1.恥ずかしがり屋で目立つことが苦手な繊細な息子
我が家には、超がつくほどの恥ずかしがり屋で、目立つことが大の苦手な小学2年生の息子しょうくんがいます。しょうくんは1歳から保育園に通い始めましたが、毎年の運動会や発表会で行うダンスのときに眉間にしわを寄せ、楽しそうな表情を見せたことは、ほとんどありません。
3歳の運動会では「踊らない!」と頑なに拒否し、棒立ちのまま最後まで動かない姿がかえって目立ってしまったこともあります。
それ以来、渋々ながらも「イヤイヤ、ダンスをする」というのが彼の定番になっていきました。
本人の口ぐせはいつも「ダンスなんかイヤだ!楽しくない!」の一点張り。親としては、どうしてここまで嫌がるのか理解できず、戸惑うばかりでした。

さらに小学校1年生の運動会では、校舎の耐震工事の影響で中学校のグラウンドを借りて実施されたのですが、その環境の変化も重なってか、しょうくんは腹痛に悩まされ、競技の合間ごとに私とトイレへ駆け込むほどでした。
その後、1年生の秋には不登校ぎりぎりまで追い詰められ、3か月ほど休みがちになる時期もありました。ちょうどその頃、私は、お家で脳を育てる「発達科学コミュニケーション」(以下、発コミュ)と出会い、“繊細な子の心と脳を強くする”という言葉に惹かれて学び始めることになったのです。
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2.「学校イヤだ!」の再発の裏にあった”運動会のストレス”
私が発コミュを学びはじめてから、たった13日目。
しょうくんは自分の力で、毎日登校できるようになりました。「どの場所・どの時間なら行けそうか?」を自分で考え、登校の方法を工夫していったのです。
たとえば、最初は保健室から登校し、次は1時間目が終わるタイミングで教室へ行く。そんなふうに、少しずつ自分のペースで挑戦を重ねていきました。

そして2年生の4月には、保健室に寄らずにまっすぐ教室へ向かう日がほとんどになり、成長を感じる穏やかな春のスタートでした。
しょうくんは「中休みや昼休み、放課後に友達と遊ぶのが楽しみ!」と笑顔で話していました。学校はあまり好きではないけれど、自分の意思で「行こう」と決めて登校していたのです。
朝はいつものように「学校イヤだな〜」と言いながらも、自分で制服に着替え、ランドセルを背負う姿がありました。私は「行きたくない」に反応せず、「おっ、制服に着替え始めたんだね〜」と行動そのものを肯定。
しょうくんのペースを大切に見守るようにしていました。
少しずつ新しい生活にも慣れ、「今年は落ち着いていけそうだな」と感じていた矢先。
5月の運動会に向けてついに、練習が始まりました。
すると、それまでの「学校イヤだな〜」というつぶやきが、次第に「学校イヤだー!行きたくない!」という強い拒否の言葉に変わっていったのです。
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3.“イヤだ!”の裏には脳のSOSがあった
小学2年生の4月中旬ごろからしょうくんの口から再び出始めた「学校イヤだー!行きたくない!」の言葉。私はそのたびに、「この“イヤだ”はどこから来ているんだろう?」と考えていました。
発コミュの学びで、新しい環境に慣れてきた頃こそ疲れが出やすい時期だということを知っていたので、「練習が始まった=疲れて当然」と冷静に受け止めることができました。
だから、「学校はイヤだ!行きたくない」と言われても慌てず、「そっか〜」とサラッと受け止めながら、しょうくんの言葉の奥にある“本当の気持ち”を探すようにしていました。
しょうくんが口にした言葉は、
・「ダンスなんか踊りたくない。楽しくない」
・「練習がイヤだ」
・「保育園みたいに競争がしたいのに、全然やらないからつまらない」
・「デカパンリレーでいつもクラスがビリになるからイヤだ」
一見すると「わがまま」に聞こえるかもしれません。しかし、発コミュで“繊細な子の脳”を学んでいたからこそ、私はこの“イヤだ”の裏側に脳の特性が関係していることに気づけたのです。

