付き添い登校そばにいるだけじゃ勿体無い!繊細な不登校の子が笑顔になれた安心の授け方

「クラスの子はみんな敵!」と感じる繊細で不登校の子も、付き添い登校と家庭でのポジティブな関わりで、少しずつ笑顔を取り戻し、苦手だった友達とも夫婦漫才のように日直を楽しめるようになったママの関わり方をご紹介します。

1.不登校になった繊細な娘と発コミュとの出会い

 

我が家の一人娘つぼみ(当時小2)は、真面目でこだわりが強い繊細な子です。

 

2年生の7月。
今まで保育園や学校に「行きたくない」と言ったことがなかったつぼみが、お友達トラブルをきっかけに、突然学校に行くと腹痛を訴えるようになり、不登校になってしまいました。

 

病院に行っても、学校に相談しても、はっきりとした答えはもらえず、どうしていいか分からないまま時間だけが過ぎていく日々。

 

8月。
不安と焦りの中で、眠れぬ夜が続き、何かできることはないかと必死に情報を探していた私に、おうちで脳を育てる「発達科学コミュニケーション」(以下、発コミュ)との出会いが訪れました。

 

そこで学んだ関わりを少しずつ積み重ねていく中で、つぼみは笑顔と元気を取り戻し、学校にも少しずつ足が向くようになっていきました。

 

 

2.付き添い登校で見えた娘の葛藤

 

11月。
不登校の状態は少し落ち着きましたが、まだ不安が強く1人で学校に行くことはできませんでした。
私がそばにいれば、なんとか教室に入れる状態。

 

ここから私と娘の付き添い登校が始まりました。

 

しかし、教室に入ってもずっと表情は硬く、お友達に声をかけられても無言でじっとしているつぼみ。
繊細なつぼみは、周りの笑い声や視線に敏感で、少しでも自分に注がれる気配に固まってしまいます。
そして自分の席に座ることもできずにいました。

 

「なんで座らないの?」
「だって隣の子うるさいねん…」

 

今にも泣きそうな表情で訴えるつぼみ。

 

クラスのみんなを敵のような目で見つめ、教室の中に立っていました。

 

どうしたらこの子の心を溶かしてあげられるだろう。
何がそんなに不安で、みんなを敵だと思ってしまうんだろう。

 

付き添い登校を重ねる中で、娘の態度を目の当たりにし、私はどう関われば安心させられるだろうと悩んでいました。

 

 

3.安心できる範囲が狭い…繊細な娘の心の中

 

発コミュを学ぶ中で気付いたのは、繊細な子の脳は安心の範囲が狭くなりやすいということです。

 

家やママなど、安心できる存在の中では生き生きすることができるけど、少しでもその範囲から外れるととたんに不安に襲われて、警戒モードになってしまいます。

 

これは、扁桃体という脳の不安や恐怖に関わる部分が敏感に反応して、「危険だよ〜」「逃げて〜」と信号を送ることが関係しています。

 

繊細な子の脳はこの扁桃体がとても敏感に反応しやすい特徴を持っているのです。

 

たくさんのネガティブな記憶が積み重なった教室の中で、つぼみの脳は安心の範囲から外れ、体も心も必死に自分を守ろうと反応していました。

 

しかし、逆を言えば安心の範囲に入れば、不安は和らぎ笑顔で過ごせるということ。

 

「付き添い登校でそばにいる今、私にも何かできるはず」
そう思い、私が付き添い登校の中で意識していった関わり方をご紹介します。

 

 

4.ママの関わりで子供の安心の範囲は広げられる

 

繊細な子は人の気持ちを敏感に感じ取ることができます。
特に身近にいるママの感情は、子どもにそのまま影響してしまいます。
ママが少しでも不安になっていると、子どもも一緒に不安になってしまうのです。

 

付き添い登校でのつぼみの様子を見て、私もとても不安になりましたが、その気持ちは一切見せずに、笑顔で「学校楽しい!」という雰囲気を作ることにしました。

 

例えば、私から積極的にお友達に話しかけ、一緒に楽しく遊んだりする中で、安心できる存在だと言葉ではなく、行動でつぼみに示すようにしました。

 

ある日の給食中。
つぼみが「うるさいから嫌」と避けていたお友達が、口の中にたくさん食べ物を詰め込み、まるでハムスターみたいにしているのを見て、私は思わず大爆笑!

 

そんな姿を見て、つぼみもクスッと笑ったのです。

 

さらに、家でも学校でのポジティブな記憶をたくさん入れていく会話をしていきました。

 

「今日、〇〇君すごく面白かったよね!あんなにいっぱい口の中に入れて、ハムスターみたい!」
「ほんとだね!あんなに入れてよく喉詰まらないよね」
と、思い出して笑うつぼみ。

 

安心できるママが楽しそうにしている。
その記憶を少しずつ積み重ねることで、つぼみの安心の範囲が少しずつ広がっていきました。

 

そんな関わりを続けていくと、つぼみに変化が訪れました。

 

「うるさいから嫌」と拒絶して隣に座れなかったお友達の隣に座ることができたのです!

 

さらに、ちょっかいを出されても楽しそうに会話をする姿が見られるようになりました。
2人で日直をする日には、まるで夫婦漫才のように前に出て発表し、笑顔でやり取りする姿がそこにありました。

 

 

5.ママの関わりで生まれた、笑顔の「行ってきます!」

 

現在3年生になった娘は、今では1人で元気に「行ってきます!」と毎朝出かけていきます。
あの不安で固まっていた日々が、嘘のようです。

 

この変化は、付き添い登校の中で少しずつ安心の範囲を広げ、さらに家での関わりを変えて繊細な娘の心と脳を育ててきたから。

 

付き添い登校をしているなら、ただそばにいるだけでは勿体無い!

 

ママが笑顔で関わり、楽しさや安心を示すことで、子どもは少しずつ安心の範囲を広げて、自分らしく羽ばたくことができます。

 

これからも、目に見えない小さな一歩一歩を大切にしながら、娘と一緒に成長の瞬間を積み重ねていきたいと思います。

 

 

執筆者:なかたに のぞみ
発達科学コミュニケーション

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