学校生活が落ち着いてくると今度は学校や園行事が始まります。繊細な子どもはイレギュラーな行動を強いられると不安が強くなります。行事がある度に不安が募る繊細な子どもが、うまく行事を乗り越えるにはどうしたらいいのか?ママの対応についてお伝えします。
1.園や学校では行事がはじまる時期です
園や学校ではそろそろ運動会を見据えての準備が始まる!というところもあるのではないでしょうか?
うちは運動会は秋だよ!というところもあると思います。
また、1学期最初の参観・懇談が始まったり、遠足、避難訓練なども入ってくる時期ですね。
この運動会などの園や学校での行事ですが、多くの繊細タイプの子どもには試練行事となります。
先生をしていた身としては(園長先生をしていました)、運動会に取り組むとき、先生たちは結構大変…というのが本音です。それは参観など他の行事も同じです。
なぜか?というと、子どもたちの力を発揮させるために先生たちはものすごく頑張り、子ども達ができるようになるために一生懸命練習をさせようとするんです。
また、参観であっても子ども達の良いところを保護者の方に見せたい!と思って子どもの見せ場をつくったりできないか?と、いつもの内容を試行錯誤して挑みます。
しかし、この先生の強い思いが叱咤激励となり、繊細タイプの子どもには、大きな負担になってしまうことも事実です。
2.繊細さが疲れを助長する
ママ達は、学校や園行事がある度に
「なんでこの子こんなに繊細なんだろう…」
「なんで他の子と違うんだろう…」
そんな風にため息まじりに思うことはありませんか?
それは繊細さを良くないことと思っているから、そのような感情が沸いてくるんだと思います。
私は繊細さは持って生まれたギフトだと心から信じています。
繊細な子どもの感覚自体は生まれ持ったものなので「そう感じるんだね」と受け止めてあげてほしいのです。
ただ敏感すぎるが故に、受け取る感覚をコントロールすることが難しくて疲れやすかったり、不安になったり感情がたかぶったり、傷ついたりしてしまうのもまた事実です。
例えば、運動会のような行事は繊細タイプな子どもからすると、
✔ いつもと違うイレギュラーな出来事が起こる➜不安になる
✔ 練習や先生の熱い指導についていけない。または必死についていく➜ものすごく疲れる
✔ ママとパパの期待や大勢の人の前にでる➜プレッシャーになる
など敏感すぎるが故に、イヤでも精神的ストレスが降りかかってきます。
受け取る感覚をコントロールすることが難しく、疲れやすくて不安になったり、感情がたかぶったり、傷ついたり…と繊細タイプの子の生きづらさはそういうところに隠れています。
でも心配はいりません!
感じ方の違いを理解してあげることで、疲れ、不安、感情コントロールなどができれば繊細さを和らげることはできるんです。
しかし、逆の対応では繊細さは増していくばかりなので、どのような対応をすると繊細さを和らげていくことができるのか次で説明しますね。
3.繊細な子どもの疲れを癒すママの対応
不安、疲れ、プレッシャーなどを和らげてあげる対応や言葉かけがあれば運動会やその他の行事なども「大丈夫かも!」と思えるようになります。
ぜひ、できることからチャレンジしてお子さんの対応へと繋げていってみてください。
◆①疲れを癒してあげる
運動会などの行事前後は、いつもの何倍も!他の子の何倍も!疲れきっていると思ってちょうどいいくらいです。ママ達の思う疲れの何倍以上も疲れていると想像しておいてください。
なので休息はたっぷりめにとってあげるのが大事です。
「これぐらいで疲れる?」とか「子どもなんだからそんなに疲れないでしょ?」という親の思い込みはNGなので一旦その想いは横に置いておきましょう。
◆②リラックスできる言葉かけ
「がんばって」
「勝てるんかな~」
「ちゃんとやるんだよ!」
などの声かけはNGです。
「楽しんできてね」
「今日、参加できてよかったね」
と見守る姿勢でいましょう。
できた、できないではなく、そこに参加しただけで大きな花マルです!
◆③安心できる言葉かけ
ご家庭で一緒に運動会など行事のプログラムの予習をしたり、その前後の予定を確認したり、当日どんなことがあるのか順を追って話してあげるだけでも見通しが持てて安心できます。
またお子さんの話を聞いていると
「先生がこわい!!」
「ぼくいつも怒られてる」
そんな風に繊細な子どもは感じたままの気持ちを訴えてくるかもしれません。
そういうときは、
「先生ね、〇〇くんのこと大切だから言い方は厳しくても、一生懸命お話ししてくれたのかな?」
と付け加えてあげると、先生に対しての理解・捉え方が少しは変わり不安は薄れるかもしれません。
逆にママがこんなことを言っていたらどうでしょう…。
「先生そんなに怖い感じなの??それはいやだったね…大丈夫?悲しかったよね…」
とだけ言ってしまうと、「厳しい先生=悪!!」という理解・捉え方が育ったり、逆に不安が増したりするでしょう。
気持ちに共感しながらも希望の持てるような声かけで最後は終えて欲しいと思います。
繊細タイプの子どもが感じたことに対してどんな言葉をかけてあげるのか?で深い理解力や柔軟性、思考力は育ちます。その力が育つと一緒に繊細さが力にも変わります。
わが家の繊細タイプの息子は学校行事があるときは、700%くらい疲れて帰ってきますが、そんなときこそ「キター!!」とお疲れを癒しますよ、のモードにスイッチを入れて対応しています。
お家でもお子さんの繊細な反応に困った時はよ~く観察してみてくださいね。
何を不快に感じているのか?が分かればどう対応してあげたらいいのか見えてきますよ。