学校のテストで100点じゃなかったらビリビリに破いていた過去があります。
ちゃんとしたいという思いが強かったことで、しんどくなり、中学生の時には不登校でひきこもりになっていました。
その結果、完璧主義は捨てる!と思っていましたが、息子の子育てをする中で、マイペースな息子に、ちゃんとしないと先生に怒られるよと心配して、指摘ばかりしていました。
すると、繊細な息子も完璧主義の白黒思考になり、上手に描けないからと絵を描こうとしなかったり、お片付けの時間にお片付けしないお友達に対して怒りお友達のことを押してしまったり、ゲームで負けたら泣いて怒って暴れるという状態になってしまったのです。
このように完璧主義で白黒思考が強すぎると、子どもも周りもしんどく生きづらさを感じてしまいます。
そして、やってみようという挑戦する気持ちも失われてしまうこともあり、子どもの成長の機会も減ってしまうことになります。
そのため、この記事では完璧主義になる原因は何か、そして完璧でなくても大丈夫と、子どもが柔軟に考えていけるような白黒思考の治し方についてお伝えしていきます。
2.子どもが完璧主義になる原因
◆周囲の大人の影響
子どもが完璧主義だったり、0か100かの白黒思考になる原因として、周囲の大人の関わり方が大きく影響します。
子どもの特性によるものもありますが、子どもは親や先生など周囲の大人から言われたことをそのままに受け止めることがあります。
私たち大人は無意識に小さい頃からの思い込みや周りから植え付けられた固定概念の中で生きています。
その固定概念が極端なまま、子どもに声かけをしていると、知らず知らずのうちに子どもも同じような固定概念を持つことがあります。
たとえば
・学校は毎日行くべき
・宿題はちゃんとするべき
・お友達に優しくするべき
と、お母さんが「◯◯であるべき」と考えている場合です。
これらをお母さんから言われ続けた結果、子どもは
・学校に行かないことはダメなこと
・宿題をちゃんとできない自分はダメだ
・お友達に優しくしないお友達が許せない
など、極端に考えてしまうことがあります。
そして、「こうしないといけないと、ママが言っていたから!」「間違ったら直しなさいと、先生が言ってたから!」など、周囲の大人の「◯◯であるべき」思考が、子どもの完璧主義を作り出していくのです。
◆できた時にだけ褒める
意外にも周囲の大人の褒め方が子どもの完璧主義を作り出す原因になることがあります。
どういうことかというと、何かができた時だけ褒める、100%できたら褒めるという、良い結果だけを褒めることが子どもに、100%できないとダメなんだ!という思い込みを与えてしまうことがあるのです。
・できたことを褒める!
・勝った時に褒める!
・100点を褒める!
・合格した時に褒める!
どこのご家庭でも意外にやりがちな褒め方ですよね。
このような、できた時だけ褒めるというやり方だと、できない=ダメという、完璧主義の白黒思考になってしまうことがあります。
極端に言えば、できていないからダメ、負けたからダメ、100点取れないからダメ、合格できなかったからダメ、という刷り込みを子どもに与えてしまうことになるのです。
頑張った努力や過程を認めてもらえないでいると、無意識のうちに子どもは完璧を目指そうとします。
うまくいっているときは問題にならないこともありますが、うまくいかなかった途端に挫折を味わい、一気に自信ややる気が失われていってしまいます。
子どもが完璧にできなくてもまずはやってみようと思えるように、完璧主義や白黒思考を改善していきたいですね。
3.子どもの白黒思考の治し方
◆色々な考え方があることを伝える
子どもの白黒思考の治し方として、お母さんも子どももいろいろな考え方があると知ることが大切です。
例えばお子さんが「学校って行かなきゃいけないの?」「勉強ってしなきゃいけないの?」と質問してくることありませんか?
そのような質問への返答ですが、お母さんが「学校は行かなきゃいけないよ」「勉強はしなきゃだめだよ」と伝えると、学校は行かなきゃいけないところなんだ、勉強はしなければならないんだと子どもは思い込み、それを叶えられない自分はダメな子だと思うことがあります。
その一方で、「学校に行かなくていいよ」「勉強しなくていいよ」と言えば、子どもは今のままでいいんだ!と思うようになり、勉強しないまま、学校行かないままにとどまってしまうこともあります。
どちらかが正解なわけでもないので、YESかNOか、白か黒かで判断して伝える必要はないのです。
私たち自身が白か黒かの文化で育ち、本当に無意識にですが、白黒思考になっていることがあります。
そのため、子どもの質問に対して「あなたはどう思うの?なんでそう思ったの?」と問いかけてみたり、「夢を叶えるためには〇〇の勉強が必要だね!お母さんはやりたいことを叶えるために今でもお勉強してるよ」などお母さんの考えを伝えていきます。
そのような子どもとの対話の中で答えは一つではなく色々な考え方があることに気づかせてほしいのです。
お子さんが「先生はこう言ってたから!!!」「お友達に〇〇って言われたから!!」と、0か100かの白黒思考になりがちなことを言っていたら、こんなこともこんなこともあるよと多角的な考え方を教えてあげてくださいね。
それを繰り返していくことで、子どもは0か100かの白黒思考以外の考えにも触れることができて、柔軟に考えられるようになり、完璧じゃない自分を認められ、自分にもお友達にも完璧を求めなくなっていきます。
◆今できていることを褒める
子どもの白黒思考の治し方として、褒め方が重要です。
結果だけを褒める褒め方ではなく、日々の生活の中で、子どもの今できていること、ささいなできたこと、頑張っている過程を褒めていきます。
先ほどの学校に行くか行かないかに関しても
・行ったから褒めるのではなく、1時間でも行けたらハナマル
・学校に行けない日があっても、起きてきただけでハナマル
・「学校に行きたくない」と宣言した時は、自分で決めたことがハナマル
このような小さな小さな「できた」ことを肯定するハナマル習慣で、子どもは今のままでいいんだ、完璧でなくていいんだ、ママはいつでもどんな自分も認めてくれると、安心と自信を持つことができます。
100%できていなくていいんです。
お母さんが子どもの1%でもできていることを見つけ肯定することで、子どもはどんどん行動し挑戦できるようになるのです。
それを繰り返すことで、自然と子どもの完璧主義も0か100かの白黒思考も改善していきます。
このような関わりをした結果、完璧主義の白黒思考で挑戦を恐れていた息子も、今では初めてのシュノーケルやトレッキングに挑戦し楽しめるまでに成長しています。
お母さんもお子さんも視野を広げて色々な考えを持ち、お子さんの今できていること、頑張っている過程を肯定して、お子さんに笑顔と自信を授けてあげてくださいね。