「宿題やらない!」小学生が笑顔で宿題をやり切った繊細な子の脳に届くやる気スイッチ

宿題をとにかく嫌がる子に、どう声をかけたらいいのか悩むことはありませんか?小学生の息子が「宿題やらない!もうイヤだ!」と投げ出しかけた時、ある工夫で「やる気スイッチ」を押すことができた、わたしの体験をご紹介します。
 

1.宿題から逃げ回る小学生の息子

 

我が家には小学校への行き渋りもある2年生の繊細な男の子(通称みっくん)がいます。

 

みっくんにとって学校は、入ってくる情報量が多すぎる場所。教室で先生の話を聞き、周りの様子を見ながら1日を過ごすだけでくたくたになってしまいます。なぜなら、みっくんの脳は、見たり聞いたりしたことを理解して、じぶんの中で整理し、行動にうつすのに少し時間がかかるタイプだから。

 

入ってくる情報が多ければ多いほど、頭の中がパンパンになってしまうんです。

 

だから、学校から帰ってきたら「おつかれさま~!!おやつの時間にしよう!」と声をかけて、「今日もハナマルだよ!」と伝えています。

 

そんなみっくんにとって、宿題はおうち時間の中に現れる最大の難所。いつも「宿題やらない!」「宿題イヤだ!」と逃げ回っています。

 

「宿題やらない!」状態になったら最後、「宿題は先生とのおやくそくだからさ」などと言っても動き出すことはありません。

 

「イヤだイヤだ!」と言いながら無理に宿題をやることで、学ぶこと自体を嫌いになってほしくないし「どうしたものかなぁ…」と、わたしも頭を悩ませていました。

 

 

 

2.「宿題やらない!もうイヤだ!!」追い詰められたSOS

 

わたしが洗濯物を取り込んでいると、「画数多すぎ!」「宿題やらない!もうイヤだ!」というみっくんの泣き叫ぶ声がリビングから聞こえてきました。

 

「えっ?!じぶんで宿題始めたんだ?!」と嬉しい驚きの気持ちとともにリビングをのぞいてみると、ソファにつっぷして泣いているみっくんが目に飛び込んできました。

 

机の上に広げられた漢字ドリルを見ると、

①完全になぞって書く

②少しだけなぞって書く

③なぞらずに書く

という3ステップ構成。

 

1ページにたくさん漢字があるし、それを3回ずつやらないといけない、画数が多い漢字も増えてきた…終わりが見えなくなって、「もうイヤだ!!」という気持ちになったのかなと思いました。

 

 

 

3.ちょっとの工夫がやる気スイッチになった!

 

ちょうど3ヶ月前、みっくんの行き渋りが激しくなった頃に、おうちで脳を育てる「発達科学コミュニケーション」のトレーナーで、繊細な子への関わり方を専門に教えているむらかみりりかさんに出会いました。

 

りりかさんの記事を読めば読むほど「みっくんのことかな?!」と引き込まれ、「このアプローチ法を学んで実践すれば、なにか変わるかもしれない!!」と、りりかさんの元で学び始めることを決意したのでした。

 

「画数多すぎ!」と泣いているみっくんを見て思い出したのは、「漢字ドリルも、薄くお手本を書いてあげて、なぞるだけにしてあげることもありますよ」というりりかさんの言葉。

 

何回も書くことは確かに記憶の定着につながるけれど、イヤイヤたくさん書いて書くこと自体を嫌いになってしまっては本末転倒。まずはどうすれば「やろう!」と思えるかが大切と聞いて、「なるほど~」と印象的だったのを覚えています。

 

まずはみっくんにそっと近づいて「みっくん、漢字ドリル出したんだねぇ。」「最初の3つ、力強く書けてるねぇ!」と、声をかけました。

 

「うん。でも、難しすぎなんだ…」と、しょんぼりと応じるみっくん。

 

そこで「そしたら、お母さんがうすーくお手本を書いて、みっくんがなぞるっていうチャレンジはどう?」と提案すると…「うん!いいよ!!」と、みっくんの顔がぱあっと明るくなって、やる気スイッチが入ったのが分かりました。

 

「みっくん、もう①が終わったねぇ!」

「よく見て書いてくれて嬉しいな~!!」

 

そんな風に声をかけていると、どんどん鉛筆が進んでいきました。最後の方は、わたしの薄いお手本も一部だけにしてみましたが、それでも最後まで笑顔でやり切ることができたのです。

 
 
 

4.子どもの「やってみよう」を引き出す視点

 

「サポートしすぎたら、自立できないんじゃない?」と思っていた時期もあったけれど、今回あらためて実感したのは、「できない」と子どもが感じたときに、そばでサポートしてくれる存在の力です。

 

みっくんの「もうやだ~」の向こう側には、「どうしたらいいかわからない」があったんだと思います。

 

それが、ほんの少しサポートの手を差し伸べただけで、あんなに気持ちよくやりきれたなんて…子どもって、本当にすごい!

 

宿題以外にも、子どもたちの「やらない!」「できない!」には「どうしたらいいの、助けて」という気持ちが隠れているのかも。

 

そんなときは、「どうしたら“やってみよう”って思えるかな?」の視点で、声をかけてあげてみてください。少しの工夫が、思いもよらない力を引き出してくれるかもしれません。

 

 

 

執筆者:みやざわちひろ

発達科学コミュニケーション

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