友達の誘いを断れず、自分の気持ちも言えず、ストレスを溜め続けた
娘が小学1年生の2月から、登校が週1~2日になった原因の一つに、友達からの誘いを断れなかった・自分の気持ちを言えなかった、ということがありました。
よく遊んでいた友達の一人が、人が好きで距離が近く、なんでも一緒にしたいタイプだったようで、トイレへ行くのも一緒、ドッジボールで同じチームになったら逃げるのも一緒、校庭での遊具も友達のしたいところへ一緒に行くことが多かったようです。
一方、娘は友達と遊ぶのも好きだけれど、こだわりが強めで一人の時間もしっかりとりたい反面、空気を読みすぎるが故に周りの状況をよく理解し、求められる行動をとるタイプです。
本当は、今トイレに行きたくない、ドッジボールは自分の好きなように動きたい、遊具も自分がしたいものがあった。けれども、ケンカになったり、その場の雰囲気を悪くすることを恐れて、自分の気持ちにフタをし続けました。
放課後もたびたびその友達と遊ぶこともあり、よく笑い、楽しそうだけれど、時々楽しめていなさそうな、仕方ないというような表情をしていることもありました。
けれども、そういったことは誰かと関わると必ずあることなので、私は特に気に留めず、むしろ乗り越えてほしい、できれば自分から話してくれるまでは、と見守っていました。
まさか、家ではワガママを言っている娘が、友達に誘われると、気乗りしないことでも断れない、自分のしたいこと・したくないことなど気持ちを言えていないとは、考えてもいませんでした。
過剰適応の特徴「自分の想いより他人の想いを優先してしまう」
過剰適応の特徴の一つに、ケンカやその場の雰囲気を悪くすることを恐れ、自分の想いより他人の想いを優先してしまうことがあります。
それには、以下のような背景があります。
①ネガティブな経験の記憶
②気持ちを言葉にできない
③自信がない
①ネガティブな経験の記憶
脳には、もともと不安を感じやすい・ネガティブな記憶を貯めやすいタイプがあります。
そこに、発達障害などの特性やそれぞれの苦手なことから、怒られたり失敗して嫌な思いをした経験をすると、ネガティブな記憶として強く残ってしまいます。
②気持ちを言葉にできない
感情を素直に言葉にせずに育ってくると、今の気持ちをどう表現していいかわからなくなります。
思ったこと・感じたこと・考えたことを言葉にするのがゆっくりだったり、そもそも言葉を知らないから、表現できない場合もあります。
③自信がない
①ネガティブな経験の記憶・②気持ちを表現できない ことを積み重ねると、自信がなくなってしまいます。
そして、自分が意見を言って受け入れられるか、嫌われないか、反論されないか、怒られないか・・・と話すことが怖くなってしまいます。
私は娘に「どうしたい?」と聞き、受け入れつつも、「こっちの方がいいんじゃない?」と、私が思う良い選択へ誘導しようとしたこともありました。
その結果、ただでさえ空気を読みすぎる、言葉にするのがゆっくりな娘は、ますます何も言えずに黙って不機嫌な顔をしているだけになりました。
肯定を続けることで、自分の希望を伝えつつ友達と遊べるようになった!
今では、友達と遊んでいても「違うのやりたい」「こっちがいい」と、自分から言えるようになっています。
また「遊べるかわからないけど」と想定したうえで、自分から友達を誘えるようにもなりました。
そうなれたのは 肯定8:否定2 と できていることを伝える を続けたことです。
肯定とは「褒める」の他に、「励ます」「感謝する」「興味や関心を示す」「気付いていると知らせる」「喜ぶ・驚く」「スキンシップ」「同意する」などがあります。
できたことを伝えるのは、「本人が当たり前にやっていることは実はすごいんだよ!できていることがたくさんあるよ!」と本人の中にあるネガティブな記憶を、ポジティブな記憶で上書きするように増やして貯めます。
すると、自信がつき、恐れずに気持ちを言えるようになるのです。
日々過ごしていると、ネガティブに出会うことは避けられません。
ネガティブな記憶を残しやすいお子さんに、それ以上のポジティブな記憶をどんどんプレゼントして、過剰適応を解消しましょう!
(発達科学コミュニケーショントレーナー)