1.幼稚園から行き渋り、不登園、不登校を繰り返す三姉妹
我が家には、HSCと言われる繊細な三姉妹がいます。性格は三人三様で全く違います。共通するのは、三人とも園や学校を楽しんだ時期もあるけれど、それぞれのタイミングで行き渋りや不登園、不登校を繰り返してきたことです。
みんな園や学校で嫌なことがあると詳細に状況を教えてくれ、数ヶ月、数年と経過しても「あのときのあれ、ほんと嫌だった」と詳細に状況を語り、ネガティブな記憶が鮮明に残っています。
行きたくない理由は色々あっても、最後に言うのは三姉妹揃って「ママがいい、家がいい」でした。
2.学びのきっかけとなったひきこもりと三姉妹同時の不登校、不登園
長女いーちゃん(通称)と次女ろーちゃん(通称)が共に完全不登校の状態で進級した際、運動会には参加したいという想いで2人揃って五月雨登校で復帰しますが、運動会から数日後、いーちゃんは出先での嘔吐をきっかけに、庭にすら出られなくなりひきこもりに。
食欲もなくどんどん痩せ、好きなこともできないほど元気をなくしていました。
そして、行き渋りながらもどうにか登園していた三女はーちゃん(通称)も、どんどん元気をなくしていき不登園に。
とうとうほぼ毎日終始三姉妹が家にいる日々へ。「何かを変えないと。すべては私が悪いのかもしれない。」と思いました。
自分が変わらなければと様々な勉強をし、
「生きているだけで有難い」
「ありのままを大事にしよう」
と思うようになったものの、
「どんどん殻を厚くしてしまっていないか」
「とはいえ外の世界ともっと楽に繋がれれば」
という気持ちが消えないでいたところで、お家で脳を育てる発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)を教えているむらかみりりかさんを発見します。
3.繊細な子についての新しい考え方との出会い
りりかさんのメルマガで、
「繊細な子にネガティブ感情への共感は逆効果」
「寄り添うだけで困りごとの根本は解決しない」
「愛情の深さと愛着関係は比例しない」
「繊細さはギフト、繊細さを強みに」
という言葉を見て衝撃でした。
これまで、行き渋りや困りごとがあるたびに
「繊細だから辛い気持ちに共感しないと」
「無理強いせず寄り添わないと!」
「愛情不足も原因なんだ!」
「繊細さとうまく付き合っていかないと!」
と、それしかないんだと信じて必死に共感して寄り添ってきたからです。
「繊細さを強みにできるなら教えてほしい!」
そんな気持ちで学び始めることを決意します。
学びを始める前の現在地の確認などで、我が家にとって大事なポイントとなる次のことを教わりました。
◆ネガティブな感情への共感は逆効果
ママが「それは辛いねぇ」「それは嫌だねぇ」と共感してしまうと、「ママも同じ気持ちなんだ!やっぱりこれは辛いこと、嫌なことなんだ」と、ネガティブな感情をより強く脳に記憶してしまいます。
ネガティブな感情は共感せず「そうなんだね〜」で気持ちをひとまず預かり、ネガティブな記憶はポジティブな捉え方で記憶を上書きしてあげるのがおすすめ。
◆安心の範囲が狭くなり悪循環を産む
繊細な子はインプットする力が強く、ネガティブな状況を大きく受け取り、感情とセットで脳に記憶する傾向があるため、安心の範囲が狭くなりやすいです。安心の範囲が狭いことで自信を失い、行動の範囲が狭くなるという悪循環にも。
三姉妹揃って「ママがいい、家がいい」で安心の範囲が狭い理由はこれだったのか!と、目から鱗でした。
発コミュでは、脳のコンディションを順番に成長させ、成長することで行動できるようになり、行動することでさらに脳が成長するいう風に好循環に成長を重ね、環境に適応する力を授けることができると教わりました。
発コミュで最初に学んだのは肯定の力。否定の注目よりも肯定の注目を多くすることで、自信が育ち、子どもの好ましい行動が増えるとのこと。
繊細な子は肯定を目減りして受け取り、否定は割増で受けとってしまうので、「肯定:否定=9:1」と教わりました。
否定の対象とするのは危険な行動のみ。ため息や負のオーラ、できていないことへの注目や指示も否定に含まれるので要注意です。
