相手に配慮しつつ自分の気持ちや考えを伝える「アイメッセージ」
「アイメッセージ」という言葉をご存じでしょうか?
「私はこう思う。だからあなたにこうしてほしい」
といった「私」を軸にした話し方をすることによって、強制感を減らし相手に配慮しつつ、自分の気持ちや考えを伝えるコミュニケーションの方法です。
反対に「ユーメッセージ」とは
「あなたにこうしてほしい」「あなたはこうしてください」
と「相手」を軸にすることで、要望がはっきり伝わる反面「しなさい」「するべきだ」といった命令として捉えられるおそれがあります。
アイメッセージを使うことで、相手とのスムーズなコミュニケーションがとれる効果があります。
ところが、アイメッセージでも正しく効果が伝わらず、注意が必要なタイプがあります。
それについては次で説明していきます。
空気を読みすぎる分離不安の娘にはどちらも同じ感じ方!
私の娘は、空気を読むことが得意で、求められる行動が取れる分離不安キッズ。
学校の先生からは「よくできていて、お友達のサポートもしてくれて、私も頼りにしています」
と褒められる優等生でした。
けれども、自分の気持ちを話すことが苦手で、自分の気持ちより周りを優先してしまう。
子どもが自分自身の気持ちや意思を我慢し、周りの期待や環境に強く合わせようとする、過剰適応の特徴が出て、登校が週1~2日のほぼ不登校になりました。
それから私は
「行くのがつらいなら学校に無理に行かなくていいと思う。
けれども勉強はしておいた方がいいと思う」
→「・・・じゃあ漢字書く」
「今日は5時間目から行ってみるのね!
給食にゼリー出るし、そこから行ってみるのは?」
→「・・・じゃあ行ってみる」
とアイメッセージで伝えましたが、しぶしぶ行動している状態で、過剰適応が解消していないことに気づきました。
空気を読みすぎる娘にとっては、強制しないアイメッセージも、私の想いは指示と同じでしかなかったのです。
それから私は、娘へのプレッシャーにならないような伝え方を試していきました。
過剰適応が解消して、自分の気持ちを出せるようになった!
強制に感じないためには「娘の気持ちが一番大切であることを伝え続ける」。
相談して何かを決める時には
「お母さんはこう思うけれど、娘はどうしたい?」と聞き続けました。
すると次第に「じゃあこうする」と、自分の気持ちから決められるようになりました。
もし判断ができずアドバイスを求めてきた時には
「お母さんだったら」の枕詞で、あくまでも強制では無いと伝えることができます。
過剰適応になりやすい子は、感受性が豊かで、他人のために動ける強みをもっています。
その強みを発揮できるよう、まずは自分の気持ちを大切にできる子であってほしいと思っています。
執筆者:泉かおり
(発達科学コミュニケーショントレーナー)