家からなかなか出ない不登校の繊細姉妹が思わずお出かけしたくなる母の提案

繊細な不登校のお子さんのお出かけの機会が減ってモヤモヤしてしまうことありませんか?誘ってみても「ウチが良い」となかなかお出かけが叶わなかった、わが家の娘たちの「好き」を使った実体験をお伝えします。

1.繊細な不登校の娘たちに悩む私が新たな学びに出会う


私には小学4年生の千帆と小学6年生の夏帆、二人の娘がいます。

 

二人とも繊細な気質の持ち主で、些細なことで傷ついたり、ネガティブな記憶が積み重なり、学校が嫌な記憶でいっぱいになってしまい不登校になりました。

 

不登校になり、なかなか姉妹が家からも出なくなったことに悩んでいた私は、繊細な子の心と脳を強くする親子の関わり方を専門に教えているむらかみりりかさんを見つけたのです。

 

むらかみりりかさんの繊細な息子さんが「やりたいがとまらない子になった」ように、わが家の姉妹ももっと行動的になるのではないかと希望がわいて、繊細な子に合った親子のコミュニケーションで心と脳を育てる発達科学コミュニケーションを学び始めました。

 

学ぶにつれ、不登校の娘たちに今まで寄り添って、ただ見守るだけだった対応が間違っていたと知り驚くばかり。

 

脳は行動をすることで「できた!」と自信が育ち、この成功体験が「自分は大丈夫!」とまた次の新しい行動へとつながっていくことを知りました。

 

不登校となり家から出ることの少ない娘たちが、どうすれば「お出かけ」という行動をしたくなるか、いつも考えるようになっていました。

 

 

2.娘たちの心が動かないとお出かけできない


行動させたい私とは裏腹に、
繊細な子の脳は「いつも同じ場所での同じ行動」を好みます。

 

なぜかというと、過去の失敗やネガティブな記憶から「自分は出来る!大丈夫だ!」という自信がしぼんでしまい、安心の範囲がきゅっと狭くなっているのです。

 

その範囲から出ようとすると「良くないことが起きるかも」「やめておこう」と脳の中の行動を止めようとするブレーキ機能が働いてしまうのです。

 

だから、安心安全な「ウチが良い」と言い、お出かけにも乗り気ではありません。

 

休日のこの日は私も夫も予定はなかったので、どうにか娘たちをお出かけに連れ出そうと、近所の神社で行われる「どんど焼き」に誘ってみました。

 

おみくじを引いて、最後にお振る舞いで出されるお汁粉をいただいて帰ってくる。前の日の夜は乗り気に!

 

「これはお出かけできそうだ」と期待したのですが、朝になると「やっぱり行かない、ウチが良い」……。


なかなか娘たちの気持ちを動かし、お出かけへと繋げられません。

 

 

3.娘たちとお出かけするために必要なモノ


娘たちとお出かけするにはどうしたら良いのか、さらに私は考えます。

 

思わず選びたくなる提案に必要なものを考えてみました。

・娘たちは普段何に興味を持っている?

・娘たちは何が「好き」

・安心安全のおウチから出ていっても、「きっと大丈夫」と思える安心材料ってなに?

 

 

4.繊細な娘たちの「好き」を使った母の魅力的な提案

 

◇お出かけの提案


実は、この日、私は観に行きたい映画がありました。

 

娘たちは映画は「好き」なので、まず映画で誘い出すことを考えました。

 

また映画館はショッピングモールの一角にあったので、映画のほかにも娘たちの「好き」なプリクラコーナーがあることを思い出しました。

 

そこで3つの提案をしてみました。

 

①一緒に母の観たい映画を観に行かない?

→観ない

 

②母は自分の観たい映画、娘たちは子ども向けの映画をそれぞれで観に行かない?

→娘たちの観たい映画がない

 

③母の映画の間、娘たちだけでショッピングモールでプリクラを撮りに行かない?

行くーー!!

 

プリクラで娘たちの心が動きました!母の映画が終わるまで、このショッピングモールでは、今までやったことのない二人行動を選んだのです。

 

お出かけだけでも十分な行動なのに、初めてのことに挑戦するなんて!!

 

◇安心のお守り


途中で不安になって「やっぱり行かない」とならないよう、対策も必要です。

 

「困ったことになっても私たちは大丈夫だ!」の気持ちが持てるよう、安心のお守りとなるものを考えました。

 

娘たちは携帯電話を持ってはいませんでしたが、音声機能のあるGPSを持っていました。

 

お守り①母の映画の間、困ったらGPSでパパに連絡

お守り②二人がはぐれた時の集合場所を決めておく

 

 

5.初めての挑戦となった姉妹二人のお出かけ


安心のお守りを確認し、お小遣いを渡し、ワクワクした状態で家を出発しました。


ショッピングモールに着くと、私とは別れ、娘たちだけで過ごす2時間が始まりました!


私は映画が終わり、娘たちと待ち合わせの場所に行くと……そこにはショッピングモールを歩き回ってヘトヘトになった二人の姿。


2時間何をしていたのか聞くと、プリクラは撮らずに、クレーンゲームでたくさんのお菓子をゲットし、雑貨屋さんでお買い物をしていたと。


どうやら姉の夏帆は、あちこち行きたくなってしまった妹の千帆について回って疲れてしまったようでした。疲れとイライラでちょっぴり機嫌が悪い様子。


このままでは、ネガティブな出来事になりかねないので、「母の感謝の気持ち」をたっぷり伝え、今日の挑戦が成功体験になるよう声をかけました。


「お姉ちゃん、千帆のお世話してくれたんだね、ありがとう。クレーンゲームでいっぱいお菓子取れたんだって~!?やったね~!」


家に帰るまでも、二人でやり遂げたことに「お母さん、びっくりしたよ~、やってみたらできるもんだね~」「プリクラよりやりたいことがあったんだね!」と楽しかったことを振り返る会話。


「ウチが良い」と言っていた娘たちが、お出かけして、初めての挑戦をしたこの日。


挑戦する中で、どうしようか考えたり、こうしてみようと決断して動いたり、脳をたくさん使った体験が出来ました。この「できた!」「大丈夫だった!」の成功体験が次の挑戦にきっとつながることでしょう。


不登校でおウチに居る時間が長いお子さんに、お出かけを楽しんでほしいとき、お子さんの「好き」をヒントに誘い出してみてはいかがでしょう!

 

 

執筆者:あなんしほ
発達科学コミュニケーション

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