先生の指示は必ず守る繊細な小学生が帰宅後すぐに宿題しない原因と対応策

先生の指示は必ず守る繊細な子が帰宅後すぐに宿題しない原因と対応策

監修: むらかみりりか
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー

小学生になったら身につけたいのが宿題の習慣化。普段は帰宅後すぐに宿題をするのに今日はしないな、と心配になることはありませんか?そんなときに「早く宿題しなさい!」と言うのは逆効果。なかなか宿題をしない日の繊細な子の脳の状態と対応策についてお伝えします!

1.小学生になり毎日自主的に宿題をしていたがんばり屋で繊細な娘

 

私には繊細な小2の娘、ぷにちゃん(通称)がいます。

 

ぷにちゃんは1年生のときから毎日帰宅後すぐに宿題をしていました。利き手の右手を骨折して1ヶ月ほどギプスをし、字を書くことが大変だったときは時間がかかるため、途中で休憩することもありましたが、宿題を全くしなかった日はありませんでした。

 

 

2.いつもは帰宅後すぐに取りかかる宿題をしようとしない娘

 

9月の3連休の最終日、帰宅時間が遅く、寝る時間も遅くなってしまったため、翌朝ぷにちゃんは少し疲れた様子でした。それでも見送り時には自分から「頑張ってくるね!」と私に言い、気持ちを切り替えて登校しました。

 

この日は習い事に行くため、帰宅して1時間で再び家を出なければいけません。ぷにちゃんにも朝、「帰ってきたら習い事に行く前に宿題を終わらせようね」と話していました。

 

 

帰宅したぷにちゃんに一言、「16時に家を出るからその前に宿題終わらせようね」と声をかけましたが、ぷにちゃんはランドセルを開ける様子もなく、おもちゃを触ったり、本を読んだりダラダラしています。

 

15分経過したところで、「先におやつ食べる?」と聞いたら「うん!」と言うので、おやつを食べたら宿題をするのだろう、と思っていましたが、宿題をしないまま16時になってしまいました。

 

 

3.親や先生の期待に応えようとして過剰適応になりがちな繊細な子

 

外からの刺激をひといちばい受けやすい繊細な子は、学校などの集団生活そのものにストレスを感じやすい傾向にあります。

 

さらに他人の感情に敏感で、周囲の状況も敏感に察することができるため、運動会の練習も始まっていたこの頃、睡眠不足で朝から疲れていても、学校に行くと「運動会の練習やらなきゃ!」「周りのお友達と同じようにしなきゃ!」と頑張りすぎてしまい、帰宅する頃にはスタミナもエネルギーも無くなっているのです。

 

 

この頑張りすぎてしまう状態を「過剰適応」と言い、過剰適応になると、やるべきことを後回しにしてしまう、動けない、ちょっとしたことに反抗的な態度を取ってしまう、ということがあります。

 

朝ぷにちゃんに「頑張ってくるね!」と言われたとき私は違和感がありました。このセリフはぷにちゃんが毎日言うものではなく、前回言ったのは、苦手だった水泳授業の最終日、ママと練習した成果が出せるか、顔を水につけることができるか、というドキドキの緊張感の中、登校前に宣言したセリフでした。

 

この日は、時間割を見ても特にぷにちゃんが緊張するような授業は無さそうでしたが、普段言わない「頑張ってくるね!」を言ってきたのです。朝は不思議に思っていましたが、帰宅後の様子を見て、今朝のぷにちゃんは、最後の水泳の日と同じぐらい、「がんばらなきゃ!」の気合いと緊張感を持って登校したということに気づき、それは「過剰適応」だと理解しました。

 

 

4.「宿題をしない娘」に注目しない!