4.肯定の関わりと否定の封印に徹した1ヶ月
危険な行動はしない子ども達なので「肯定:否定=10:0」でいこうと決めました。長時間になりがちで気になっていたメディアタイムも「目も頭も悪くなるよ〜、もうやめたら?」というよく言ってしまっていた否定的な注目や声かけはせず、スルーするようにしました。
こどもたち全員に力を入れて実施した肯定は次の4つです。
①なんでもないことを実況中継
寝て起きただけでも、生きていることの全てを肯定ポイントとみなし、「起きたね」「手を洗ってるね」「くつろいでるね」と実況中継しました。
②ママの気持ちを伝える肯定
「ご飯食べてくれて嬉しい」「助かる〜」「ありがとうって言ってくれてありがとう」と、自分の気持ちを伝えました。
また、子どもが最も喜ぶ「ママのところに生まれてくれてありがとう」を伝える回数を増やしました。
③あいさつの肯定
寝る前の「大好き」や起きてきて笑顔の「おはよう」をかかさないようにし、目が合ったらニコッと微笑みかけたりハグしたりしました。
④切り替えたときに肯定
自分で決めた時間にメディアをやめられたら「おっ、自分でやめたね」「さぁご飯にしよう〜」と声をかけ、喧嘩の後やすねた後に気持ちを切り替えて帰ってきたら「気持ちの切り替えができたね!元の◯◯ちゃんに戻って嬉しい」と言葉とセットでハグして肯定しました。
5.どんどん変化した子どもたち
徹底的な肯定の関わりと否定の封印で、子どもたちみんなにみるみる自信がついていきました。始める前と約1ヶ月後の変化の詳細は次のとおりです。
長女いーちゃん(小6)
before
・授業に参加したいのに参加できない
・外食ができない
・遠出(片道5分以上)ができない
・「私かわいくないしね」と自信がない発言をする
after
・好きな授業にほぼ毎回参加するようになった
・校外学習やマラソン大会に参加した
・外食ができるようになった
・片道20分のお出かけができるようになった
・習い事を再開した
・表情が明るくなった
・自分磨きの筋トレや肌ケアを継続している
・「前より明るくなってかわいくなったよね」と自分を高評価するようになった
次女ろーちゃん(小3)
before
・学校や支援センターに行かなくなってきた
・「自分は学校で嫌われている」と自信のない発言をする
・外出もトイレも「ママと!」で母に執着していた
after
・校外学習やマラソン大会に参加した
・「これ大好きで得意なんだよ」と外でアピールするようになった
・安心で楽しい場所を見つけて活動する拠点が増えた
・母なしで父と泊まりがけの旅行に行けた
三女はーちゃん(年長)
before
・園や外出や外食を嫌がる
・思い通りにならないと癇癪を起こす
・遊びに誘ってもメディアタイムばかり
・「上手じゃないし」と自信がない発言をする
・家でも元気がなく表情が暗い
after
・外出や外食を楽しめるようになった
・癇癪を起こさなくなった
・好きなことに没頭する時間が増え得意が伸びた
・表情が明るくなった
その後も肯定の関わりを続け、子どもたちはさらに自信を持つことができるようになりました。「ママ私のこと好きなん?」と疑っていた子が、3ヶ月後には「ママは私達のこと大好きだもんね」と言うように。
自信がついたことで行動の範囲が広がりできる事も増えていきました。発コミュを学んだことでどんどん変化しています。
6.発達科学コミュニケーションに出会ってからの母の変化
もともと集団生活に参加することが全てじゃないとは思っていましたが、発コミュに出会って心と脳が伸びるのを大事にすることが子どもの成長につながると後押しをもらえたことで、子育てに自信ができ、学校や園へ行く行かないに一喜一憂しなくなりました。
また、子育ての軸ができたことで、検索魔から抜け出し子育てを楽しめるように。
肯定の徹底によって驚くほど変化した子どもたち。ストレスコントロールや適応力など、まだまだ伸びしろがあるので、これからも発コミュを学び、親子で楽しく変化していきたいです。
執筆者:たにぐちいろは
発達科学コミュニケーション