テレビやYouTubeに夢中で、全然話を聞いてくれない繊細な子ども。反応がないから何度も声をかけ、しまいには感情的に叱ってしまう悪循環。今回は、この悪循環を解消する親子でストレスフリーな声かけ方法をお伝えします。
1.YouTubeに夢中で届かないママの声かけ
わが家には現在小学2年生の繊細な長女と、年長さんの隠れ繊細な次女がいます。
家に帰るなりYouTubeに夢中で
「ご飯できたよ!」
「おーいご飯だよー」
「ご飯ってばー」
「ご飯って言ってるじゃん!」
何度言っても声が届かず、私も徐々にヒートアップ。
「もうテレビ消して!」とつい声が大きくなることもあり、とてもストレスでした。
じつは繊細な子どもがYouTubeに夢中になるのは、脳の仕組みに秘密があります。
一体、脳では何が起きてるのでしょうか?
次の章で見てみましょう。
2.ママの声が届かない子どもの脳で起きていること
脳が未熟な繊細な子は、じつは一度の声かけでは、言葉の理解すらできないことがあります。
聞く→処理する→理解する→考える→行動するという脳のルートを一つ一つゆっくりと通過するため、時間がかかるのです。
さらに繊細な子は、感覚が敏感がゆえに集団生活でストレスを感じやすく、家に帰る頃には脳が充電切れの状態で、すぐに反応したり、苦手な行動を起こしづらくなることがあります。
YouTubeに夢中になるのは、好きなことに集中することで、疲れた脳を充電しようとしているのです。
過集中状態の子どもの脳にはなかなか言葉が届きません。
「ご飯できたよ!」
なんとなく耳に入る
「おーいご飯だよー」
なんか言ってるなー
「ご飯ってばー」
なんて言ってるんだろう?
「ご飯って言ってるじゃん!」
あ、ご飯って言ってる。
え、何でママ怒ってるの!?
理解した時にはすでにママが怒っていたり不機嫌な声になっているということもあるのです。
繊細な子は、否定されると必要以上にネガティブに捉え、記憶としてインプットする脳のタイプのため、できれば穏やかな声かけを心がけたいですよね。
どうすれば声が届きやすくなるのでしょうか。
3.繊細な子の心と脳に届く声かけのコツ
なかなか一度で聞いてくれない。
YouTubeに夢中すぎる子どもを何とかしたい!
そんな時に試していただきたい方法がコチラ!
名付けて「ブロークンレコード作戦」
壊れたレコードのように、同じ言葉を、同じトーンで繰り返すという、とてもシンプルなこの方法が子どもの脳にはとても効果的です!
同じことを伝えたくても、言葉が変わると脳は新しい情報として認識し、ますます言葉が届かなくなります。
まさに壊れたレコードのように、決してエスカレートすることなく、繰り返すのがポイントです!
たとえば
「〇〇ちゃんご飯だよー」 と声をかけ、もし反応がなければ、
少し間を置いて
「〇〇ちゃんご飯だよー」と再度声をかけます。
反応がなくてもまだまだ大丈夫!
なぜなら理解するステップの途中だから。
5回を目安に、反応があるまで同じ言葉を、同じトーンで繰り返します。
それでも反応がなければ過集中状態のため、肩をトントンして皮膚に刺激を与えたり、子どもの前に顔を出して視覚に刺激を与えてあげるのもおすすめです。
以前は反応がないことにイライラし、エスカレートしてしまうことが多かった私ですが、この仕組みを理解してからは「まだ脳に届いてないんだなー」と、心に余裕をもって声かけできるようになりました。
繊細な子はママの声にもとても敏感。穏やかな声色は安心感にもつながります。
わが家の姉妹も、機嫌よくすぐに反応できるようになり、行動自体もスムーズになりました。
いかがでしょうか?
反応がなくて困ったときには、ぜひこの「ブロークンレコード」試してみてくださいね!
執筆者:ふじい あきな
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)