自己肯定感の低い子どもが日本に多いのはなぜ?繊細な子に自信を授ける対応

日本人は世界的に自己肯定感が低いことは有名ですが、なぜだか知っていますか?今までの関わりを続けても自己肯定感を高まらないことは明らかです。特に自己肯定感が低くなってしまいやすい繊細な子どもに合ったコミュニケーションで、着実に子どもの自己肯定感は高まっていきます!今回はその方法をお伝えします。
 

1.先進国の中で自己肯定感の低い日本の若者

 
自己肯定感が大事と近年よく耳にしますが、日本の子どもたちは世界的に自己肯定感が低いことが様々な調査で分かっています。皆さんも一度や二度、聞いたことがあると思います。
 
自己肯定感とは「ありのままの自分を肯定する感覚」です。
 
発達科学コミュニケーションでは脳科学的見解から子どもの脳を見ていくのですが、その観点からも子どもの脳の成長に自己肯定感を高めることは必要不可欠です!
 
皆さんのお子さんにこんな様子はありませんか?
 
✔ 新しい環境、状況が不安、苦手
✔ やる気スイッチがなかなか入らない
✔「ぼくできない」と行動しようとしない
✔「ぼくなんて…」と自信がなさそう
 
 
脳は「行動する」ことにより成長します。自己肯定感は行動するための原動力になります。
 
また、国立青少年教育振興機構による日本・米国・中国・韓国の高校生を対象にした調査がありました。日本の子どもたちは
 
「私は人並み以上の能力がある」
「自分は、体力には自信がある」
「自分は、勉強が得意な方だ」
「自分の希望はいつか叶うと思う」
 
というポジティブな質問に対して「とてもそう思う」「まあ そう思う」と回答したのは4カ国中で最低でした。
 
「自分はダメな人間だと思うことがある」などネガティブな質問に対して「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答したのは米国・中国・韓国を大きく上回って日本の学生でした。
 
なぜ、日本の子どもたちは自己肯定感がこんなにも低いのでしょうか?
 
 

2.日本の子どもの自己肯定感が低くなってしまう理由

 

♦①しつけという文化による影響

 
日本は昔から子どもには「しつけ」をするという文化があります。
 
「できていないところ」をどうにかしようとする「しつけ」では自己肯定感を高めるような子育てはできません…。
 
しつけを意識するあまり、強く言えば子どもは動く!と大人は勘違いしていますが全くその効果はありません。
 
大人は何度言っても聞かなければもっと強く言おうとしてしまいますが、子どもにとってはダメだと否定されているのと同じように感じます。
 
 
どんどん親が強い口調でさせようとすればするほど、子どももパワーで反撃しようとします。そのようなやり取りの中で自己肯定感が育つはずがありません。
 
また、説明したら理解できるはず!と思って、こんこんと説明をしていても子どもには伝わりません。
 
子どもに説明している言葉が届くようになるには、成長段階やその場の環境などが影響してくるので子どものことを理解せずに、説明ばかりをしていても何の意味もないのです。
 
むしろ子どもにとっては、気づいたらカンカンに怒っているお母さんが立っていて、よく分からない状態で怒られている、という状況です。子どもにとっては理解不能な状態のため、自己肯定感が下がるだけになります。
 

♦②忙しすぎる子どもたち

 
皆さんは毎日忙しく生活していませんか?
 
✔ 習い事をたくさんしてて忙しい
✔ 土日も予定つめつめで休む間がない
✔ 園や学校でもがんばってるのに家でもがんばらなきゃいけない
✔ 就寝時間が遅くなっている…。
 
忙しく頑張り過ぎた生活を送っていると脳がエネルギー不足になってしまい必要なエネルギーが回らなくなります。
 
その結果
 
 
✔ 感情のコントロールが難しくなり怒りっぽくなったり落ち込んだり
✔ いつも以上に切り替えができないだらだらしてしまう
✔ 眠たくなったりだるくなったり
✔ 記憶力、思考力が低下する
 
エネルギー不足は生活にも支障が出てきます。朝はスムーズに登園・登校ができない、日中はぼーっとして集中ができない、活動と活動の間の切り替えができない、お友だちとトラブルになりやすい、などの影響があるんです…。
 
余裕のない生活は、親も子も心に悪い影響を与えてしまいます。
 
特にお母さんの心の余裕のなさは子どもに伝染してしまうので、お母さんの言葉が余裕のなさから悲観的な言葉を発してしまうと子どもの自己肯定感は下がっていく一方です。
 
 

3.自己否定の強い息子の心を育てたい!