 

16時までに宿題はしなかったけれど、習い事に行くつもりはある様子だったので、私は宿題については触れずに習い事に連れて行きました

 

習い事を終えると、体力的にも限界に近付いているぷにちゃんから「お弁当を買って家に着いたらすぐ食べたい」というので、その通りにしました。

 

食事中、見るからに眠そうでした。寝る前に宿題ができるのか心配になってきた私は入浴中に「お風呂あがったら宿題しようか」と一言だけ声をかけました。

 

しかし、入浴後も一向に宿題をしようとしません。今までの私なら「早く宿題しないと眠くなっちゃうよ」「だから習い事行く前に宿題しようって言ったでしょ」などと、つい余計な一言を言ってしまうのですが、今のぷにちゃんが過剰適応であることを理解した私は、「今日宿題できなかったら明日の朝早めに起こしてすればいい」と気持ちを切り替えて、「宿題をしないぷにちゃん」に注目しないことを決めました。

 

 

宿題をせずに、髪も乾かさずにお人形を触ったり、塗り絵を出したりしているぷにちゃんを見ると、何か言ってしまいそうだったので、私はぷにちゃんが視界に入らないように淡々と家事をこなしていました。

 

すると21時になってようやくぷにちゃんが宿題を始めました。眠そうな目をこすりながらでしたが、いつもよりも短い時間で宿題を終えることができたのです。

 

 

5.繊細な子の脳はエネルギーが充電されるとやる気を取り戻す

 

普段なら16時前に終わらせている宿題を21時までしない、という何ともハラハラする出来事でしたが、私が何度も「宿題は?」と言わなくてもぷにちゃんは自主的に終わらせることができました。

 

繊細な子は先生の指示・決められたルールは守るべき、という考えを持っているので、基本的に宿題をやらなくてはいけないことは言われなくてもわかっています。

 

食事の時間や寝る時間を考えると、親としては「〇時までに終わらせてほしい」という思いはありますが、外で頑張りすぎてしまう繊細な子は帰宅後は脳をリラックスモードにする時間も必要です。

 

 

ぼーっとしたり、好きなことを先にすることで脳のエネルギーが充電され、やる気を取り戻します。

 

過剰適応状態のときに「宿題をしなさい」と何度も言ってしまうと反抗して逆にやる気を奪ってしまうので、そんなときは子どもの自主性を信じて「やるべきことをしない」わが子に注目しない勇気を私たち親が持つことも大切です

 

 

執筆者:神名 美緒(かみな みお)

(発達科学コミュニケーショントレーナー)

監修: むらかみりりか
(『HSC繊細な子の育て方がわかる!ペアレントトレーニング』著者)

準拠理論:
本記事は発達科学コミュニケーションに基づき執筆されています


この記事を書いた人
神名 美緒

発達科学コミュニケーション トレーナー

娘は小学1年生の頃、先生からは「授業も集中していて、お友達とも仲良く過ごしています」と言われる一方で、学童の帰り道に突然泣き出したり、不機嫌になったり、習い事の行きしぶりが始まったり、頭痛や腹痛を訴えたり。

仕事を辞めて一緒にいる時間を増やせば解決するだろうと思った直後、2学期には学校の行きしぶりも始まりました。

「学校では問題なく過ごせているのに・・・」
「お友達もいるのになぜ行きたくないのだろう」

理由を聞いても何も答えてくれない娘を前に、励ましたり、背中を押したり、私自身もどう関わればいいのか悩み続けていました。

そんなときに出会ったのが、脳科学に基づく発達科学コミュニケーションです。

繊細な子の心と脳の仕組みについて学ぶと、行き渋りの原因は集団生活でのストレスを言葉にできていないからだと知り、ホームカウンセリングをはじめました。

私が関わり方を変えたことで、学校の行きしぶりは18日、テニスの行きしぶりは1か月半で解消。その後は自分の気持ちを言葉にしながら、自分で考え、選び、行動できる姿が増えていきました。

現在は、学校では頑張れているのに家でSOSが出る繊細な子を育てるママへ向けて、頭痛や腹痛、行きしぶり、不機嫌などのサインを「心と脳の現在地」から読み解き、親子が安心して集団生活を送れる関わり方を発信しています。

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