付き添い登園で、幼稚園でも家でも子どもがべったりで離れてくれない
わが家の娘は、HSC、世間では繊細な子と呼ばれている気質があります。
給食を残さないようにと先生からの注意がきっかけで、年中さんの時に不登園になりました。
不登園をしばらくして後、「ママと一緒に午前だけなら幼稚園へ行ってもいい」と娘が自分で決めて、私と一緒に通う付き添い登園が始まりました。
初めは「やっと幼稚園に行く気になってくれた」と喜んでいた私でしたが、あまりにも過酷でつらい経験になりました。
幼稚園で娘は、教室にいても、外遊びの時も娘はずっとわたしのそばから離れませんでした。
ダンスなどで少しだけ離れる時も私がどこにいるか、不安そうに探す娘。
教室の中ではクラスメイト達が椅子に座っている中、一人わたしの膝の上に乗っていました。
「みんなちゃんとひとりで座っているのに…」私の中でモヤモヤする気持ちが出てきました。
そして付き添い登園を終えて、家に帰ってからも、繊細な娘は私にべったり。
トイレにいても、隣の部屋にいても「ママ、ママ」と呼ばれ、だんだん私のメンタルがやられていきました。
「私の育て方が悪かったのだろうか…」
悩み過ぎて、私が幼稚園に行きたくなくて、朝めまいで起き上がれない時もありました。
繊細な子は言葉の内容より、表情、声のトーンで受け止めてしまう
繊細な子は言葉の内容よりも、表情、声のトーンで理解してしまう傾向があります。
無表情で強めに「給食を食べましょう」と言われるか、
笑顔でゆっくり「給食を食べましょう」では伝わり方が違ってきます。
強めに言われてしまうと怒られていると感じ、食べないともっと怒られるとストレスがかかっていったのでしょう。
実際に先生に話を聞くと、怒っているつもりは全然なかったそうです。
ですが、とても声の大きな先生なので、娘は言葉の意味とは違う捉え方をしたのでしょう。
そして繊細な子の特性で、ネガティブな記憶は、楽しい思い出よりも残りやすいのです。
ネガティブな記憶が多くなると、不安が強くなってきて、子どもは自分を守るためにママから離れられなくなります。
ネガティブな記憶ばかりにならない対応方法をお教えします。
スモールステップで少しずつ成功体験を積む
しばらく付き添い登園をして、少しずつ私から離れることに慣れてきた頃でした。
娘の笑顔が増えてきたので、3日に1度1時間だけ私が園を抜け出す挑戦をしていきました。
園に戻って来た時には、
「助かったわ。どうしても○○に行かないといけなかったの。ありがとう」
と娘を褒めて成功体験を積んでいきました。
褒める事が増えて来ると、娘の笑顔も増えていきました。
さらに慣れてきたら、2日に1度1時間、2日に1度2時間などと、回数と時間を増やしていきました。
いきなり【1日1人で幼稚園に行く】を目標にしてしまうと、頑張る事が多すぎて失敗してしまいます。
でも【1日1時間だけママが幼稚園を抜ける】という少しだけ頑張ればできる短期目標をこなして、スモールステップで成功体験を重ねていくと、自信がついていきます。
この自信を付ける事がとても大事です。
少しずつ成功体験を積んで、「失敗したらどうしよう」というネガティブな記憶を塗り替えていくのです。
付き添い登園を卒業!年中さんの間に楽しんで幼稚園へ行けるように
約3か月たった頃、成功体験を積んで自信がついていった娘に
「これ出来たらすごいと思うやつがあるんだけど言っていい?幼稚園に1人で行けたらママびっくりするなー」と言ってみました。
すると「うん!行ってみる!」と言ってくれたのです。
次の日から、午前のみですが1人で登園できるようになりました。
年中さんの間に付き添い登園を卒業しておくと、小学校入学までにあと1年もあるので、子どものペースに合わせてゆっくりと自信を積み上げていけると思います。
成功体験をたくさんさせて、成長させていきましょう。
今回の付き添い登園で、私の育て方が悪かったのだろうかと何度も悩みました。
しかし育て方の問題ではないのです。繊細な子の脳の癖であって、ママの対応で変える事ができるのです。
この付き添い登園の経験は、私を強くさせてくれて、娘を私が成長させるのだ!と新たな目標を持つ事ができました。
どんなつらい経験でも、無駄なことはひとつもないと思うのです。
この経験をいま悩んでいるママに届けて役に立つことを願っています。
<執筆者>
発達科学コミュニケーションアンバサダー
川澄みさ