 
日本は総じて「できてないところ」をしつける考えが今でも残っているため、子どもたちも大人も自己肯定感が育ちにくいということが分かりましたね。
 
わが家の息子も本当に自己肯定感が低く、本当にこの子は大丈夫だろうか…と心配したことがありました。
 
行動の切り替えが苦手なわが子は何度も同じ失敗をしてしまうので注意されたり怒られることが多く自己肯定感が育ちにくいと感じていました。
 
繊細で感受性が豊かなため、周りの反応や評価に敏感なのですぐ「ぼくだめなんだ…」とすぐ自己否定モードに突入…。
 
当時小学1年生だった息子は、とっても繊細なタイプで気持ちと感情の地雷がたくさんありました。
 
「ぼくは何もできない…」
「ぼくきらわれてるから…」
 
と否定すると、その次には
 
 
「がっこういきたくない」
「〇〇できない」
 
と無気力状態になっていきます。
 
私は息子の自己肯定感を高めると共に心をずっと強くしてあげたい!と思っていました。
 
心を強くしてくれる自己肯定感は私たちが子どもに授けられる一生ものの財産であり、これからの人生の学力や将来の収入までを決めるとまで研究結果が出ています。
 
自己肯定感は勉強から高めることはできません!人との関わりで育つものです!
 
子どもにとっても人との関わりにおいて一番影響力があるのはお母さんです!
 
なので、ママの関わりが変われば子どもはぐんぐん育つ!というワケです。
 
私は発達科学コミュニケーションと出会い息子への関わりを徹底的に変えていくことで脳が育ち、心が育ち息子は様変わりしていきました。
 
今では「ぼくのゆめは2つあるよ!」と自分の未来への希望をもって、夢を語ってくれるようにまで成長しています。
 
そんな息子に効果のあった肯定の関わり方について、次でお伝えしていきますね。
 

4.子どもの自己肯定感を高める関わり方

 
わが子の自己肯定感を高めてあげたい!と思ったら、今日から子どもとの関わりを肯定的な関わりに変えてみませんか?
 
ホンモノの自己肯定感を育ててあげたいと思うのであれば脳科学的には、
 
「できてないところ」1割
「できているところ」9割
 
くらいの割合で褒めることをおすすめします!
 
「できていないところ」は見ず、「できているところ」に注目して褒めるのです。そして、目の前にいる子どものありのままを「いいねいいね!」と肯定します。
 
一見、できていないところにばかりに目が行きがちですが、どんなお子さんでもできていることがあります。
 
ママの見るポイントを変えて「〇〇したの?いいね!」の一言が子どもの心と脳に届くよう伝えてあげてください。
 
 
「かばん片付けたんだね、いいね!」
「眠たいけど起きれたね、いいね!」
「宿題はじめるの?いいね!」
 
まるで実況中継のように褒める!これも肯定的な関わりのポイントとなります。
 
そして、最後に…。自己肯定感を育てるのにとっておきのおすすめの肯定の関わりを2つご紹介します!
 
1つ目は「だいすきだよ」を伝える!
 
照れくさければ、スキンシップでも、そっと肩に触れるでも、メッセージを残すでも、好きなおかずを用意するでも、OKです。
 
「ママはあなたが大好き」ってあえてなにかしらの形にして伝えてあげてください。子どもの心の1番の土台になります。
 
2つ目は名前を呼んであげること!
 
え?それでけ?と思われるかもしれませんが
 
「〇〇ちゃん、おはよう」
「〇〇くん、ご飯食べたんだね」
「〇〇、おかえり」
 
「ママは見てるよ」って子どもに伝わり安心感になります。些細なことですが効果がありますので、ぜひ試してみてくださいね。
 
 
執筆者:むらかみりりか
繊細っ子の脳を育てるココロ科学ラボ代表
発達科学コミュニケーションマスタートレーナー
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