終わりの見えない付き添い登校に悩む日々
ひとりで学校に行けない、付き添い登校が続いているお子さんに悩んでいませんか?
付き添い登校は、お母さんにとって体力的にも精神的にもつらいですよね。
しかも、不登校ともまた異なるので周りにもなかなか理解されず、ひとりで悩むお母さんも多いのではないでしょうか。
いつまで続くのかも分からないので、終わりの見えない不安に襲われますよね。
私の息子もひとりで登校することができず、学校まで毎朝付き添い登校をしていました。
入学当初は他の子どもたちもお母さんと一緒に登校していたのですが、日が経つにつれてどんどんひとりで登校する子が増えていきました。
それを見て焦りを感じた私は、4月が終わるある日、無理やり「いってらっしゃい、大丈夫大丈夫!」と息子を送り出したのです。
不安そうな顔をしながらもひとりで行けたので、背中を押してよかったと思っていたのですが、後日他のお母さんから、泣きながらひとりで歩いていたことを聞き、とても胸が痛みました。
そして、その日以来、「ママがいないとイヤだ」と息子はひとりで登校することを拒否。そこから私と息子の長い付き添い登校の日々が始まりました。
ママべったりの子ども、母子分離不安とは?
付き添い登校が始まったと同時に、息子はママべったりになりました。
お子さんの「ママ、ママー」が増えていませんか?
もしかしたら、母子分離不安かもしれません。
母子分離不安とは、子どもが母親と離れることに対し、不安を感じることです。
分離不安自体は正常な発達の一部なので問題ないのですが、小学生になっても強い不安を感じて、行きしぶりや不登校につながってしまう場合があります。
母子分離不安の子どもは、極度に不安を感じやすく、ひといちばい繊細で敏感な特性を持っています。
ですので、私のように無理に背中を押しても逆効果です。さらに不安を大きくし、ますますママべったりになってしまいます。
そして、母子分離不安は進行性です。
今まではひとりでできていたことができなくなったり、癇癪がひどくなったり…
息子も不安がどんどん大きくなり、ひとりでは学校に行けずに付き添い登校し、帰宅後の癇癪も増え、次第に「学校に行きたくない」と言うようになりました。
「ママ、ママー」が増えてきたら、母子分離不安のお子さんのサインかもしれません。今すぐおうちでできる対応法で解消させましょう。
息子はある対応で不安が和らぎ、付き添い登校をせずにひとりで行けるようになりました!
不安を和らげ、自信をつけるために効果的な関わり方2つ
不安が大きくなる一番の要因は「自信のなさ」です。
「自信をつけること」が何より大切です。
息子の不安を和らげ、自信をつけるために私が行った関わり方を紹介します。
できていることに目を向ける
「肯定の注目:否定の注目=8:2」で肯定の注目を増やしていきましょう。
なぜなら、肯定の注目が多いと、自信がつき自主的に行動できるようになるからです。
肯定の注目とは、「褒める、認める、笑顔を見せる、明るいテンション、子どもの行動を肯定する言葉」です。
反対に否定の注目とは、「注意する、叱る、眉間にしわを寄せる、怒りのオーラ、ため息をつく」です。
子どものできている行動に注目し、実況中継のような声かけをしていきます。
「ひとりで起きられたね!」
「ごはんたくさん食べたね!」
「もう着替えたんだね!」
このように当たり前のことを褒めることによって、子どもは自分ができていることに気づき、自信をつけることができます。
焦らない!ママと子どものペースでスモールステップ
「自分ならできる!」と思える自信をつけるために、
小さな挑戦を繰り返し、成功体験を積み重ねていきましょう。
息子の場合、最初は靴箱まで一緒に行っていましたが、スモールステップで少しずつひとりで行ける距離を伸ばしていきました。
校庭まで、校門まで、校門の前の横断歩道まで、横断歩道の前の曲がり角まで…
息子ともバイバイする場所を相談しながら、数メートル単位で場所を変えていきました。
一つ一つをクリアすることが成功体験となり、徐々に自信がついて次の場所に進めていたように思います。
焦りは禁物です!
入学当初は周りと比べて焦ってしまい、息子に無理強いをして逆効果になってしまいました。
けれども、スモールステップを心がけることで私自身も気持ちにゆとりが生まれ、一緒に登校する時間を楽しもうという気持ちになりました。
しりとりをしたり、クイズを出し合ったり楽しみながら行きました。
息子と楽しんでいると、周りの子どもたちも興味を持つので、朝はちょっとしたクイズ大会に。
最初は朝のテンションが低かった息子も、遊びながら行くうちに笑顔が見られるようになりました。
付き添い登校は成長のチャンス!
最初はひとりで学校に行けるように始めたことでしたが、「不安を和らげ自信をつける」ための声かけや対応をしたことで、息子はひとりでできることが増えていきました。
「ママがいないとイヤだ」と言っていた息子が、お留守番やおつかいにもチャレンジできるようになりました。
さらに、2年生の3学期になった頃、ある日突然「ひとりで行ける気がする」と言ったのです!
そして次の日には、「いってきまーす」と家からひとりで登校することができました。
家から「いってらっしゃい」と背中を見送った日は、私と息子の特別な記念日です。
「ひとりで学校に行けない」付き添い登校は成長のチャンス!
ぜひ、お子さんの不安を和らげ自信をつけるために、今できていることに注目し、焦らずスモールステップで進んでみてくださいね。
<執筆者>
発達科学コミュニケーション アンバサダー
仲村まな