「担任と合わない」を予防する!繊細な不登校小学生が安心できる先生とママとの関わり方

監修: むらかみりりか
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー

新学期になり、頑張ろうと動き出す繊細な不登校の子。「あの先生ムリ・・」と感じてしまうと、学校がぐっと遠くに感じてしまうことがあります。そんな時、お母さんが繊細な子の「取扱説明書(通称:トリセツ)」を担任と共有できると、登校のハードルを下げ、繊細なお子さんに安心材料を増やすことができます。担任との関係が心強い味方になる方法をお伝えします。

1.「担任と合わない」と感じた繊細な不登校の子

 

新しい学年、新しい担任。

 

「今年こそは頑張りたいな・・」

 

そんな気持ちを胸に抱き、希望の火を灯す繊細な不登校のお子さんがいます。

 

けれど、ほんの少しのすれ違いで、「担任と合わない」と感じてしまうと、その火はすぐに消えそうになります。

 

わが家のとても頑張り屋で繊細な息子(通称:優士)も、そんな一人でした。

  

優士は新しい担任と約束をして放課後登校にチャレンジしました。新しい担任は、昨年、別のクラスを担任していたため、顔見知りでしたが、初対面のように自己紹介が始まりました。

 

担任から、次々質問を受け、お手紙や教科書を受け取り、さらに宿題の指示が出ました。優士は終始笑顔で対応していましたが、帰り道「先生の話し長かったね」とポツリ話しました。帰宅後はぐったり横になり、そのまま眠ってしまいました。

 

翌朝、優士は、「今日学校いいや」と学校を休み、担任からの電話にも出ようとせず、「あの先生ムリ・・」と話すようになっていました。

 

 

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2.繊細な不登校の子に逆効果な声掛け

 

担任は、電話に出られなかった優士に対し、「もう6年生なんだから、電話位は自分で出させてください」と言いました。

 

実は、優士は前日の放課後登校で担任に会ったときや春休み中に家族や友人から何度も「もう6年生なんだから」と言われていました。

 

 「もう6年生なんだから学校行かないとやばいよ」

 「6年生なんだから我慢しなよ」

 「6年生って楽しいから学校行きなよ」

 

相手は、どれも優士を励まそうと伝えていますが、繊細な優士にはプレッシャーになっていました。

 

繊細なお子さんは、人の感情を受け取り過ぎるため、このような言葉を聞くと、「みんなの期待に応えなくちゃ」と、無意識に自分を追い込んでしまうのです。 

 

 

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3.頑張る繊細な子の行動を止める脳のしくみ

 

繊細な子の脳は、相手の気持ちを受け取る力が強いため、人の期待に敏感に反応する傾向があります。

 

そのため、「もう6年生なんだから」と言われると、

 

「ちゃんとしなくちゃダメなんだ」

「みんなと同じように頑張らなくちゃいけないんだ」

 

と焦りになり、自分の出来ていない部分ばかり気にしてしまいます。

 

本来なら「頑張ろう・やってみよう」と思う場面でも、脳の中でストレスを感じてしまい、心にブレーキがかかり行動を止めてしまうのです。

 

その結果、「担任と合わない」という不安が膨らみ、登校に対する漠然とした不安も膨らませ、登校する気力が減り、動けなくなる悪循環が起きてしまうのです。

 

 

4.繊細な子の「担任と合わない」感覚を和らげる担任との関係づくり

 

優士は、放っておくと心のブレーキをかけ、止まってしまう感じがしました。

そのため、私が、クッション役になって、担任に優士のトリセツを伝えることにしました。

 

①担任に感謝の気持ちを伝える

 

まずは担任に感謝の気持ちを伝えました。

 

 電話をかけて気にかけてくださっていたこと

 放課後の時間を作ってくださったこと

 優士の様子を知ろうとしてくれたこと

 

担任の心遣いに対して感謝を伝えることで、先生との信頼関係を築く第一歩にしました。

 

②心と脳の現在地を伝える

次に、優士の心と脳の現在地を伝えました。

 

 6年生というキーワードに敏感になっていること

 先生の期待に応えたい気持ちはあるが、今は負担になっていること

 放課後登校の後、家でぐったりしていたこと

 今は電話に出る余裕がないこと

 

