1.図工苦手なのにお家工作は夢中になれる繊細な子の不思議
わが家の繊細な息子(通称:優士)は、家では職人のように工作を楽しみます。
木材や段ボール、ビニールひもなど何でも集めて、ゲーム機の収納箱や、小銭を分別するからくりまで作り上げる。そんな姿に、優士は工作が得意だと思っていました。
しかし、学校の図工では
「図工は嫌!下手だからあんなのやりたくない」
「今日図工あるから行きたくない」
お家では楽しそうに作っているのに、なぜ図工が苦手になるのか不思議でたまりませんでした。お家で脳を育てる発達科学コミュニケーションにであい、その謎を解くカギは、繊細な子の脳の仕組みにあると知ったのです!
2.図工苦手は繊細な子の脳の仕組みにあった!
繊細な子の脳は、過去の嫌な記憶や苦手だった経験を強く覚え、記憶を溜めやすい特徴があります。
例えば
✔作品を笑われたこと
✔先生に「もっとこうしたほうがいいよ」とアドバイスを受けたこと
✔みんなに見られて恥ずかしかった体験
こうした体験が、「図工=嫌なこと」「失敗=怖い」と、脳に記憶され、次第に「図工=やりたくない」として、心にブレーキをかけてしまうのです。
「家でやってるから大丈夫だよ」「気にしなくてもいいんだよ」とお母さんが励ましても、不安は強まり、学校に行けなくなることも起きてくるのです。
大切なのは、無理にやらせるのでなく、脳の安心を育てることなのです。
3.お家工作が創造力を伸ばす!夢中になれる脳科学的関わり方
ある日、優士は図工を理由に学校を休みました。そして突然「子犬のための仕切りを作ろうかな」と言い出しました。
「これは脳の発達のチャンス!」と感じすぐに実況中継を始めました。
「仕切り作るんだね」
「入口の幅を測ってるんだ。結構狭いね~」
「ビニールひもで工夫してるんだ~」
すると、優士は「紐ならぶつかっても痛くないでしょ」と得意げに話しながらお家工作に没頭しました。試行錯誤を繰り返しながら、入口の幅よりも長く紐を張り、テープでしっかり固定します。
「お、子犬が通れるか試してるんだね」
「テストして、そこ修正するのね」
そんな実況中継を続けていると、30分後には「できたー!」と大喜び。私は優士と一緒に達成感を味わいました。
4.「できた!」が乗り越えられる未来
繊細なお子さんが「図工苦手」を無理に克服させようとすると、「出来なかった」「また失敗した」と嫌な記憶が積み重なり、学校そのものが「嫌な場所」になってしまうこともあります。
お家工作のように、安心できる環境で「できた!」を積み重ねると、脳には成功体験の記憶がたまり心の土台となります。
だからこそ、「得意なこと」「好きなこと」を通して脳を育てる関りがとても大切です。お家工作の様に、安心できる場所で、「できた!」を重ねる経験は、繊細な子の脳に「成功体験」の記憶として残り、心と脳の土台となっていくのです。
図工が苦手で悩んでいるのなら、お家での工作を一緒に楽しんでみて下さいね。本当の創造力は、安心の中でこそ育てることができますよ。
執筆者:増山陽香
発達科学コミュニケーショントレーナー