何度言っても伝わらない繊細な子の脳の『聞く力』を育てる親子のコミュニケーション

「これ何回目?」と思うほど、何度言っても繊細な子に伝わっていないってことありませんか?それは、聞く力が十分に育ってないのかもしれません。親子のコミュニケーションを変えたことで何回も繰り返し言っていた習慣が変えられたストーリーをご紹介します。
 

1.何度言っても伝わらない繊細な子

 

わが家の何でも知りたがる博士ちゃん(通称:ミカ)は、記憶力も理解力も抜群な繊細な子です。

 

ミカが年長の頃、私が何かを言ったときに「え?聞いてた?」と思うほど、言葉がスッと伝わらないなと感じていました。

 

返事はするけど動かない、聞いているかどうかも怪しい、とにかく何回も言わないといけない毎日に私はイライラしていました。

 

 
 
 
 
 

2.繊細な子の性格ではなく脳の苦手さ

 

そんな娘に対して「これは、聞いていないんじゃなくて聞けていないのかもしれない」と気づいたのは、私が「お家で脳を育てる発達科学コミュニケーション」に出会ったからです。

 

繊細な子の心と脳のしくみを知り、聞いていない”性格”ではなく、聞く力が弱いという”脳の苦手さ”からきていることがわかりました。

 

そもそも繊細な子は外から受け取る情報量が人の何倍も多く、たとえ本人が意識してキャッチしようとしなくても勝手に入ってきてしまいます。

 

そしてその情報を全て処理しようと頑張ってしまうので、話を聞いている途中で処理しきれずに、目の前のことからフェードアウトしてしまうこともあるのです。

 

このような脳のしくみを理解したうえで、日々の親子のコミュニケーションを工夫することが、『聞く力』を育てる第一歩になります。

 

 

 

 

 

 

3.脳に届くママの声で『聞く力』のトレーニング

 

今後の小学校生活で、授業をしっかり聞く・お友達の話を聞く・話を聞いて自分で動くなど、『聞く力』はとても重要です。

 

まだ未熟なこの力を毎日の親子のコミュニケーションの中で伸ばしてあげることで、最後まで話を聞くことができるようになり、集団生活がラクに過ごせるようにもなります。

 

①ママの声を繊細な子の脳に届くようにチェンジ

 

以前の私は、声が低めで、矢継ぎ早に指示や会話をしていました。

 

「柔らかい口調で」「ゆっくりと間を空けて話す」ことを意識して、話し方を改善しました。

なぜなら、繊細な子はママの声色や表情からの情報も敏感に反応することができ、私が普通に話していても、低い声を”こわい”と感じたり”ママ怒ってるのかな?”と不安になったりしてしまう傾向があるからです。

 

柔らかい口調にすることにより、言葉を受け入れやすく、間をあけて話すことで、繊細な子に言葉を受け取ってから処理するための時間をあげることができます。

 

 
 
 
 
 

②聞く準備ができるよう前置きをする

 

「これを聞いてね」と事前に要点を伝えることで、繊細な子は聞く準備をすることができます。

すると話に集中し、最後まで話を追うことを意識できます。

 

例えば「これからママが、2つのお願いをするから後で何だったか教えてね」

話が終わって「さぁ、2つのお願い何だったかな?」

 

とクイズ形式にすると初めてでもゲーム感覚でスッと取り組むことができます。

 

③いつもの読み聞かせを工夫する

 

『聞く力』にスポットを当てていつもの絵本を工夫して読みます。

 

例えば読む前に「お話の中でサルがある動物と出会います。何に出会うかしっかり聞いててね」と聞くポイントを伝えます。

 

お子さんに合わせてだんだん質問のレベルを上げていくと、普段の会話でも最後まで集中して聞ける力がついていきます

 

 
 
 
 
 

4.親子のコミュニケーションで伸びる脳の苦手さ

 

何度言っても動かない、むしろ聞いていないように見えていたミカが、だんだんママの言葉に聞く耳を開いてくれるようになり、何回も言わなくても伝わるようになっていきました。

 

繊細な子は、まだ『聞く力』がしっかり育っていないと、話をされても途中で処理しきれず、ぼんやりしてしまったり、うまく指示に反応できないことがあります。

 

ママとの毎日の親子のコミュニケーションで、繊細な子の脳に届く話し方や声かけの仕方を少し工夫することで、おうちで『聞く力』を育てることができます。

 

日常の中のちょっとした工夫が、繊細な子の「聞けた!」「わかった!」の自信をぐんぐん育てていきます。

 

「伝わらない」からイライラ・・・ではなく、「どうすれば伝わるかな?」に目を向けることで、ママももっとラクに過ごせるようになりますよ。

 

 
 
 
 
 

執筆者:やまさき うみ
発達科学コミュニケーショントレーナー

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