就学前の教育ってなに?
就学前の教育とは、小学校に入学する前の幼児を対象とした教育のことで、「就学前教育(しゅうがくぜんきょういく)」や「幼児教育」と呼ばれます。
幼稚園や保育園、子ども園でなされている教育のことを「就学前教育」、園だけでなく家庭や、地域でもなされる教育を「幼児教育」というなど細かい定義はありますが、小学校に入学するまでの未就園児を対象にしている教育です。
就学前の教育は、学力をつけるというよりも、基礎的な生活の力や社会性を育むことを大事にされています。しかし、この時期につける力が小学校に入ってからの生活で生かされるだけでなく、学習する力にも影響することは間違いありません。
この記事では、ママべったりも登園しぶりも解消でき、小学校に入学してからも生かされている力と、その力のつけ方をお伝えします。
ママべったりも登園しぶりも解消できて小学校でも困らない力とは?
小学校以降の学習では、自分で考えることと、自分の考えを伝えることがとても大事にされています。
私は、小学校の先生をしていますが、授業ではじっくり考える時間を取ります。そして、考えたことを近くの友だち同士で共有したり、全体に発表して共有したりします。共有して終わりではなく、友だちの考えを聞き、さらに自分の考えを深めるような学習をしていきます。
昔の教育は、教え込み型で先生の話を聞き、黒板に書かれたことをノートに写し、テスト対策はひたすら覚えるということを教えるようなものでしたよね。私たちが受けてきた学校での授業のかたちと、今の授業のかたちは全然違います。そして、求められることも変わってきています。
学校の教育が変わっているのだから、家での教育も自分が受けてきたものから変えないと、今、子どもに必要とされる力をつけてあげることができないのです。
自ら考えたり、考えたことを伝えたりと、今の小学校以降の子どもたちに求められるようなことは、母子分離不安キッズはとても苦手です。何をするにもママと一緒で、ママに助けてもらうことで安心して動けますが、「自分で」となると途端にできなくなります。
母子分離不安キッズは、この自分で考えたり、考えを伝えたりする力、つまり「自ら考え想いを伝える力」がないことでママから離れることに不安を感じ、ママから離れたくないと登園しぶりをするのです。
逆にこの力がつけば、ママから離れても行動ができるようになるので、ママから離れて保育園に行くことも怖くなくなり、登園しぶりがなくなるのです。
学校大好き小1娘はかつてママべったり登園しぶり娘だった
現在小1の私の娘は、ママべったりで母子分離不安が強く、年中からは登園しぶりもひどく、子ども園に送って行っても毎日泣いてお別れをしている子でした。
約2年、娘の登園しぶりに悩みましたが、母子分離不安キッズにあったコミュニケーションの仕方を学び、家で実践したことで母子分離不安は和らぎ、登園しぶりはなくなりました。
小学校入学後の今でも「今日は行きたくないな~」と言うことはありますが、行きしぶりというようなものではありません。「給食当番楽しいから行くけどな〜」とか、「今日は日直だから休むわけないけどな〜」と学校での楽しみがあって、その楽しみのために毎日笑顔で登校しています。
母子分離不安キッズに合ったコミュニケーションを取るようにしたことで、娘は「自ら考え想いを伝える力」をつけました。その力によりコミュニケーションに自信がつき、登園しぶりの解消ができました。そして、小学校に入学した今でも困ることなく楽しむことができています。
就学前の教育はおうちでできる!ママべったりも登園しぶりもさよなら&小学校で困らない力をつける会話術
ママべったりも登園しぶりもなくなって、小学校に行っても活かされる「自ら考え想いを伝える力」をつけるには、おうちでのママとの会話でつけることができます。
そのためにママが意識してほしいのは、
- 子どもが決められるように子どもに選択肢を与える質問をすること
- 答えを待つ
この2つです。
朝ご飯や、着替えなど、朝の登園準備で子どもがしなければならない行動を「これしなさい」と指示を出すのではなく、選択制の質問に変えるのです。
「朝はパンとご飯どっちを食べる?」とか、「Aの服とBの服どっちを着る?」などと子どもに問いかけていきます。2つのうちどちらを選ぶかは、子どもが考えて決めます。
簡単なことですが、少し話しかけ方を変えるだけで、子どもが自ら考え考えたことを伝えるという練習が出来るのです。
慣れてくると、「ご飯何食べる?」と聞くと、「何があるの?」と返ってくるようになります。そして、食べられるものをいくつか伝えると、そのいくつかある選択肢の中からまた自分で選んで答えるという練習になり、少しレベルアップをすることができます。
こうやってママから質問されて、それに答えるということをしていると、それまで受動的だった思考や行動が、能動的に変わっていきます。つまり、子どもが自分で考え行動するという方法を学んでいくのです。
ママも慣れてくると、朝ご飯や着替えの質問だけじゃなく、「どうしてそれを選んだの?」と感情についての質問もできるようになってきます。そんな質問をされると、子どもも自分の感情に注目して感じていることを教えてくれるようになります。
そして、「ママは聞いてくれる」ということが分かり、安心して色々なことを話してくれるようになります。
ただ、注意してほしいのが、答えを待つということです。
子どもに質問しても、すぐに答えが返ってこないことがあります。2択だと選びやすくはなりますが、それでもどっちにしようか悩むこともあります。悩んでいる時に、追加で質問をしてしまうと考える行動がストップしてしまったり混乱してしまったりするからです。
脳は話し始めるまでが一番活動していて、発達する時間なんです。矢継ぎ早に話しかけ、考える時間を持たせてあげないのは、脳が働く機会を奪うことになります。
悩み始めたら、「今、脳は頑張っているな。伸びているな。」と思いながら待ってあげてください。
この選択肢を与える質問と、答えを待つという会話の仕方で子どもは「自ら考え想いを伝える力」をつけることができるのです。
就学前の教育だからといって、何か難しいことをする必要はありません。お家での子どもとの会話を、ママが意識して少し変えていくだけです。
子どもとの会話を楽しみ、ママべったりも登園しぶりも解消して、小学校に入学しても心配ない力を今から子どもにつけていってあげませんか?
執筆者:桃奈やすこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)