返事をしない繊細な子に指示がスッと通った!脳に届く声かけとは?

話しかけても返事をしない繊細なお子さんに悩んでいませんか?子どもが2ヶ月で「なぁに?」と返事をするようになり、指示が通りやすくなる関わり方と脳に届く声かけをご紹介します。

1.返事をしない子…指示が通らない毎日に悩んだ日々

 

我が家の年少(当時)の息子アサヒは、ママと離れるのが不安な、少し怖がりで繊細な一人っ子です。

 

コロナ禍の真っただ中に生まれ、ほとんど人との関わりがないまま育ちました。

 

1歳半健診では「言葉が出ない」「指差ししない」「場所見知りが激しい」との指摘を受け、他の子と違う部分に気づく事ができました。

 

そして、発達が心配される子が通う教室に通うことになり、保育士さんから「指示が通りづらいですね」と言われていました。

 

幼稚園に通い始めても、朝の準備はいつも大変。

 

「お着替えしようね」「歯を磨こうか」そう声をかけても、おもちゃ遊びに夢中でまったく反応がない。

 

返事もなく、目も合わせず…。時間が迫る焦りと、反応のなさに、私は毎日イライラしていました。

 

繊細なアサヒの特性に気づけていなかった私は、ただ言葉をぶつけてしまっていたのです。

 

 

 

2.繊細な子がママの声をシャットアウトする理由

 

入園以来、分離不安、癇癪や登園渋りに悩み、繊細な息子の将来が不安だった私は、繊細な子の心と脳を強くする親子の関わり方を専門に教えているむらかみりりかさんの発信を見つけました。

 

そこで、おうちで脳を育てる「発達科学コミュニケーション」というメソッドを知り、「アサヒへの対応に迷うことがなくなるかも!」「今から学べばアサヒの将来が明るくなるかもしれない!」と受講を決意したのです。

 

「どうしてうちの子は返事をしないんだろう?」「都合の良い時だけ返事があるので、聞こえてはいるはずなのに…」そんな疑問を抱えながら学びを進めるうちに、衝撃的な事実を知りました。

 

それは、幼児の脳は、言葉の意味よりも、話す人のトーンや声色に強く影響されるということでした。

 

たとえ子どもの名前を繰り返し呼んだとしても、それがキツイ言い方だったりすると、子どもは「ママはまた怒っているな」「なんか怖いな」といったネガティブな感情だけを強く感じ取ってしまいます。

 

その結果、ママの声そのものに聞く耳を閉ざしてしまっている可能性があると知りました。

 

当時の私は、返事をしない息子に対し、「早くご飯食べて!」「お着替えするよ!」と常に強めの口調で指示し、反応がないことに焦って何度も同じことを繰り返していました。

 

これでは、息子が私の声を聞きたくないと感じてしまうのも無理はない…と気づかされたのです。

 

そこで私は、「脳に届く」ママの声かけを実践することにしました。

 

私が実際に試して効果を感じた、子どもの脳に届きやすい声かけのポイントをご紹介します。

 

 

 

3.子どもの「聞く耳」を開かせる4つの脳に届く声かけ

 

①笑顔で、ゆっくりと、優しい声で名前を呼ぶ

 

話しかける時は、キッチンなど離れた場所から大声で呼ぶのではなく、まずは子どもの近くに行きましょう。


そして、笑顔で、ゆっくりと、優しい声で、目を見て「〇〇く〜ん」と名前を呼びかけます。

 

名前を呼ぶことは、「あなたに話しかけていますよ!」「あなたの話を聞きたいよ」という大切なサイン。

 

安心できるママの優しい声色笑顔、そしてアイコンタクトで、「ママは今、穏やかな気持ちであなたに話しかけているんだよ」というメッセージが伝わります。

 

②返事がなくても、落ち着いて待つ

 

返事をしないからといって、子どもにすぐに「ねぇ!」「ちょっと!」と矢継ぎ早に言葉を重ねてはいけません。

 

幼児期の脳の伝達は、大人に比べてゆっくりで、理解に時間がかかります

 

ママの声を聞いて、それが自分への呼びかけだと認識し、何を言われているのかを理解し、そして「返事をしよう」と脳から体に指令を出す…この一連の流れには、私たち大人が想像するよりもずっと多くの時間と労力がかかるのです。

 

返事がない沈黙の時間があっても、イライラせず、落ち着いて待つこと。

 

これが、子どもが「ママの声を聞いてみようかな」と思えるゆとりにつながります。

 

③話しかける「タイミング」を見計らう

 

子どもが何か一つのことに夢中になって集中している時は、無理に話しかけるのを避けてみましょう。

 

集中が中断されると、子どもはそこで脳の切り替えが必要になり、ママの声を聞く余裕がなくなりがちです。

 

時間的に余裕がある時は、遊びと遊びの合間や、少し手元が落ち着いたタイミングで優しく話しかけるように意識しました。

 

④できた!を見つけて「ありがとう」を伝える

 

返事をしてくれたり、ママの声に反応してくれたりしたら、すぐに「ありがとう!」「お返事してくれて嬉しいな」「ママ、話を聞いてくれて嬉しいよ」など、感謝の気持ちやママの喜びを具体的に言葉にして伝えました。

 

「返事をするとママが喜んでくれる」「ママは自分の気持ちを分かってくれるんだ」という経験を重ねることで、子どもは「ママの声かけに応じると良いことがある」と学び、だんだん聞く耳が開くようになっていきます。

 

 

 

4.たった2か月で返事が返ってきた!親子の変化

 

これらの声かけを意識するようになってから、たった2か月ほど経った頃、繊細なアサヒにも大きな変化が現れました。

 

それまで何を言っても反応がなかった息子が、「アサヒくーん」と呼ぶと、私の顔を見てなぁに?」と返事をしてくれるようになったのです。

 

「なぁに?」と聞いてくれるようになると、その後の「お着替えしよっか」「絵本読む?」といった私の話も、スッと聞く耳を持ってくれるようになり、指示が通りやすくなりました。

 

これまでは、返事をしない息子にイライラしたり、「何を考えてるんだろう?」と悩んだり、まるで無視されているような寂しさを感じたり…。

 

私から息子への一方的な声かけばかりだった毎日が、息子からの返事というボールが返ってくる「会話のキャッチボール」ができる毎日に変わりました。

 

親子でコミュニケーションが取れるようになり、毎日が本当に楽しく、穏やかになりました。

 

次の目標は、私が細かく指示をしなくても、アサヒが自分で考えて動けるようになること。

 

朝の準備なども、もう少し自分で進められるように、楽しみながらサポートしていきたいと思っています。

 

 

執筆者:高橋 りえ

発達科学コミュニケーション

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