繊細タイプの子どもと過ごす夏休みは、やりたいことをとことんやることで2学期の登校しぶりを回避することができます。3つのポイントを踏まえた夏休みを親子で過ごすことができたら、お子さんには自信がつき、2学期を恐れることはなくなりますよ。
1.夏休みは親から子に生きるチカラを授ける最高の時期
皆さんは長期の休み(夏休みなど)の時、どのように過ごすか決めていますか?
私は長期休みの度に繊細タイプの息子と旅へ出ると決めています。それには理由があります!
長期休みは繊細タイプの子どもの心と脳をグーン!と成長させる大きな大きなチャンス到来!の時期だからです。
この成長の機会を逃すと新学期は、また登校しぶりがはじまり、なかなか園や学校生活のスピードについていけない…という日々になってしまいます。
2学期は1年間のうちで長い時間を園や学校で過ごさないといけません。体力と気力がとっても必要になってきます。
また、行事の多い2学期ということもあって、担任の先生はシッカリと目標を立てて子ども達を成長させようと一生懸命になります。
躍起になりやすい…。
疲れもでやすい…。
繊細タイプの子どもがどんな反応をするかなんて想像がつきますよね…。
そんな学校生活に備えて、長期の休みはそれだけの試練に耐えられるだけの自信を備えることが大切で、またそれを叶えることができるのがこの長期の休みの時期でもあります。
また、それだけではなく、夏休み中のチャレンジが子どもの生きるチカラにつながることにもなります。何よりも生きていくために必要なチカラを身につけることができる夏休みこそ!新しいことにチャレンジする最高の時期なのです。
2.脳科学的見解から 夏休みに子どもが成長できる理由とは?
では、なぜ長期休みが繊細タイプの子どもにとって心と脳が成長する絶好のチャンスになるのでしょうか?
脳が一番成長できる状態というのはストレス(刺激)とリラックスのバランスが取れている状態のときです。
普段、繊細タイプの子どもたちは、園や学校で外の刺激をひといちばい受け取って家へ帰ってきます。それは、ストレス(刺激)レベルが非常に高まった状態で毎日を過ごしているということになります。
つまり脳がとっても疲れている!!ということになります。
結果、感情の不安定さ、緊張、疲れ、ストレス症状、無気力感、自己否定、行きしぶりなどが現れるのですが、「もうがんばれないよ…」と心と脳のSOSサインを教えてくれるということにもなります。
しかし、ストレス(刺激)がグン!と減る長期休み(夏休みなど)は、気持ちも開放的になり、心と脳を成長させる大チャンス!!の時期と言えるのです。
もしも今、不登校真っただ中の状態であれば、外からの刺激が少ないので、長期休みと同じ状態と言えます。なので、不登校中の期間も心と脳を発達させる絶好のチャンスと言えます!
そう捉えると不登校も決して悪いものではないんです。
では、長期の休みに子どもの発達を促すためにどのように過ごしたら良いのか、ポイントを説明していきます。
3.夏休みを楽しむための3つのポイント
長期休みはどうやって過ごすのがいいのでしょうか?夏休み明けの登校しぶりを回避するには?2学期のやり抜くチカラを備えるためには?どうやって過ごすのがいいのでしょうか?
夏休みを楽しく親子で過ごすためのポイントとして3つお伝えします。
①肯定的な親子の関わり
巷では褒める子育てをしよう!と言われていますが、肯定的な親子の関わりを実践したくても上手くいかない…と感じることはありませんか?
そんな時は、思い切って褒めることをやめてみてください。
実は、繊細タイプの子どもには「褒め」は合いません。特にメンタル面や感情面が不安定な時はおすすめしません。
そもそも褒め=他人の評価になります。
他人の感情や評価にとても敏感な繊細タイプの子どもは、褒められれば褒められるほど白黒思考、完璧主義、無気力になります。
「100点なんてすごい!!」
「〇〇できてエライ!!」
「合格できたのすごい!!」
良かれと思ってかけている言葉が繊細タイプの子どもたちには逆効果になってしうことがあります。
そんな時は言葉を変換させていくと良いですよ!
どんな小さなことでもいいのでできていることを見つけたら、褒めを「ありがとう」に変換して伝えてあげます。
「お盆さげたの?えらい!!」→「お盆さげてくれてありがとう」
「ご飯全部食べたのすごいね!」→「ご飯全部食べてくれてありがとう」
「テスト合格したの?!すごいすごい!!」→「テスト合格?!感動をくれてありがとう」
「お手伝いしたのえらいね!!」→「お母さんのこと助けてくれてありがとう」
こんな風にたくさんのありがとうを伝えると、0か100の考えではなく素直に褒められた言葉を受け取れるようになります。
②やりたいことをやらせてあげる
例えば、子どもが大切にしている宝物の缶カンを旅行へ絶対持っていきたい!と言ったらどうしますか?
わが家では祖母や曾祖母から「重いからやめなさい!!」と息子は叱られます。
しかし、なんでダメなのでしょうか?やりたいようにさせてあげたらいいのに…と思うのです。
制限ばかりしているから子どもの脳は聞く耳を閉じて大人の言うことを聞かなくなります。当然ですよね。これは脳科学的にも証明されています。
そこで、何でも「いいよ」に変換してやりたいことをさせてあげましょう!
「缶カンを自分で持つならいいよー」
のように
「〇〇ならいいよ」と伝えてあげます。
制限する親子の関わりではなく、信じて許可する親子の関わりで子どもはとっても素直になります。
なぜならば、脳が聞く耳を開いてくれるようになるからです。ぜひ信じてやらせてあげてくださいね。
③感動するほどの体験
現代の子どもたちはテレビや動画などを介した「間接体験」模擬的に学ぶ「擬似体験」がほとんどになってしまいリアルに、ホンモノに触れる「直接体験」が減っています。
✔︎ 大自然に触れる
✔︎ 音楽鑑賞をする
✔︎ 博物館・科学館など
✔︎ 劇・舞台などの鑑賞
リアルに、ホンモノに触れる感動体験はとても記憶に残りやすく感覚的、感受性が強い繊細な子どもの本来の力を伸ばしてくれます。
私が以前勤めていたインターナショナルスクールは脳科学者の茂木健一郎さんが監修していた学校でしたが、感動体験を引き起こすためにバイオリンを選択レッスンに取り入れていました。
バイオリンが脳の成長・発達をグン!と伸ばしてくれるということはよく知られています。
そのことから、わが子をホンモノのバイオリンのコンサートに連れて行ったり、旅で北海道の大自然の中での英語キャンプに参加したりとホンモノに触れる機会を多く作っています。
この3つのポイントを意識して過ごすことで、脳が成長し、今では休み明けに学校へ行きたくない…と息子が言うことはほとんどありません。
ただ何となく夏休みを過ごすのではなく、どれだけ普段の生活と違う要素を盛り込み、非日常的な体験を子どもにさせることができるのか?この3つのポイントを押さえながら長期の休みを過ごしてみてくださいね。
休み明けの登校しぶりなど、怖くなくなりますよ!