大人の期待に応えようとする過剰適応の子が「いやだ」と言えるようになるために身に付けた力

大人や周りの表情や空気を敏感に感じ取り、期待に応えようとして、自分の気持ちにフタをしてしまうことは、過剰適応の代表的な特徴です。私の娘が我慢せずに自分の気持ちを言えるようになった方法をご紹介します。

娘が不登校になり分かった、思いもしなかった一因

 

娘は小学一年生の2月に不登校になりました。

 

担任の先生からは「よく気がついて、お友達を助けてくれます。私も頼りにしています」と聞けるほど、絵に描いたような優等生でした。

 

しかし、家に帰って家族の前ではダラダラ、自分のことすら自分でしません。
「学校でできるんだから、家でもできるでしょ?あとちょっと頑張ろうよ?」と、叱咤激励のつもりの注意を重ねていました。

 

その時、娘は不機嫌な顔をして黙っているだけ
「黙ってたらわからないよ?」
どうしたいのか、娘の気持ちを知りたい私は、そんな言葉をかけました。

 

そんな娘はできることも多い反面、苦手も抱えていました。
寒さに弱い、好き嫌いが多い、牛乳が苦手。

 

「牛乳、減らしてもらったけど、もっと減らしてほしかった」
不登校になり、落ち着いている時にぽろっとこぼした言葉でした。

  

 

過剰適応の特徴は「自分の本当の気持ちが言えないこと」

 

詳しく聞いていくと、

「牛乳を減らしてほしい」と先生にお願いする

一本の半分くらいの量を紙コップに入れてもらうと「これでいい?」と聞かれる

本当はもっと減らして欲しいのに、言えずにそのまま受け取る

 

そこに困っていたなんて、そんなことすら言えなかったなんて、思ってもいませんでした。
「周りを優先してしまい、自分の本当の気持ちが言えない」のは、過剰適応の代表的な特徴です。

 

そういった小さな積み重ねがストレスや分離不安になり、不登校へつながったことに、その時気付きました。

 

自分の正直な気持ちを言えるようになるには?

 

過剰適応を解消するためには、周りを優先せず、自分の正直な気持ちが言えるようになることが必要です。

 

つまり、自信をつけることが必要です。


そして、その自信は「選ばせて、肯定する」会話で付けることができます。
この会話で、自分の意見が認められる経験になり、その積み重ねで自信がついていきます。

 

最初はほんの小さなこと・簡単なことから。

 

例えば
「朝ごはんはパンにする?ごはんにする?」
選べたら「いいね!おいしそうだね!」「OK!そっちにするかなーと思ってた!」

 

「今日のハンカチは、どっちの色にする?」
選べたら「自分で決められたね!元気な色だね!」「いいね!今日の服にも合ってるね!」

 

この会話を続けて、娘は今では、顔色をうかがうそぶりもなく、「あれをやりたい」「これはいやだ」と、自分の気持ちをはっきりと伝えてくるようになりました。

 

自分で自分の人生を創っていく

 

自分の気持ちを我慢し続けると、いつか本来の自分を見失い、ストレスや不安を抱え、心を壊してしまうかもしれません。

 

心を壊してまでやらないといけないことは何もありません。

 

娘は不登校を選んでいますが、心を壊す前にSOSを出し、気付かせてくれて本当によかったと思っています。

 

自分の気持ちを言えるようになった娘は、自分で自分の人生を創っていけると信じています。

 

 

執筆者:泉かおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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