優士のありのままの姿を伝えると、「そうでしたか」と、少し表情を変えて聞き入れてくれました。

 

③出来ていることを伝える

 

優士が前向きに頑張っていることを担任と共有しました。

 

 先生と約束通りに学校へ行ったこと

 初めての先生に自分から挨拶できたこと

 宿題に向かおうとしていたこと

 次の登校のことも気にしていたこと

 

優士のこうした小さな成功体験を担任に伝えると、「そんなに頑張っていたのですね」と優士の努力を理解し、さらに努力していることを探し、考えてくれる様になりました。

 

 

5.担任に安心し、前を向いた繊細な不登校の子

 

担任に優士のトリセツを渡したことで、担任から息子に理解を示し、掛ける言葉が変わりました。すると優士も、「あの先生ムリ・・」という感覚は薄れ、「今日は行ってみようかな」と登校を前向きに考えるようになりました。

 

新学期のスタートは、子どもにとっても親にとっても、ちょっとドキドキしますよね。特に、繊細なお子さんが不登校の場合、お母さんは、先の見えない不安をたくさんかかえているのではないでしょうか。

 

新学期になり、担任が変わると「前の担任の方が良かった」と思ってしまうこともあります。しかし、先生方は毎年、子どもたちの引き継ぎをしながら、関わり方を考えてくれています。だからこそ、担任と連携し、繊細な子の「トリセツ」を手渡すことが大切です。

 

新学期、繊細な不登校の子ども達は「頑張ろう」としています。担任とチームとなり、子どもが安心できる環境を一緒に作っていきましょう。

 

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執筆者:増山陽香

(発達科学コミュニケーショントレーナー)

監修: むらかみりりか
(『HSC繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング』著者)

準拠理論:
本記事は発達科学コミュニケーションに基づき執筆されています


この記事を書いた人
増山陽香

増山陽香(まっすー先生)
発達科学コミュニケーショントレーナー・看護師
不登校・高学年の繊細な子の自信と行動力を育てる専門家

埼玉県在住。
看護師・看護教員として20年以上、人の心と身体に向き合ってきました。

現在は、不登校や「行きたいのに動けない」ことで悩む、高学年の繊細な子とお母さんを支援しています。

わが子の心と脳の現在地を捉え、毎日の声かけや関わり方を通して、子どもが自分で考え、選び、動く力を育てる方法を、発信・個別相談・講座でお伝えしています。

発達科学コミュニケーションを学び始めた時期
2023年12月

当時の息子・優士の学年
小学5年生

この記事に登場する優士は、私の息子です。書籍『HSC・繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング』にも登場しています。

看護師・看護教員として経験を重ねてきた私ですが、優士の突然の不登校を前にしたとき、母としての自信を失いました。

小学5年生だった優士は、学校に「行きたい」と言うのに行けない。

感覚過敏、癇癪、偏食、腹痛、自己否定が続き、親子の会話は、いつも「学校に行くか、行かないか」が中心になっていました。

そんなときに出会ったのが、脳科学博士・吉野加容子が開発した、お家で脳を育てる「発達科学コミュニケーション」です。

脳の発達の仕組みを学び、親子の安心と信頼を土台に、優士の心と脳の状態に合った関わり方を実践していきました。

わが家では、関わり方を変えていく中で、優士の癇癪が1か月で落ち着きました。感覚の過敏さや偏食にも変化が見られ、少しずつ、自分で考え、選び、動く姿が増えていきました。

不登校が続く毎日の中で、お母さんが焦らずにいるのは、簡単なことではありません。

「このまま外に出られなかったらどうしよう」
「私の関わり方が悪かったのかな」
「見守っているだけで、本当にいいのかな」

私自身も、そんな不安を抱えていました。

その不安を、無理に消そうとしなくても大丈夫です!わが子の今の状態を知り、今日できる関わり方が見えてくることが、お母さん自身の安心や自信にもつながります。

私が大切にしているのは、家庭での毎日の関わりを通して、子どもが安心を積み重ね、自分の気持ちや「やってみたい」をもとに、一歩を選べるようになることです。

そして、お母さんも、わが子の育つ力と自分の関わる力を信じ、自分の人生を楽しめるようになることを目指しています。

この記事が、わが子を理解し、今の親子に合った関わり方を見つけるきっかけになれば嬉しいです。

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