地震を怖がる繊細な子が落ち着ける効果抜群な災害に備えてできる心の準備

「地震だー!!」とパニックになっている繊細な子に「これくらい大丈夫だよ」は逆効果。怖がりな子が落ち着いて避難できるようになる繊細タイプの子の脳の個性に基づく、災害に備えてできる心の準備の仕方をお伝えします。

1.地震が起こるたびにパニックになる繊細な子

 

地震が起きるたびにパニックになって泣き叫ぶ

揺れが収まっても、身体が震えて何も手につかない

 

そんな、怖がりな繊細なわが子の姿にとまどい、「これくらい大丈夫だよ」「怖がらなくていいよ」と声を掛けていませんか?

 

実はこの声掛け、繊細な子には逆効果なんです。その理由と、関わり方についてお伝えしていきます。

 

2.「これくらい大丈夫」が怖がりな繊細な子に逆効果な理由

 

わが家には高学年の繊細な息子(通称:優士)がいます。地震が起きるたびに、「怖い、怖い」と言って毛布にくるまって震えるようになりました。こんなに怖がるようになったのは、実際に大きな経験をしたからではありません。思い返すと、テレビで自然災害を扱う番組や、レスキューのドラマをよく見ている子でした。

 

その時には怖がる様子はなかったのですが、コロナ禍以降、繊細さが強くなってきた時期と重なるように、少しの揺れにも敏感に反応するようになったのです。

 

私は、優士を安心させようと「今日の地震は弱かったよ」「そんなに心配しなくて大丈夫だよ」と声を掛けていましたが、不安は増すばかりでした。

 

テレビやスマホのニュースを何度も確認することや、夜眠れなくなることもありました。

 

「実際に大きな災害を経験していないのに、なぜこんなに怖がるの?」と不思議におもっていましたが、優士が繊細だと知ってから、発達科学コミュニケーションに出会い、繊細な子の脳の受け取り方を知ることで、長年の疑問が消えるようになりました。

 

 

3.不安が増していく繊細な子の脳の仕組み

 

繊細なお子さんは、視覚や聴覚といった五感がとても敏感で、情報を受け取る力が高い特徴があります。そのため、テレビの映像や音、ナレーションなどの強い刺激を、自分事として受け取ってしまいます。

 

特に災害報道やドラマでは「すぐに避難してください!」「命を守る行動を!」という強い言葉や緊迫した音が繰り返されます。

 

繊細なお子さんは、これらの情報を自分が体験したかのように脳に記憶してしまいます。そして、実際に少し揺れを感じただけで、「テレビで見たあの怖い場面と同じことが起こるかも。。。」と脳が危険を察知し、怖さで頭が真っ白になったり、身体が固まって動けなくなったりするのです。

 

こうして、「怖い」が「もっと怖い」へ強化され、不安のスパイラスにどんどんハマっていくのです。

 

4.今すぐできる!繊細な子の不安を減らす3つのステップ

 

では、どうすれば怖がりで繊細な子の不安を和らげ、落ち着いて行動できるようになるのでしょう。私が実践して効果があったのは次の3つです。

 

①テレビや携帯の情報を遮断する

 

テレビの情報は、緊急性を伝えるため、警報音や災害の場に近い映像を繰り返し伝えます。繊細な子の五感から受け取る刺激を遮る環境を作るだけで、安心感が上がります。

 

優士はこれだけで、「びっくりしたけど大丈夫だったね」と言えるようになりました。

 

②気持ちを引き出す

 

「大丈夫!」のアドバイスは不安な気持ちを否定されたと受け取られるため、漠然とした不安が強くなる一方です。そのため、今、どんな気持ちがあるのか、言葉にすることを手伝います。どんな言葉に対しても、「そっか、そっか」「そう思うんだね~」と繰り返して伝えましょう。

 

③気持ちを切り替える提案をする

 

気持ちを言葉にできた後は、「おやつ食べようか」「ゲームしようか」と楽しいことに誘ってみましょう。感情的な脳が落ち着き、気持ちを切り替わりやすくなり、脳のストレスが軽減されていきます。

 

このような対応を続けていると、優士は地震が起きても慌てず、犬を連れてテーブルの下に隠れ、地震が収まると懐中電灯を準備し落ち着いて行動できるようになりました。

今では「今日の地震は小さかったから平気だね」と落ち着いて話せるようになりました。

 

 

5.繊細親子の防災訓練は今日から始めてみよう!

 

災害に備えて出来ることは物の準備だけではありません。

繊細な子の心の防災訓練こそ大切なのです。

 

情報を遮断し、気持ちを受け止め、切り替える、この3つのステップを親子で練習しておくと、いざという時、繊細なお子さんは自分の力で落ち着いて行動できるのです。

 

繊細なお子さんだからこそ、備えらえる力を育ててみて下さいね。

 

発達科学コミュニケーション

トレーナー

増山陽香

 

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