◇「運動会嫌だ!」はワガママではなく“脳の防衛反応”だった
繊細な子どもの脳は、まわりの刺激を人一倍キャッチしやすく、安心よりも先に「危険!」と感じて防衛反応を起こしやすい傾向があります。
- 変化に弱い脳は、「いつもと違う」が続くと過緊張を起こしやすい。
- 見通しが立たない脳は、「どうなるかわからない」ことに強い不安を感じる。
- 失敗を恐れやすい脳は、「またうまくいかないかも」という記憶がブレーキをかける。
だからしょうくんの「運動会イヤだ」「練習イヤだ」は、 “やりたくない”ではなく、「これ以上ストレスを感じたくない」という脳の防衛反応だったのです。
私がその仕組みに気づいたとき、「しょうくんを変えよう」ではなく、「脳を安心させる環境を整えよう」と考え方を変えることができました。

4.繊細な子が笑顔で挑戦できる方法
「イヤだ」の奥にある不安が見えたからこそ、まずは安心を届けると決め、3つのSTEPの作戦で、しょうくんの不安を安心へと置き換える取り組みを始めました。
STEP1:選択できる安心をつくる
どうしても運動会の練習に参加したくないときは、「見学する」という選択肢があることを伝えました。「見学してもいいよ」と言われたことで、しょうくんは自分で判断し、担任の先生へ伝えることができました。
見学を選んでも、彼は耳と目で情報をキャッチしていたので、動きの流れを理解しつつ、体を休めることができたのです。それは、しょうくんにとって“やらない=逃げる”ではなく“、見学する=自分で安心をつくる”ということでした。
STEP2:日常の“肯定シャワー”で脳を安心モードにする
毎日の生活においても、些細な行動も肯定することを意識しました。
「ごはんおいしそうに食べてるね」
「食べ終わったお皿片付けてくれて助かったよ~」
こんなふうに日常の中で肯定をたくさん伝えるようにしました。
さらに、運動会のダンス練習を家族で楽しむ時間に変換してみたのです。 YouTubeで曲を検索して、パパも一緒に踊る“家族ダンス”を2〜3回練習する機会を作りました。
「パパも変な動き〜!」
「腕の振りいいね~」
「笑顔かわいい〜!」
完璧よりも、“楽しいね”を共有することで、しょうくんの中に「できた」「楽しかった」が積み重なっていきました。
STEP3:事前の“見える化”で不安をなくす
今年の運動会も、校舎の工事で別会場の体育館で開催することになりました。練習では一回も使うことなく本番のみで使う場所。
環境の変化が大きいほど、繊細な子の脳は混乱しやすいと知っていたので、事前にインターネットで場所を検索し、親子で写真を確認しました。
「ここが入口だね」「観客席はこのへんかな」と、事前に会場の雰囲気を“見える化”しておくことで、 しょうくんの脳は「知らない場所」から「知っている場所」へと切り替わり、当日の安心につながりました。
3つのステップを重ねたことで、しょうくんの中に少しずつ“やってみよう”の気持ちがが育っていきました。
そして迎えた運動会当日、「運動会イヤだー」というものの、体操服には自ら着替えこちらの「行こうか?」の声掛けにスムーズに出発しました。

5.運動会本番!“やってみよう”が笑顔に変わった日
運動会の会場についてくと「お腹いたくならないかな~」とつぶやくしょうくん。
それに対し、「もし、痛くなったらママがみているところに合図すればいいよ」と伝えました。
すると、安心したのか体育館の入口で、全校生徒の集まる場所へ「いってくるね〜!」と笑顔で走っていったしょうくん。去年は手を離すことがなかなかできなかったしょうくんが、今年は自分の足で前へ進んでいきました。
運動会の競技が始まっても、腹痛になることもなく、すべての競技に笑顔で参加。
「イヤだー!」と言っていた去年の姿はもうありません。
その笑顔を見たとき、私は思いました。
安心を積み重ねてきた時間が、しょうくんの“挑戦する力”に変わったんだと。
運動会が終わったあと、しょうくんは言いました。
「ママ、運動会、楽しかった!」
その一言が、何よりのごほうびでした。
去年の「イヤ!」が、今年は「楽しかった!」へ。
“安心”があったからこそ、しょうくんは自分の力で笑顔のゴールテープを切ることができたのです
繊細な子の「イヤだ!」の裏には、かならず不安を伝えるサインがあります。
ことばの奥側にある不安は何なのか、みつけてみてくださいね。
焦らず、安心を積み重ねることで、“やってみよう!”は育ち、笑顔になれる日は必ずきます。
著者:いとうあやこ
発達科学コミュニケーション
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