1.不安が強い繊細な子の「やっぱり行きたくない」に振り回される
我が家の小学校1年生のひろくんは不安が強い繊細な子です。前日までは「行く」と言っていても、当日になると「やっぱり行きたくない」と言い出すことがしょっちゅうあります。
そのためお出かけは予定通りに行かないことが多く、対応に困っていました。
人と会う予定や、予約してお金を払っているような予定だと、私もむきになって「なんで?」「昨日は行くって言ってたでしょ」「今さら予定は変えられないよ」とひろくんを責めて、無理やり連れていってしまうこともありました。
しかし無理やり連れて行っても、ひろくんは行った先で癇癪を起こして、親子でぐったり疲れて帰ってくる、なんてこともよくありました。
2.繊細な子は不安になりやすい理由があった
ひろくんの育児での悩みは尽きませんでした。こだわりが強い、不安が強い、人前を極端に嫌がる、行動の切り替えが苦手など、いつ困りごとが起きるだろうと気を遣いながら生活をしていました。
どうにかしたいと模索する中で出会ったのが、お家で脳を育てる「発達科学コミュニケーション」(以下発コミュ)でした。ママのコミュニケーションを変えることで子どもの脳を伸ばせる、という言葉に希望を感じ、発コミュを学び始めました。
学ぶ中で、繊細な子は感受性が高く、まわりの人や雰囲気などに敏感だということを教えてもらいました。他の子なら気にしないような小さな変化や刺激もストレスに感じ、不安になりやすいのです。
不安が強い状態だと家から出るという行為ですらハードルが高いものになり、「やっぱり行きたくない」と言ってしまうのです。
大切なのは日頃から不安を和らげる対応をすることと、繊細な子の不安をママ自身が重く受け止め過ぎないことです。
発コミュで教えてもらった声かけを実践したことで、ひろくんの「やっぱり行きたくない」を「行く」に変えることができました。次の章でその方法をご紹介いたします。
3.「やっぱり行きたくない」を「行く」に変えるママの声かけ
①不安を和らげる肯定の声かけを日常的に
不安が強いひろくんの不安を大きくしないために、普段から不安を和らげる声かけをすることを意識しました。
まずは子どものできているところに注目して肯定すること。「すごい」「偉い」などのフレーズよりも、「〇〇してるね」「〇〇できたんだね」と具体的に事実を伝えることで、ママは見ているよという安心感を与え、子どもも「僕はできている」と認識して安心することができます。
それとは反対にできていないことをスルーすることも大切です。できていないところを見つけるとつい注意したり、指示したりしてしまいがち。よかれと思ってアドバイスしているつもりでも繊細な子には否定的に伝わり「僕はできない」と自信をなくしてしまいます。
②「やっぱり行きたくない」には平静を装って対応
ひろくんが「やっぱり行きたくない」と言ったら、まずは平静を装い「そうなんだね~」と軽く返します。
「なんで?」と聞くと責めているように聞こえてしまうし、「不安なの?」と聞くと「僕は不安なんだ」と余計に意識してしまいます。またママが不安そうにしていると子どもも不安になってしまうので、重く受け止めすぎないことがポイントです。
またひろくんがそれ以上考えすぎて不安が大きくならないように、「お茶飲む?」など話題を変えて気を逸らすことも効果的です。
③「行く」という気持ちの後押しをするご褒美作戦
「帰りにおいしいおやつを探しに行ってみようか」
「向こうに着いたらジュースを買おう」
子どもが楽しみにできるようなご褒美を設定することも効果的です。わくわくする気持ちは不安を和らげてくれます。
4.ママのコミュニケーションを変えれば子どもも変わる
今ではひろくんが「やっぱり行きたくない」と言っても落ち着いて対応できるようになり、以前よりもお出かけに対するストレスがぐんと減りました。
心置きなく一緒にお出かけを楽しめるようになり、私自身も とても心が軽くなりました。
なぜひろくんはこんなに不安が強いのかと疑問に思っていましたが、それは脳の特性に理由があったんだと知ることで、普段の生活の中でもむやみに叱ったり注意したりすることが少なくなりました。
またママのコミュニケーションを変えれば子どもも変わる、ということを身をもって体感したことで、私自身の母親としての自信にも繋がりました。
これからももっといろんなことを学び、ひろくんの成長のサポートをしていきたいと思います。
執筆者:にしやまともか
発達科学コミュニケーション